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第465話『日常①』

お待たせしました。

第465話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※文字数少し少なめです。

 とある休日の事だった。


 俺はある人との約束で、駅の近くで待ち合わせをしていた。


 いつもよりも気合の入れた格好をして、準備は万端だ。


『あと15分か』


 時を示す二つの針はそれぞれ12と9を指していた。


 待ち合わせの時間は13時ジャスト。だが、こういうのは早めに来るのが定石らしい。


 しかし、あの約束冗談だと思ってたのに生きてたんだな。


 “今度の休みに私とデートして”


 そう、氷魔法の使い手フーちゃんとの口約束だ。ちょっと前に彼女からマーリンの家に連絡があって、そこでデートの詳細を決めたのだった。


 フーちゃんのような美人とデートできるなんて、正直気分が上がった。だって今まで全然モテなかった俺がデートだぞ? こんな機会なかなかない。


 それで昨日はつい浮き浮きになっていた。しかし事情を知った周りのルームメイト達は何だか複雑な表情だった。特にルカちゃんは突然不機嫌になって、俺とは一言も口を聞いてくれなかった。まるでブロンズ様を見てるようで、どこか切なくて悲しくてノスタルジックな気持ちになったが、それどころではない。


 どうしても気になって何回か声をかけようとしたけど、あおいちゃんとマーリンから、『乙女心だよ(です)』と言われ、面会を拒否されてしまった。どういうことなのか、全く意味が分からない……。


 朝も同じように避けられて、何だか悲しかった。あおいちゃんからは『これはダスト様が悪いです』とだけ。マーリンも『ダスト君が悪いよ』と、みんな揃って悪者扱い。


 原因を聞きたいのに、それも拒絶される。どないせえゆうんじゃ。


 それでも約束は守らなければいけないので、乙女の謎を家に置いたまま、外に出た。家帰ったら謎を暴くから待っててくれ! 名探偵ダストとの約束だぞ☆


 それで今に至るというわけだ。


 モヤモヤする部分もあるが、デート自体は楽しみだし、何だか心臓の音も盛り上がっている。


『お、そろそろ時間だな』


 時計が1時を示す瞬間、彼女は現れた。


『お待たせ』


 やはり表情が動かないままだが、俺に向けて振っている綺麗な御手は楽しそうに見えた。


 ――青色に輝く髪、少女を思わせる幼い顔立ち、華奢な体型、透き通る白い肌。服装は白いワンピースの上にピンクのジャケットを羽織っている。


 可愛いを通り越して美しい。全国の美少女好きならば、賛辞を超えた賛辞を溢しかねないほどの可憐さ。


 可愛すぎてレンタル彼女では? と疑われるレベルだ。なんせ俺の顔面レベルが彼女と釣り合ってないからな。


『待ってないよ。じゃあ行こうか』


 既に周りの視線がフーちゃんに集中している。これだけ美人だったら、当然だろう。


『その前に何か言うこと無い?』


『言うこと……あ、あぁ、その服似合ってるよ』


 お世辞でもなんでもなく本心からそう言った。すると、その気持ちが伝わったのか、フーちゃんは頬を赤らめて、


『ありがとう』


 と、笑顔でお礼を言われた。


 か、かわいい〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!


 いやヤバいって! 死人出るって! 尊死するって!


 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!


 ……このように感情の嵐が渦巻いているが、それはあくまで裏側の話。表面は平静を装っている。……ギリッギリだけど。


『それじゃ、行こ』


 フーちゃんは俺の腕を組み、率先して前へ進んだ。その際に柔らかい胸が当たっていた。


 理性くんが死にそう……助けて。


 いや耐えろ。耐えるんだ俺。ここで感情に任せて、限りない喜びを叫びに変えても、フーちゃんが困惑するだけだ。


 一応俺だって男だ。彼女には楽しく過ごしてもらえるように導かなければ。


 少し歩くと、フーちゃんが突然足を止めて、


『……』


『フーちゃん?』


 無言で後ろをチラッと見た。そこにあったのは、ただの住人A、住人B、住人C……と、俺達とは全く無関係な人間達がただ通り過ぎていくだけの価値のない光景だ。


『どうしたの?』


『……いや、何でもない』


 何事もなかったように、前へ進むフーちゃん。


 よく分からないけど、何か気になるものでもあったのだろうか?


 探知魔法を使えば分かるかもしれないが、未来の魔法を公衆の面前で使うわけにもいかない。まあ、バレなければ問題はないのだが、使った影響で変わる未来もあるから、緊急時や誰も見てない所以外は使わないようにとマーリンから釘を刺されているのだ。


 そういう理由で俺は後ろにいる()()の正体を暴くことはできないのだ。


 二次元なら定番のデートの跡をつける。やれやれ、こんな時に一体誰がついてきてるのやら。


 俺は気にしないフリをして、フーちゃんとのデートを満喫することにした。

第465話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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