第446話『サバイバルバトル〜彼はゾンビのように〜』
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――俺は、死んだ。
セカンド・ドライヴの超カッコいい龍の形のオーラを纏った腕に貫かれて、この世界での生命活動に終止符を打った。
次に目を覚ます時に見る景色は、親の顔よりも見た医務室の天井だろう。
ただし、それは――
俺じゃなくて、分身なんですけどねwwwwwwwwwwwwwww
うえーい、俺を倒したと思ったかwwwwwwwww
バカめ!!!!!
俺は生きてるぜwwwwwwwww
ざまあみろ効率厨野郎wwwwwwwwwwwwwww
ヒャハハハハハハハハwwwwwwwwwwwwwwwwww
……つい取り乱してしまったが、順を追って説明をすると、セカンド・ドライヴが来る前に俺はある魔法を仕込んでいた。一つは先程の戦いで披露した、結界魔法。武器に付与して見事にあの効率厨の異常なまでの身体能力と魔法を封殺した。と、思われたが、結界でも封じきれないほどのキモい身体能力を駆使し、呪術とかいう謎の概念を使われ、俺の分身は敗北してしまった。
だが、これも実は想定済みだ。そもそも結界魔法で封じる作戦も上手くいくと思ってなかった。失敗した時の為の仕込みもちゃんと用意していたのだ。
ただ、あおいちゃんが脱落してしまうとは思わなかった。彼女だっていっぱい巨人モンスターを狩って経験値を積んでいた。タイマンでセカンド・クソ野郎には勝てるとは思っていないが、まさかデバフを背負ったにも関わらず、未だここまでの差があるとは……怪物とはまさにアイツの事だな。
まあそれでも、あおいちゃんが身体を張って時間を稼いでくれた。そのおかげで俺はとある仕込みを終わらせることができた。
その仕込みとは、分身魔法で大量の分身を作り、ゾンビ責め戦法で効率厨・ドライヴを追い詰めるという、数の暴力に物を言わせたような脳筋作戦だ。
ただこの戦略には穴がある。まずシンプルに時間がかかること。分身を一体作り出すのに数秒ほど要するのだ。いやいやそんなに時間かからないじゃん、と思うだろうが、今は戦闘の真っ最中だ。もしこれが一対一の戦いならば、隠れつつ分身を作らなければいけない上に、分身を作る間は完全に無防備だ。
あのチート嫌味野郎相手に、一秒でも隙を与えることは完全なる自殺行為と言っていいだろう。
それに、ただ分身を大量に作るだけではセカンド・ドライヴには勝てない。分身一体一体がある程度強くないといけない。適当な分身軍団で責めても拳一発の風圧に巻き込まれてあっという間に全滅だ。通常攻撃で全体攻撃ができる奴相手にそれでは全く意味がない。
だから分身のクオリティを上げる事が必須なのだが、その為には更なる時間を要する。どれくらい? 数十秒〜数分だ。
それを“大量に”なので、どうしても十分な時間が必要なのだ。
その時間はあおいちゃんが稼いでくれたので、クオリティの高い大量の分身を作ることができた。
今から、こいつらをセカンド・ドライヴの元へ送り込む。
『行け』
俺が司令官のように指示をすると、分身達は軍隊のように並び、進撃する。
俺はどこにいるかって? 俺は今、島の下層部の隠し空洞にいる。
セカンド・ドライヴが来る前に仕込みをしていた時に、超絶便利な探知魔法でその存在に気づいて、今の今まで隠れていた。
どうやら、ここはノルン様が意図して作った隠し部屋のようだ。ここにたどり着いた瞬間に俺は“特典”を獲得して、それを乱用した。
その特典とは、“この大会に参加している間だけ、選択した一つの魔法の魔力消費をゼロにする”というもの。つまりその魔法だけ使い放題というわけだ。
悩みに悩みまくった俺は、ゾンビ責め戦法が頭に浮かび、今回の作戦を決行することにした。
そして俺は分身魔法を選択し、あおいちゃんとルカちゃんにはその旨を説明し、本体の俺はここで分身を製造し続けて完成したら出撃させる。そのまま何もない限りはここから一歩も出ない事を誓った。外の様子は探知魔法で見れるし問題はない。しいて問題があるとするなら、自分だけ比較的安全圏にいる事に罪悪感が芽生えてしまったことくらいか。
――で、そのまま今に至るというわけだが、ここで外の様子を見てみよう。
俺はラスボスになったような気分で、探知魔法で外を覗く。
どうやら今、俺の分身が続々とセカンド・ドライヴに攻撃しているようだ。
もう既に分身1号2号はセカンド・ドライヴによって消滅しているが、3号4号5号が頑張って一撃一撃を確実に与えている。
そうしている内に、6号〜12号が到着し、適当な魔法攻撃を発動している。
次にやってきた13号にはルカちゃんを守るための結界を張ってもらい、14号15号には彼女の補佐をお願いした。これでルカちゃんも攻撃しやすくなるだろう。
『ディーンさん、私も頑張るよ』
先程まで戦意を失っていたルカちゃんは剣を取って、セカンド・ドライヴに斬りかかる。反撃されそうになっても14号15号が彼女に攻撃がいかないように魔法で守り続けている。
そして、また増援が来てはセカンド・ドライヴをさらに追い詰めている。
だが、さすがと言うべきか、簡単に倒せないはずの分身をセカンド・ドライヴは着実に倒している。少しでもペースを落とせば、製造が追いつかなくなり、セカンド・ドライヴを攻撃する分身がいなくなることもありえる。
そうならないように、どんどん分身を増やさなくては!
――そうだ。これは根気との勝負だ。
魔力は特典によって免除されているので無限に発動できるが、普通に体力や精神的にはまあまあ負担がかかる。
俺の気力が尽きるのが先か――セカンド・ドライヴが倒されるのが先か――
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