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第445話『サバイバルバトル〜青い色の贖罪〜』

お待たせしました。

第445話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 《青い髪の少女による贖罪》


 思えば、私はいつだってお姉様の跡を追っていた。辿っていけばいつか私もお姉様のような素敵な人になれると思っていたから。


 ……結果、無理だったけど。


 邪悪な者に操られた挙げ句、仲間を裏切り、ダスト様にも多大なご迷惑をかけてしまった。それが私の本意ではないにしろ、私の心の弱さが招いた結果だ。


 私のせいだ。私が悪い。


 これが、まるで罪から逃げるなと言われているように定期的に頭に浮かんでくる。


 だから、私は同じような事を繰り返し思い浮かべ、いつまでも自問自答し続けるのだろう。それが私の罪、永遠に消えることのない私への罰。


 要するに、私は自分が許せないのです。


 私のせいで、傷ついた。全部私のせいだ。


 あれもこれも私のせい、私が悪い、自分が許せない。


 苦しい、違う、苦しまなければならない。私はいつまでも、いつまでも。


 だけど、今ようやくその罪を償える時が来たのだ。


 それが一万年前の世界にて、ダスト様を支える事。罪の清算というわけではないが、それで償えるのなら私は喜んで任務を全うする。


 お姉様もそれを望んでいるに違いない。


 だから、私はダスト様が望む方へ進むだけ。


 たとえ私の命が尽きようとも、彼だけは必ず未来へ送り届ける。


 お姉様、それまで待っていて下さい。そこに私はいないかもしれませんが、未来を救う意志、魔王城の皆さんを愛する気持ちは、いつまでも生き続けますから。


 ――それで現在(いま)に至るわけですが、私は目の前の強敵に剣を振り続け、勝ち目のない戦いを自ら強いている。


 なぜ、そんなことをするのか? 全てはダスト様とルカさんのためだ。お二人のどちらかを優勝させる事が今回の私の目的だ。


 私自身は優勝する必要はない。ダスト様の願いが叶う事が私の望みでもあるからだ。


『はあああああああああああああ!!!』


 弱肉強食の世界を生きる獣のように声を上げながら戦う私。美しくない、意地汚い。さっさと降参すればいいのに。気持ち悪い。みっともない。なんて声が自分の中だけで聞こえてくる。所詮は自らが生み出した被害妄想(わるぐち)だが、本当に周りからそう思われてるのではないかと勘繰ってしまう。その度に私の心は押し潰され、いつものネガティブに陥ってしまう。


 でも、そんな私でも――


 彼の為に戦えるのなら、私は喜んで剣を振ります。


 魔王城の幹部としてじゃない、贖罪でもない。ただ一人の彼の親友として――


 あぁ――私は罪深い。彼に対する罪を持ちながら、勝手に友情を感じるなんて、私は何て強欲なのだろう。


 神様、もしも存在するのなら、こんな私を見ておいで下さるならば――


 どうか、このような醜い私をお許し下さい。


『貴様、一体何の為に戦っている?』


 戦闘中にセカンド・ドライヴさんは、私の心を読んだかのような質問をしてきた。


『うーん、そうですね……』


 刃を彼に叩き続けながら考える。簡単に答えられるようで意外と悩んでしまう。何の為か……ダスト様の為と答える方がいいのか、それとも――


『ダスト様の為……と答えたいところですが、結局のところ私の正義(エゴ)……だと思います』


 そうだ。私のこの罪滅ぼしをしたいという気持ちも、彼に友情を抱いているのも、結局のところ全部私の欲望だ。


 お姉様でも、魔王様でも、被害者であるダスト様ですら、加害者である私を裁こうとしなかったし、助けてほしいと頼まれたわけでもない。マーリンさんによって、偶然近くで死んでしまった私を掬い上げて、援軍として過去に送られたに過ぎない。


 決してマーリンさんは特に私の気持ちを汲んでくれたわけではないだろう。だが結果的に贖罪の機会をくれたのだ。彼女には感謝しなくてはいけません。


 マーリンさん、私の一つの欲望を叶える機会を下さり、ありがとうございます。おかげで私はどんな相手でも戦える。 


『――なるほど、正義(エゴ)か。そうか』


 彼はそれ以上何も言わず、戦闘に専念する。


『……』


『……!』


『……』


『……!』


 無言で戦闘を続けていたが、先程と状況は何も変わっていない。ただ私が弄ばれているだけだ。


 やはりダメか……私では彼に傷一つすらつかない。もう分かりきっていたことだが、いざ現実を目の当たりにすると、精神的な苦痛がより重くのしかかる。


『はぁ……はぁ……』


 ついに、武器を取る手が悲鳴を上げ、剣を地に落とした。それをきっかけに膝を崩し、すっかり戦意も失ってしまった。


『ようやく諦めたか』


 私に呆れるわけでも、かといって賞賛を送る雰囲気でもなく、ただそれだけを言った。


『降参か?』


『………………』


 声が出ない。まだ戦えると言えるほどの気力はなく、だからといって降参するなんて、とても私の口からは言えなかった。


『そうか』


 無言の私の心情を察したのか、とどめを刺そうと拳を構えた。


 とうとう私もここまでですか。こうなることは分かってましたが、せめてセカンド・ドライヴさんが使っている呪術とやらの弱点くらいは知りたかったです。


 ですが――()()()()()()()()()()()()()()()()()? ()()()()


 私は脱落する直前に不敵な笑みを残した。


『……!』


 彼は私の表情に違和感を覚えたようだが、もう遅い。


 呪術のオーラを纏った拳に、私は痛む暇もなく意識を失った。


 きっと私が次に視界に映る光景は医務室の天井でしょう。その後にダスト様とルカさんが笑顔で良い報告をして下さると、私はとても嬉しいです。


 ――さて、私の役目はここまでです。


 ちゃんとお役に立てたか不安ではありますが、あとは頼みましたよ。ダスト様、ルカさん。


神 (おれ)『我が許す!!!!!!!!!!!!!!!』


はい、というわけで、

第445話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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