第411話『第2ステージ開幕』
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次の試合は総勢8名で行われるサバイバル対決だ。
参加者は以下の通り。
シャイ
橋本ルカ
フレイ
シアン
ダストオリジン・セカンドドライヴ
早乙女わかな
ダストオリジン・ファーストドライヴ
オーガスト・ディーン
先週全く目を覚まさなかったファーストドライヴだが、今は意識を取り戻し、ピンピンしてるどころかこの1週間、趣味である裁縫で男物の服を作って男装して遊んでたそうだ。その男装に最近目覚めたのか、今日は戦うにはピッタリの軍服姿で挑むようだ。しかもわざわざウィッグまで用意してコスプレを全力で楽しむ気のようだ。
試合なのに緊張感が無いなぁと思ったが、意識取り戻さなくて不戦敗になるよりは全然良い。
まあ、結局試合相手として戦う事になるので、敵が復活してしまったとも言えてしまうがな。そこはこれ以上罪悪感を負わずに済んだと考えよう。
次にバトルフィールドだが、ノルン様が大改造してフィールドをさらにスケールの大きいものにしたそうだ。どういう風になっているのかは見てみてからのお楽しみ☆とのことだ。
ものすごく広いフィールドのようだが、内装がどうなっているのかによっては、戦術も変わりそうだな。たとえば障害物が所々に配置されているようなフィールドなら、隠れて奇襲を狙ったり、床全体に毒魔法を浸透させて全滅するまで、自分は安全な空中を足場にして、惨劇を見下ろすなんてエグい事もできるわけだ。
『では、選手の皆さん。新生バトルフィールドへ案内致します』
控室に控えていた参加者全員に従者から試合が始まるのでバトルフィールドに集合するように声がかかった。
『じゃあ行ってくるよ』
『おう、絶対優勝しろよ主人。そして後で私と戦ってくれ』
『それは勘弁してほしいな……』
惜しくも初戦敗退してしまったパーシヴァルやルカヴァちゃん、そしてフーちゃん達に見送られ、控室をあとにした。
初戦勝ち抜いた俺達は無言のまま、従者と共にバトルフィールドへ向かった。
『到着致しました』
案内された場所は以前のバトルフィールドの場所と同じ位置であったが、この先の光景は以前のものと比べ物にならないらしい。
『内装の様子はその目でお確かめ下さい』
従者はそう言って、扉に手をつけ、次のステージの扉を開いた。
『こ、これは――』
俺は、いや俺達は目を疑った。
――自然の象徴である森林。それを囲むように美しいブルーの海。そして天井には清々しいまでの青い空。
室内にあるとは到底思えない光景。しかも、どう考えても部屋の元々のサイズと内部のサイズ感が噛み合っていない。室内に入ったと思ったら外の世界とか頭がバグりそうだ。
まあ、チート女神のノルン様であればこのくらい余裕なのだろうが、まだ6属性しか魔法が浸透していないこの時代の人間であれば驚きを禁じ得ないだろう。
『嘘だろ……?』
元々バトルフィールドは野球ができて観客を入れられるくらいの大きさだったのが、この新生バトルフィールドは果てが見えない。行こうと思えば世界の果てにまで行けるのではないかと思ってしまう。
『これは……広いなんてレベルじゃないな』
『なんということでしょう』
あまりの改装ぶりに呆気にとられる一行。しかし、その中でセカンドドライヴだけは曇りなき眼でその景色を見渡していた。
――皆さん、聞こえますか?――
どこかから性悪女神の声が聞こえた。
――だから聞こえてるっつってんだろ。ダストマジでいい加減にしやがれですわよ?――
すみませんでした。
『どうした、ノルン様』
『ノルン様、なんかイラついてねえか? 何があったか知らねえが落ち着けよ。感情的になりながら喋るとろくなことねえぞ?』
と、普段から感情的に声を荒らげているフレイが供述しており――
『いや、フレイがそれを言うのか……』
同僚のシャイから当然のツッコミが入った。
『それでノルン様、どうされたのですか?』
――いえ、なんでもありません。ちょっとある失敬なクズ野郎に向けて発言しただけです。それ以外の皆さん、失礼致しました――
どうも失敬なクズ野郎です。許して下さい、なんでも……はしないですけど、なにかしらの奉仕はしますから。
――……はぁ……コホン。では、気を取り直してルールを説明致しますね――
ルールと言っても至って単純だ。このフィールド内で戦って勝ち残った2人が決勝戦に駒を進めることができる。
次に3位の決め方だが、決勝戦に出場する2人以外で1番最後まで勝ち残った者が3位となり、世界旅行券をその手にする。
それ以外のルールは特になかった。同盟についても何も言ってこなかったので2人で組むことは禁止されていないようだ。
――以上です。他に質問はございますか?――
『ない』
『大丈夫です』
『と、とりあえずやってみます』
『問題ない』
『とにかく向かってくる奴等全員ぶっ潰せばいいんだろ!』
フレイはルールを理解しているのかしてないのかいまいち分からないが、フレイのことだ。全員と言いつつ、まず俺を狙ってきそうだな……。
参ったな。そうなると試合開始早々フレイの相手をしなければならない。ルカちゃんとあおいちゃんと同盟をどうするか話ができないかもしれないな。
――大丈夫そうですね。それでは間もなく試合を開始致します――
仕方ない。戦闘以外では使いたくなかったが、試合開始してすぐに転移魔法でルカちゃんとあおいちゃんを連れて遠くへ行ってから話をするか。そうすればさすがのフレイもすぐに追ってはこれないだろうしな。
――あ、そうだ言い忘れておりましたが、皆様はこれからそれぞれランダムに場所に転移します。つまりスタート時点はそこではねえってことですわよ!――
『『『『『え?????』』』』』
――それでは……試合開始!――
決勝戦への切符を手にする戦いが今始まる。そして――
『あれ……?』
試合が始まると宣言通り、選手全員は否応なくバラバラに転移された。
一体どこに飛ばされるのか、想像しなかったわけではないが、俺の場合は森林でも海でもなく、足場のない空だった。
『いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
俺は翼をもがれた鳥のように落ちていく。空を飛ぶ資格を失い、見上げることしかできない陸上生物になる瞬間を俺は今体験している。
確かにノルン様をディスったのは悪かった。もし彼女の立場なら俺でもこうするかもしれない。でもな、だからといってこれは――。
『あんの性悪鬼畜女神がああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』
第411話を見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
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