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第426話『サバイバルバトル〜作戦会議①〜』

お待たせしました。

第426話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 ――時は少し遡り、最初の島から幾分か離れた孤島では。


『着いた』


 俺は転移魔法でルカちゃんを連れて、とある孤島に足を踏み入れた。


 この仮想空間、海の向こうは何もないと思っていたが、他に島があったようだ。


 こういう隠し要素、男の子なら好きでしょ? と、どこぞの女神に言われている気がした。その通りだよちくしょう!!!


 全く、オラわくわくしちゃうぞ!!!


『へえ〜他にも島があったんだ。でも、ここに来てどうするの? あっちで誰かと誰かが潰し合うまで待つってこと?』


 ルカちゃんもなかなか性格の悪い発想をするようになったね。先生は悲しい。でもそれもこの試合では立派な戦略だ。ルール上でも間違ってはいない。


 むしろ褒めないといけないな! さすが賢い可愛いルカちゃん! その調子でどんどん悪巧みしていこう!!!


 なんて、心の中で叫ぶけれど、このテンションで会話すると、さすがのルカちゃんも、『えぇ、ディーンさんキモ……』とドン引きされてしまうだろう。そうなれば俺もしばらく立ち直れない。


 それから家で会っても、おはようと挨拶すらされず、学校で授業しても、俺みたいな変態が教師だと説得力ゼロだからと、髪の毛も金髪に染めて、ガラス割ったり、盗んだバイクで走り出したり、やがて警察のお世話になって……。


 あぁぁぁぁぁぁ、それはダメだ!


 抑えろ俺、戦いで昂ぶってしまった心を一旦鎮めて、教師としての自分を思い出すんだ。


 俺は心の中で深呼吸をした。決してルカちゃんに悟られないように、俺は彼女の理想であろう大人をインプットした。


『うーん、それも悪くないけど、今回はちょっと目的があってね。行こうか』


 ルカちゃんは首を傾げながらも、島の中を歩く俺に黙ってついていった。


 すると、


『ダスト様、ルカさん!』


『あおいさん!』


 見慣れた青い髪の美少女が、親の声よりも聞いた華蓮な声で俺達の名を呼んだ。


 爆炎に巻き込まれたとばかり思っていたが、見たところ無傷だ。


『無事だったんですね! てっきり爆発に巻き込まれたのかとばかり……』


『ははは……確かにちょっと危なかったですが、急いで海に飛び込んで何とか事なきを得ました』


『良かった〜。でも、何でこの島にいるんですか?』


()()()()ためじゃないかな?』


 俺は会話に割り込んで、正解を口に出した。


『ええ、さすがダスト様。ご明察でございます』


 この大会では“残り人数”は表示されないので、あおいちゃんのように退場したかと思わせる作戦を立てることができる。


 おっと、あおいちゃんだけじゃないか。


『よお、オーガスト・ディーン。とルカ。てめえらも来たのか』


『フレイ!』


 フレイもあおいちゃんと同じ爆炎から逃れてこの島まで泳いできたようだ。


 まだまだ活気溢れる彼女なのだが、珍しく俺に戦意は向けてこない。というか、今は戦うどころではない。


 なぜなら、水を吸いすぎた衣服。服としての機能を大分失い、ふくよかな胸を包む下着が透けている。


 相手が脳筋(フレイ)とはいえ、目のやり場に困ったので、俺は気まずそうに目を逸らす。


 そんな俺にルカちゃんはジト目を向ける。いや違うんだこれは不可抗力だ信じてくれ。


『なんだ? どうしたてめえら?』


 男子の視線を奪いそうな魅力的な格好をしておいて、本人は本当に何も知らん顔でいつも通りに接する。


 それを見兼ねたルカちゃんは、


『フレイさん! 濡れたままにしないで早く着替えてください!』


 と、頬を染めながら注意した。


『そうは言ってもよぉ、替えの服がねえんだよ。でも確かにこのままじゃあ気持ちわりいからもう脱ぐか』


 フレイはそう言って、濡れたシャツを脱ごうとする。(おれ)がここにいるのにお構いなしだ。


『ちょちょちょ、何やってるんですか!?』


『なにって、見りゃ分かんだろ。服脱いでんだよ』


『そうじゃなくて、何で男性のディーンさんがいるのに堂々と服脱いでるんですか!!』


『俺が別にそんなこと気にしねえからだ。脱ぐぞ』


 フレイの服を脱ぐ手は止まらず、上半身の下着が顕になった。


『うわあああああああああああああーーーーー!!!』


 ルカちゃんは叫びながら、両手の手のひらで俺の両目を塞ぐも、指の隙間から着替え中の女の光景()が見えている。


『なんだよ、いきなり叫びやがって。何やってんだよ』


『そ、そそそれは、こ、こちらのセリフです! 女性としての尊厳どうなってるんですか!?』


『ソンゲン? 何だそれ強いのか?』


 どうやらフレイは尊厳という言葉をご存知ないようだ。無論女性としての恥じらいも無いのだろうな。


 こいつ、とことん思考がパーシヴァルと似てるな。あいつも同じように答えるだろうし、何なら露出狂だしな。


『あ……この人もうダメですね……』


 ルカちゃんは失望を顕にしたような表情をして、どう説得しても徒労に終わると諦めた。


 一方でフレイは意味も分からず首を傾げている。一体自分の何がおかしいのか一生かけても理解できないだろう。


 その後、あおいちゃんに魔法でフレイの服を乾かしてもらい、目を惹くようなセクシャルな姿はこの僅かな時間にて見納めとなった。


『それで俺達はこれから作戦を錬るところなんだけど、フレイはどうする?』


『そりゃ、これから俺の戦いに割り込みやがった奴をぶん殴りに行くんだよ』


『いや、これ複数人の試合だから割り込みは仕方ないだろ……』


『分かってるけど、どうしても腹の虫が収まんなくてなぁ……!』


 フレイは自分の手のひらに拳を収め、この上ない怒りを表している。


『うーん、まあ分からなくはないけどなぁ……てかお前、最初は俺と戦いたそうにしてたじゃねえか。今ここに俺いるけど、どうする? 戦う?』


『いや、てめえは後だ。さっきも言ったが、戦いに割り込んだ奴を探し出さねえと、俺の気が済まねえ』


『ああ、分かった。お前との決着はあとにしよう。ところでその割り込んだ犯人は誰だか知ってるのか?』


 実はこれが1番聞きたかった事だ。犯人が分かれば、そいつと戦う事になっても対策することができる。


 フレイが答えてくれるのかと思いきや、代わりにあおいちゃんが、


『ダスト様、実は――』


 その時の出来事を丁寧に説明してくれた。


 二人が戦っている最中に蝶が飛んできたこと。

 その蝶が爆発したこと。

 二人は咄嗟に海に潜って爆炎に巻き込まれずに済んだこと。

 このまま島に戻るのは危険だと判断し、遠泳してここにたどり着いたこと。

 犯人はある程度絞れるものの、現時点では分からないこと。


『――というわけなんです』


『なるほどね……犯人は分からないと……』


 確かにその情報量だと、犯人を絞り込むのは難しいだろう。


 俺の予想では犯人はファーストドライヴだと思う。何故なら、俺とルカちゃんが遭遇したあの幻覚からファーストドライヴの魔力が見えた気がしたからだ。


 あおいちゃんとフレイが見たって言う蝶と関係性があるかは分からないが、その手のトリッキーな戦術は、未来の魔法を覚えているファーストドライヴだと予想できる。


 もちろん、セカンド効率厨野郎の可能性もあるが、あいつの性格上、こんな回りくどい方法は取らないだろう。


『フレイ、犯人はおそらくだが、ファーストドライヴだ』


『なに、あいつが?』


『ああ、絶対的な根拠は無いが、消去法で考えると多分……』


『分かった、感謝するぜオーガスト・ディーン!』


 フレイはそう言って、また海に飛び込もうとする。


『おい待て、どこに行くつもりだ?』


『決まってんだろ、ファーストドライヴのトコだよ!』


『まさか、また泳いで行くのか?』


『あ? それしかねえだろ』


 まさか瞬間移動なんてできるわけじゃあるまいし、なんてフレイは考えているのだろう。しかし、俺がよく使ってるあの魔法であれば――


『俺が転移魔法で連れて行ってやる。その代わり条件がある』


第426話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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