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第416話『サバイバルバトル〜オーガスト・ディーンVSシャイ④〜』

お待たせしました。

第416話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 生き物のように呼応する炎。(こいつ)主人(おれ)の命令に従い、要望通りの姿となる。


 もはや炎の化身。盾として役割を担いながらも、主人に抗う者を燃やし尽くすという攻撃面においても非常に優秀な使い魔(まほう)だ。


『なんだこれは!?』


 過去でも未来でも見ることもないありえない芸当に驚愕の表情を浮かべるシャイ。悪夢でも見ればこのような光景が出てくるかもしれないが、これは現実だ。それを受け入れた上で俺と戦わなければならない。


『待たせたな、魔法(我が子)達』


 そう言うと、炎は、やってやりますよ! と言わんばかりに激しく燃え上がる。熱血的な社員がいてくれて社長は幸せだぞ。


『なんだ……一体何なんだ……?』


 状況に困惑するシャイ。それでも決して動揺せず、剣を降ろさない。


 彼女は気合いを入れ直すように剣を握り直す。


『炎が使い魔みたいに動くから何だ、もう1回斬り伏せればいいはなしだ!』


 シャイは、カオスなこの状況を考察するよりも、目の前に立ち塞がる敵を斬り伏せることを選んだ。まず手始めに彼女は斬れないはずの炎を原型が無くなるまで斬り続けた。


 本来であれば四散してそのまま空気と化するはずだったが、予想以上の再生力で、斬り離された部位を全て繋ぎ合わせて、元の形に戻る。


『キリがない……ならば一気に消火してやるまで! 喰らえ水魔法!』


 炎を消す為だけに、シャイは自らの得意な戦術は置き、水鉄砲を放つ。


 フーちゃんもそうだったが、彼女達は特別長けている属性があるだけで、他の属性の魔法も適性さえあれば普通に使えるのだ。


『なるほど、確かに炎には水。ゲームをやってなくても思いつく発想だな。だが――』


 このままだと炎は全部消火まではいかなくても、その勢いはバーベキューすらまともにできないレベルで弱まるだろう。


 無論対策済みだ。


『樹木創生魔法。大地を見守る樹木よ、我らの脅威を受け止めよ』


 透明の足場から、生えるはずのない樹木が姿を現した。


 そして、炎を破滅させんとする水鉄砲は樹木を盾にすることで、消火を防いだ。一方、水鉄砲をその身1つで受けきった樹木はダメージを受けるどころか、恵みの雨だと言わんばかりに、歓喜しているように乱舞している。


『な、なんだと……?』


『この程度の事を想定していなかったとでも思ったか』


『対策済みってことだな』


『これでも色々経験してきたからな』


 ――あぁ、色々あった。本当に色々あったよ。


『我が使い魔よ、その力を以って光の戦士を薙ぎ払え!』


 仰せのままに、と言うように樹木はいくつもの枝をゴムのように伸ばし、光の戦士に向けて打ち出す。


 シャイは襲い来る触手を全て斬りながら、前へと進む。このままではこちらまで辿り着いてしまうだろう。


 一方で樹木は斬られた箇所から炎が燃え移り、全てを包み込まれようとする。


 樹木は、やばいどうしましょうと言わんばかりに俺の方を振り返る。


『今消火してやる。(オアシス)よ、自然を滅する悪しき炎を蹂躙せよ』


 要するに消火してくれと命令すると、水は水弾のように俺の手のひらから樹木を侵食する炎に向けて打ち出された。


 無事に消火できたが、手の役割を担っていた枝は既に半壊しており、触手攻撃はできないだろう。


 樹木は、役立たずですみませんと言わんばかりに頭を下げて、早退するように消えていった。メンタル弱っ。


『いや、まだ役割があったんだけどな……』


 まあいいか、次の策を考えるか。


『さっきの樹木はどうした?』


『おうちに帰った』


『おうちに帰った……? 何言ってるんだ?』


 冷静に考えてみれば樹木がおうち帰るってなかなかのパワーワードだな。シャイがマジで理解し難いような表情をしているのも無理はない。


『ま、まあいい。要するに私が貴様の1つの武器を破壊できたということだろう。それなら前進だ!』


 全くその通りの解釈をしてくれたシャイは、笑みを浮かべ、刃を宙に描きながら突進してくる。


『炎よ、我を守り、襲来する敵を燃やし尽くせ』


 俺は炎に再び盾の役目に担わせるが、それだけでは肝心の攻撃ができない上にいずれ炎の盾もシャイに破られてしまうだろう。なので水魔法と雷魔法も使い魔として発動(しょうかん)し、アタッカーに任命した。


『別の魔法か』


 水は先ほど樹木の消火をした時のように水弾を発射させ、雷はその水に纏わりつくように囲むことで、着弾した相手が水浸しになったと同時に痺れさせることができる。無論水魔法も雷魔法にも意思を働きかけているので、一度躱されたとしても、ターゲットに当てるまで何度でも追いかけ回す。


『ちっ』


 水と雷のストーカー行為が煩わしいと思いながらも、敵を斬り、的確に防御する。が、魔法は斬られても尚、接合し、復活を遂げる。そしてまた追いかけ回す。それを何度も何度も繰り返し、相手を追い詰める。


『なかなかやるな』


 これだけ追いかけられたら、体力の消耗が激しいだけではなく、斬っても斬っても終わらない敵が襲ってくるという悪夢のような事が自分に降りかかっているのだ。精神的な負担も大きいはずだ。


 しかし、それでも彼女は未知の魔法を見て驚くことはあれど、怯えも動揺もせずにうまく対処している。


 彼女が自信過剰なのはルカヴァちゃんとの試合を見て分かったが、なるほどな。自信が溢れるほどの豊富な戦闘経験値。どんな状況でも物怖じしない精神力が備わっているのだから、そりゃ嫌ってほど自信もつくわな。


 “ダストの記憶”もだいぶ解放し、魔王やヒルドさんにも劣らないほどの凄まじい力を奮っているのに、シャイを倒せる気がしない。まあ俺が敗北するということはもうおそらくないが、彼女から勝利をもぎ取るのがなかなか骨が折れる。


 シャイが思ったよりもしぶといのか、それとも俺がこの力をまだ使いこなせていないのか。


 ――1度記憶を辿ってみるか。


 俺は“ダストの記憶”の中に深くダイブした。戦い方や魔法の使い方をマスターするために――


第416話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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