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第397話『三姉妹に迫る脅威①』

お待たせしました。

第397話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 ――そして、激闘の第7試合は終了した。どの試合にも劣らない熱狂あふれる戦いであった。


 オベイロン、ファーストドライヴ。お疲れ様。特に彼女に関しては、俺が来るまで時間を稼いでくれたようだ。


 本当にありがとう、そして申し訳ない。君にも叶えたい願いはあっただろうに、一刻も早く決着をつける為に本気で攻撃したかったろうに。


 試合の結果を見て、俺は様々な感情が湧いた。


 もっと、俺がもっと早くトラブルを解決していれば……!


 ベッドに横たわる彼女を前に、俺はそう思わずにはいられなかった――。



 ――時は遡り、数十分前。


 日本のとある町の素行の悪い金髪の美少女白鳥黄金(こがね)は、他校の不良高の生徒に喧嘩を売ってしまった。原因はその不良連中が、妹の銀河(きらら)(あかね)をナンパして、断られたのにも関わらず、無理やり連れ去ろうとした所を、黄金が止めて口論になったことだ。


 その不良連中の戦闘能力は大したことない上に、魔法もろくに覚えていない。ただ数の暴力だけで喧嘩してきただけの卑怯者だ。


 それに対して、銀河と銅は最近学校で魔法や格闘術を学んでいるため、彼女達だけで対処できたのだが、そこで黄金が乱入して喧嘩沙汰になってしまった。しかも、彼女は未だに学校をサボっているため、魔法も格闘術もさっぱりだ。だとしても身体能力は高い方ではあるが、守られる側であるはずの妹2人にすら劣っている。


 とはいえ、黄金だけでも不良共は追い払えた。多少ケガを負ったものの特に生活に支障がないレベルだったので大事にはならずに済んだ。しかし、この先あの不良達は彼女に復讐に来るかもしれない。


 その娘達の担任である俺が来た頃には、既に時遅く、黄金が不良に目をつけられてしまったのだ。


 俺は彼女達に事情を聞くと、事の発端からこれまでの事を説明してもらった。


 黄金が暴行に走った動機は妹達を守りたかった想いがあったから。それ自体は素晴らしいことだが、それに対して暴力で解決したことで結果、余計に敵を増やしてしまったことに対して、何より自分が多少のケガを負ってしまったことに対して、説教とまではいかないが、少し注意をした。


 まあでも、状況が状況だったし、やってしまったものは仕方ない。ここからは俺の仕事だ。


 俺は彼女達を家に送ってから、その不良達とちょっとばかりお話しようと思ったのだが、その不良の1人が無言で帰ってきた。


『何だ、てめえ。何の用だ』


 黄金は妹達を守るように前に出て、不良に威圧感を与えた。


 早々に復讐しに来たのか、それとも謝りに来たのか、そのどちらでもないことは彼の様子を見てすぐに分かった。


『ん、何か様子がおかしいぞ……?』


 ボロボロのままの学ラン、顔色が異常に悪く、千鳥足のような動き方をする。おまけに白目をむいていた。


 この明らかに異様な雰囲気に俺は、いや俺達は不気味さを感じていた。


 まるでゾンビか操り人形のようだ。


 そう思っていると、彼はようやく口を開いた。


『キサマ、“女神ノルン“ヲ知ッテルナ』


 女神ノルンという単語を聞いた瞬間、俺は警戒心を最大限に高め、魔法を発動する体勢に入った。


 ノルン様を知っているのは、俺達未来組と精霊組、一部の学院関係者と後の女神シリーズの連中だけだ。彼女の存在は内密にしているので、約束を破る者がいない限り、他の者には知りようがないのだ。


 あまり考えたくないことだが、そういうことなのだろう。でも今はそこに頭を回してる場合じゃない。すぐに黄金達を避難させよう。何だか嫌な予感がする。


 不良ゾンビは人間とは思えないほど大きく飛び上がり、俺を通り越して、黄金達を襲撃してきた。


『きゃああああああ!!!』


 不気味すぎる顔つきで襲いかかる不良ゾンビにホラー的な恐怖を感じたのか、銅は悲鳴を上げ、そんな彼女を守るように抱く銀河をさらに守るように黄金が殺意を放ちながら立ちはだかる。


 正直、3人ならば不良ゾンビくらい倒せそうな気もするが、ノルン様を知る相手がどんな力を所有するか分からない以上、彼女達だけで戦わせるのは危険だ。


『そうはさせないぞ!』


 俺は、宙を舞う不良ゾンビを撃ち落とそうと、水魔法を弾丸のように放った。


『水弾!』


 見事に命中した。すると不良ゾンビは水まみれのまま硬いコンクリートに打ち付けられた。


 普通の人間ならば骨折か、打ちどころが悪ければ最悪死に至ることもあり得るが、彼は何事もなかったように立ち上がり、今度は全力で走って、黄金を襲おうとしたが、その前に俺が壁として立ちはだかった。


『俺の生徒に手出しはさせない!』


 俺は氷魔法で“氷塊”を作り、不良ゾンビを吹き飛ばすように放った。


 不良ゾンビは為す術なく、氷塊に抱きついたまま向こうの壁に激突した。


『今のうちだ! 逃げるぞ!』


 不良ゾンビとの距離が離れたところで、俺は彼女達を安全な所まで誘導する。


 今は偶然(たまたま)、人がほとんど来ない道だが、少し向こうに行けば、人も多くなっていく。


 あの不良ゾンビに理性があるとは考えにくい。もし俺達が街中まで逃げ込めば、追いかけてきた不良ゾンビによって、大勢の人間が巻き込まれることになるだろう。


 でもだからといって、このまま黄金達を人気のない地ばかり連れ回し続けるのも、彼女たちの精神上、良くないだろう。


 ならば魔法か? 転移魔法でも発動すれば確実に撒くことができるが、今の時代を生きる彼女達の前で未来の魔法は発動できない。使えるとしたら6属性のみ。


 となると、やることは1つ。


 俺が、あの不良ゾンビを倒す。それしかない。


 方針が決まった俺は、とりあえず三姉妹をその辺の公園の人が入れる大きさの遊具の中に身を隠させた。


 俺は1人、追いかけてくるであろう不良ゾンビを待ち構える。


(来るなら来い、俺はいつでも戦う準備はできている)


 コツコツコツ。


 足音が一定のリズムで聞こえ始めた。


 コツコツコツ。


 次第に音が大きくなってきている。こちらに近づいてきているということだ。


 コツコツコ――。


(来たか)


 しかし、そこに現れたのは――


『よお、てめえか? 俺様の可愛い後輩(どうぐ)をぶっ壊したのは』


 眼前にいるそいつは、さきほどの不良ゾンビではなかった。


 金髪で悪人顔、服装は上下とも英語の文字やドクロマークが入っている黒いジャージ。いかにも悪そうな奴がする格好だ。


 ――いや、そんなことはどうでもいい。それよりもあいつのあの顔……見覚えがある。


『お前は……!』


 魔王城から飛び出したブロンズ様を連れ戻しに行った時に、襲撃してきた盗賊……確か名前はイーブル……!

第397話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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