表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
411/725

第399話『三姉妹に迫る脅威③』

お待たせしました。

第399話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 少しの時間立ち尽くしていると、隠れていた三姉妹がゾロゾロとやってきた。


『先生大丈夫ですか!?』


『ああ、大丈夫だ。3人共ケガはないか?』


『大丈夫、みんな元気だよ』


『良かった』


 まあみんなにはケガさせない為に隠れさせていたから当然の結果ではある。でも精神面はどうかな。俺は銀河(きらら)(あかね)の顔を見た。


『どうしたの?』


『ううん、なんでもない』


 見た限りだが、大丈夫そうだな。そりゃ驚きはするだろうが、特に取り乱しているわけではなさそうだ。


 で、次は黄金(こがね)だが、一瞬どこに行ったんだと思ってたら、何とも言えない表情でうしろから見守っていた。


 うーん、どうやら何かを思い詰めているようだ。


『黄金は大丈夫か、ケガはないか?』


『ああ、何ともない』


『それは良かったが、元気ないな、どうした?』


 黄金は手を強く握って、自分の想いを正直に話した。


『何も出来なかったんだ……私は……』


『黄金……』


 何も出来なかったというのは、あの不良ゾンビが現れた時から、妹を守る役目を俺が奪ったからか。確かに黄金だけであの不良ゾンビを追い払うのは難しかったろうが、それは俺が生徒を守る使命に駆られて、1人で戦っただけで、彼女達に何も出来なくさせたのは俺の意図だ。


 ――いや、単に俺が彼女達を危機に晒してしまうのが怖いんだ。もし彼女達が不良ゾンビに暴行されていたら、最悪二度と意識を取り戻すことがなかったら?


 そう考えただけで震えが止まらない。もしそんな未来があったなら後悔して泣いて叫んで一生苦しんでいたかもしれない。


 しかし、逆に考えると俺は生徒の成長の機会を奪ってしまったとも言えるのか……。


 なんて、悩んでもしょうがないな。考えれば考えるほど病みそうだ。思わずSNSでメンヘラやらかしてしまう前に頭から教育論を除外しよう。今は今の事を考えればいい。


 それに、今俺がやることは自分が正しいかどうかを考えることじゃない。黄金にどう言葉をかけてやるかだ。


『なあ、黄金』


 別に説教をするわけじゃないし、注意するわけでもない。だって、握り拳を握っている時点でもう分かっているから。


 黄金は分かってしまったんだよな。今の自分の実力だけじゃ妹達を守れなかった事実に。今までろくに授業を受けなかった自分に今更ながら憤りを感じているんだよな。


 そこまで分かっているのなら、今俺が黄金にかける言葉はこれだけだ。


『学校で待ってるからな』


『……ああ』


 それだけ返事した後、黄金は特に何も言わず、何もせず、その場をあとにした。


 今までサボったツケが回ってきたといえばそうなんだろう。しかし、彼女には大人から受けた傷もある。信頼できなくなったから、大人に失望したから彼女は学校に来なくなったんだ。


 だから、俺は教師(おとな)として彼女を失望させない。道を踏み外さないように俺がちゃんと導いてやるんだ。


 そう心の中で誓った次の瞬間、さらなる異変が俺達を襲った。


『うおっ!? なんだてめえら!?』


 去ったばかりの黄金の声が聞こえた。


『こが姉?』


『行ってみるか』


 俺達は黄金の方へ向かう。


 そこで見た光景は――


『なっ……これは一体どういうことだ!?』


 道路を埋め尽くすほどの()()()()()()()()が押し寄せていた。


『あいつ撤退したんじゃねえのかよ!』


『うん、確かに言ってた。ということはあいつの仕業じゃない……?』


 ――いいえ、彼の仕業です――


『え?』


 突如、俺の頭に誰かの声が聞こえた。この声は聞いたことがある。麗しい外見ではあるが、中身はバッキバキに性格が悪くて、とんでもない料理(兵器)を作るあの――


 ――おい、全部丸聞こえですわよ? お前マジでぶっ殺しますわよ?――


 ――この声は聞いたことがある。麗しき外見の他、俺のようなゴミクズにも手を差し伸べて下さる優しく聡明な素晴らしき女神様の声だ。


 ――そうです、それでいいのですわ。今更遅いですが――


 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい許して下さい本当にすみません本当に申し訳ございまさんでした陳謝致します何でもはしないけどできる限りのことはしますから許して下さい。


 ――まあいいですわ。それよりも今あなたの前に不良ゾンビの集団と対面してますわね?――


 はい、その通りです。


 何で分かったんだという疑問もあるが、まあノルン様だからな。どうせ権限とかいうチート能力で遠くの景色も見えるんだろうよ。そんな疑問にすらならない疑問より聞かなければならないことがある。


 ノルン様、あのゾンビ集団を用意したのはあいつなんですか?


 ――はい、アレは彼が予め用意したゾンビ集団です。どうやら去り際にこちらに来るように彼が命令したようです――


 全然撤退してねえじゃねえか……嘘つきやがって……。


 ――『はぁ? 俺は撤退したと言っただけで“戦いが終わった”とは一言も言ってねえよバーカ!』と彼ならそう言うでしょうね――


 うわっ、腹立つわ。今度会ったら殴ろ。



 ノルン様、もう1つ聞きたいことが。


 ――なんでしょう?――


 呪術って何ですか?


 ――魔法ではない未実装の攻撃手段です。当然公にはしていないので一般人が使えるなんてありえないのですが――


 でも、あいつ普通に使ってましたよ。


 ――ええ、本来は使えるはずがないのですが、それが使えるとなると、おそらく彼は()()()に……――


 あの人?


 ――いえ、何でもありません。それより今はゾンビの集団を何とかしましょう。隣にあなたの大切な生徒もいるのでしょう?――


 ええ、そうですね。


 ――私は立場上こうしてアドバイスするくらいしかできませんが、既に()()()()()()()()ので安心して下さい――


 おお、それは助かります!


 ノルン様の援軍なら期待できそうだ。きっとそれなりに強い従者とかなんだろうな。


 ――大会中で申し訳ないのですが、頑張って下さい――


 そういえば大会中だったな。あのノルン様、これもし俺の試合が始まる時に俺が来なかったら不戦敗になりますか?


 ――はい、なります――


 そうなりますよね……。


 ――すみません。たとえ任務中でも特別扱いはできないので……なので死ぬ気で戻ってきて下さい――


 無茶言わないで下さい……。


 ――もしあなたが優勝できれば、あなたの大好きな女の子のパンツが手に入りますよ――


 俺を何だと思ってるんだこの女神は!


 ――そういうわけですので早くゾンビを片付けてくださいこの変態野郎、大丈夫ですよ、騒動を起こした本人ももういないのでこれ以上ゾンビは増えませんよ変態野郎、なのでそいつら全員倒したらあなたの勝ちです。分かりましたかこの変態野郎――


 変態変態言わないで下さい……否定はしないけど。


 ――うるせえよ、いいからさっさとゾンビを片付けろですわ――


 ああもう、分かりましたよ!!!


『はぁ〜〜〜ストレス貯まるうううううううううう!!!』


 この後めちゃくちゃ不良ゾンビ倒した。


第399話を見て下さり、ありがとうございます。

突然違う話に入ってしまってすみません。次かその次くらいには大会編の話に戻しますので少々お待ち頂けると幸いです。

次回も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ