第469話『帰還』
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その後、俺は終電が間に合うギリギリまでフーちゃんとの会話に勤しんだ。重要な話から単なる雑談まで様々だ。正直彼女との会話が楽しすぎて、時間の概念を忘却の彼方へ置いていってしまうほどに。
しかし、時間は容赦なく人間に報せを告げる。そろそろ時間だ。
彼女は俺に泊まってほしそうな顔をしていたが、さすがに悪いので帰還することにした。
しかし、フーちゃんの諦めは悪く、色仕掛け作戦に出た。具体的には下着が見えるギリギリこところまでスカートをたくし上げたり、自分のシャツを引っ張って、柔らかい二つの山をチラッと見せたり。どんだけ俺に泊まってほしいんだよ……。
というかフーちゃんって意外と大胆なんだな。さっきも誤って押し倒したと思ったら、次は故意に抱きついてきたし。あれ? もしかしてわざと押し倒した?
俺の男としての欲望が爆発しそうだったが、“とある女の子”を想像することで理性が見事勝利を収めた。
無表情のまま頬を膨らます彼女だったが、二回目のデートの約束することで機嫌を治してくれた。
フーちゃんに見送られながら、俺は夜の街を歩いた。
いつもの街の光景のはずなのに、時間が異なるだけでこうも違うのか。まるで別の世界に来たと錯覚してしまう。
当然人は少ないが、街は自らをアピールするように街灯をピカピカと照らしている。まだまだ夜はこれからだぜえ! そう言ってるような気がした。
我が住処に着くと、マーリン、あおいちゃん、パーシヴァルがリビングで飲み物を飲みながら談笑していた。ルカちゃんたちは寝ているようだ。
おかえりと出迎えられた俺はその輪に入り、今日の出来事を話せる範囲で話した。さすがにフーちゃんの下着の色とか、胸をチラチラ見せて誘惑された事は話さなかった。
襲撃された話をすると、あおいちゃんとパーシヴァルは驚き、マーリンは冷静に状況を分析した。
コードネーム“ガレス”。
俺とフーちゃんを襲った少女は未来のバレスさんの少し若い姿であり、同一人物かどうかは不明ではあるが、おそらくそうだろうとフーちゃんから結論が出ている。
『じゃあ、そんなところでそろそろ俺は寝るわ』
『入浴はされないのですか?』
『あぁ、そうだった。じゃあ風呂入ってから寝るわ』
俺は入浴の準備を済ませて風呂場に足を踏み入れようとすると、パーシヴァルが当然のように入ってきた。しかも、入浴セットを手に持っているので完全に風呂に入る気だ。
『パーシヴァル? 今は俺が入る時間なんだが……』
『分かってる』
パーシヴァルはそう言って服を脱ぎ始めた。
『おいおい、何やってるんだ?』
『何って、風呂に入ろうと服を脱いでるんだ』
『いや、そうじゃなくて何で俺と一緒に入ろうとしてんだって言ってんだ』
『私が主人と一緒に入りたいだけだが?』
真顔で返答した。服を脱ぐ手は止まらず、とうとう下着が顕になった。
『当然のように答えるな。そして脱ぐな』
残念ながら本人は聞く耳持たず、とうとう最後の砦である下着を外した。
『おいおい、嘘だろ……!』
生まれたままの姿を堂々と曝すパーシヴァル。紳士の俺はそっと視線を外し、逃げるように風呂場へ避難する。
しかし、パーシヴァルは逃がすまいと俺を抱きしめた。またしても柔らかい山が当たってますけどーーー!?
お、おぉう。これは……まあ目測で分かってたけど、パーシヴァルの方が弾力があるな。
って、んなこと言ってる場合じゃねえ!
どことは言わねえけど、“アレ”が無駄に元気になってやがる!
『ほぅ、これが……?』
とある箇所を見て、興味を示すパーシヴァル。
『見るなーーー!!!』
俺はそっぽを向いて、パーシヴァルからの視線を遮った。“どこへ”の視線とは言わないが。
やめてくれ、俺の“アレ”を見るな……。元気になったところでこの程度なんだ……どうした笑えよベ◯ータ。
『主人、何で泣いてるんだ?』
『聞くな、男にはどうしても泣かなきゃいけねえ時があるんだ』
結構ガチで泣きました。
『それでパーシヴァルは、何で俺と一緒に入りたいと思ったんだ?』
パーシヴァルは異性への視線に疎いところはあるが、さすがに男の俺と一緒に風呂に入ろうとしたことはなかった。なのに突然俺と一緒に入りたいと。どういう風の吹き回しなんだ……?
『なあに、主人が思い詰めてるような気がしたからな。ちょっと裸の付き合いでもと思って』
『裸の付き合いは大抵同性でやるものだぞ』
『そうなのか? まあそんなものはどうでもいい』
『おいおい、無防備すぎる所は気をつけろってマーリンから言われなかったか?』
前に教師としての自覚をさせる為にそういう教育をしたと聞いたような気がしたが。
『……確かに言われたな。すまない、ちょっと待ってくれ』
服を一切装着しないまま、脱衣所をあとにした。
『ちょ、おい』
その格好で出るつもりか、とツッコむ前に本人は退室してしまった。今頃あおいちゃんに見つかって服を着させられてる頃だろうな。
そんなことを想像しながら、待つ必要のない時間を律儀に待った。元々一人で入るつもりだったし、俺以外女性しかいないこの家でそれ以外の選択肢はないからな。
ただパーシヴァルが一体何をして戻ってくるのか気になるから残ってるだけだ。別に本当はパーシヴァルと一緒に風呂に入りたいとかそんなんじゃないからな。
なんか、今日はよく女性の肌を見る日だな。
昔の俺が聞いたらどう思うだろうか。こんなラノベみたいな展開なんて信じる余地はないだろうな。
俺はクスッと笑った。
すると、扉がバンッと勢いよく開いた。俺はその音に少しビクッとしたが、次見た光景には驚愕の表情を浮かべた。
『――主人、待たせたな』
『ダスト様、私がお背中を流しますよ』
『私はダスト君の大事な所を洗おうかな』
『ちょっと! 学園長さん何考えてるんですか!』
パーシヴァル、あおいちゃん、マーリン、そして就寝していたはずのルカちゃんの四人が水着姿で現れた。
『え、ナニコレどういう状況?』
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