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第421話『サバイバルバトル〜赤(青)い剣と赤い炎〜』

お待たせしました。

第421話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


『な……お前……()?』


 あおいちゃんは変身魔法を使い、フレイと瓜二つの姿となった。身長も体重も髪型も声帯もほくろの位置もスリーサイズも、はたまた服装までも忠実に再現することができるのだ。


『それも未来の魔法ってやつなのか……?』


『はい、これは変身魔法といって、自分と面識のある人に化けることができます』


 フレイは未来の魔法を覚える未来人に嫉妬しているらしい。そんな彼女の前で堂々と見せつけてしまっている状況だ。そうなるとフレイが一体どれだけ怒り狂うのか、想像するだけで熱苦しくなる。


『す、すげえ……マジで俺そのものじゃねえか……マジすげえ……声も服も身体中全部俺じゃねえか』


 ところが、今のフレイは未来の魔法を見て初めて、背景に稲妻が走るような感銘を受けてしまった。もちろん嫉妬心も存在するのだが、まるで初めて遊園地に来た幼い子供のような、マジックを間近で見たような感動が彼女の怒れる火山を鎮めたのだ。


『全部ですか……』


 とある事が気になったあおいちゃんはズボンを引っ張り、下着の色を確認した。


『これ私が履いてたパンツと色が違いますね。ということはこれはフレイさんの……ふむふむ……フレイさんらしいイメージ通りのパンツですね』


『おぉい! なに人のパンツ覗き込んでんだ!』


『あぁ、ごめんなさい。つい癖で』


『癖で人のパンツ見るな!』


 直接的ではないとはいえ、自分の下着を目視されたも同然である。その事実だけでフレイは頬を赤くした。


『そうですよね……私非常識でした……人様のパンツを覗くなんて最低です。クズです。こんな変質者の私なんてゴミ箱に住むのがお似合いなんです……』


『おいおい急にどうした?』


 あおいちゃんの異常なまでのテンションの下がり具合に、フレイは困惑を覚えた。


 そして、あおいちゃんは“ある物”を渡すため、一旦元の姿に戻った。


『お詫びに私のパンツあげます』


 あおいちゃんは頬を赤く染めて、自分のスカートの中にもぞもぞと手を突っ込み、パンツを脱ごうとしている。


『いや、いらねえよ』


『いらないんですか?』


『何で俺がてめえのパンツなんか欲しいって思うんだよ!』


『そうですよね……私みたいな可愛くもなければ面白くもない中途半端な女のパンツなんか見る価値もないですよね……自惚れてすみません』


『いや、そこまでは言ってねえだろ……なんだよ急に落ち込みやがって、変な奴だな……』


『じゃあ、本当は手放したくないですが……私秘蔵のお姉様のパンツを――』


 懐から赤髪ちゃんの下着らしきものを取り出した。


『何でそうなるんだよ』


『え、お姉様のパンツですよ?』


『なら受け取ろう、とはならねえよ!』


『え、まさかお姉様のパンツもいらないんですか……?』


『たりめえだろ! バカかてめえ!』


『あの美しくてカッコよくてスーパー美女のお姉様のパンツですよ!? 欲しくないと思う人なんているわけがないんですよ!? そんなお姉様のパンツを愚弄するのですか!?』


『いや、てめえのお姉様なんか知らねえし、そもそも俺は人のパンツなんかどうでもいい!』


『どうでもいい……ですって……? 許サナイ』


『は?』


 ――お姉様狂いのネガティブガールは静かに闘志を燃やす。


 お姉様はただの血縁上の姉に(あら)ず。彼女にとって、お姉様は憧れの人であり、尊い存在である。


 実際、妹だけではなく、多くの人を魅了できるだけの美貌があり、誰よりも気高く強い力も持つ。


 そんなお姉様と血縁上繋がっているというステータスを持っているだけでも、来世分の運を使い切ったと言っても過言ではない(※ただし、そのお姉様の性格や美少女狂いの部分は目を瞑るものとする)。


 お姉様そのものが尊いのであれば、彼女の私物も当然国宝級だ。身につけてるもの、例えばアクセサリーや衣服、武器など様々だが、その中でも普段は滅多にお目にかかれないもの……それは、神聖な布(パンツ)


 所詮ただの布切れだと言う者もいるだろう。確かに誰にも履かれないパンツなどただの布でしかない。しかし、それを自分の憧れの人が履いたとなれば――その布はただのパンツから、世界にたった1つの尊いパンツとなるのだ。


 誰もが喉から手が出るどころか足も諭吉も何もかもを吐き出すくらい欲しがるプレミアものだ。それをあおいちゃんは一度手放そうとしたのだ。


 苦渋すぎる決断だったのだろう。普段隙がないお姉様のパンツをこっそり盗むのは至難の技だ。それをゲットするのに汗と涙を絞り尽くす程のドラマがあったに違いない(※モラルは無視するものとする)。


 それを否定するということは、自分の苦労だけではなく、お姉様そのものを侮辱するのと同義なのだ。


 いかに後ろ向き(ネガティブ)な彼女でも、これだけは譲れない。


 全くもって意味の分からない話だが、彼女にとっては至って真面目な話なのだから――


『どうやらあなただけは、刺し違えてでも倒さなければいけないようですね……!』


『何言ってか全然分かんねーけど、俺は最初からてめえをぶっ潰すつもりだ!!!』


 フレイは地面を強く踏みつける。


『未来の魔法なんか知らねえし、羨ましくも何ともねえ! 俺は俺の力だけでてめえを倒してやる!!!』


 フレイは大地を蹴り、大きく拳を振りかぶる。


『喰らええええええ!!!!!』


 拳が顔面に降ってくる前に、あおいちゃんは再びフレイに変身し、炎魔法で壁を作って防いだ。


『ちっ、てめえ炎魔法も使えたのかよ』


『はい。()()()()()()()()()ですが』


『あぁ? どういう意味だ?』


『この変身魔法は、変身した相手の容姿だけではなく、身体能力や得意な属性も変身(コピー)することができるんです』


『マジかよ……つまり今俺が戦ってんのは俺自身ってわけか』


『はい、でもそれだけではありません。フレイさんになった上で私も私自身が覚えてる魔法も使うことができるんです』


 フレイそのものでありながら、あおいちゃん自身の得意な魔法を使うことができる。


 つまり、今のあおいちゃんはフレイの上位互換の存在となったのだ。


 ――だが、それは決してフレイの勝機が完全に無くなったわけではない。


 あおいちゃんにはあおいちゃんの、フレイにはフレイだけの“経験”がある。それはいかに高性能な変身魔法であっても、決して真似(コピー)できるものではないのだ。


『なるほどな、つまり、これは自分との戦いってわけか。しかも未来の魔法まで使えるとはなぁ……まったく……戦いがいがあるじゃねえか!』



第421話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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