表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
408/725

第396話『オベイロンVSファーストドライヴ③』

お待たせしました。

第396話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 “シュバルツシルトトマトブラッドバーニングラインヴァイズ”。


 それは、とある性悪女神の出来心で生み出したはた迷惑な“兵器(りょうり)”。


 カレーライスという一般料理に扮した禍々しき暗黒物質(ダークマター)


 食すれば、全身麻痺、膠着、尿路結石の方がマシなくらいの腹痛、異常なまでの発汗、さらに高熱等の症状が現れる。常人ならば最悪死に至る可能性すらある非常に危険な生物兵器である。


 尚、運が良ければダストのようにその部分だけの記憶喪失だけで済む場合もあるが、それは本能が思い出してはならない記憶を封印しているだけに過ぎない。もし、何かの拍子で思い出(トラウマ)が蘇れば、発狂し、苦しみ、失神して、意識を取り戻しても、また再度失神するかもしれないというループ地獄に陥ることもあるかもしれない。


 既に被害者となっている人達が今後そうならないことを、そしてこれ以上被害者が増えないことを祈るばかりだ。


 その為にはヴァルハラの従者全員が全身全霊をもってノルン様(あのバカ)を調理室に近づけさせないようにするしかないのだ。


 しかし、そんな彼女でも神の力を持っている。未来を予知できる力を個人的なわがままで職権乱用し、いくつもの見張りと邪魔を回避してきた実績があるため、従者達も心が折れている。


 なので、各々が“シュバルツシルトトマトブラッドバーニングラインヴァイズ”を食べるイベントを回避して、死亡フラグを折っていくしかないのだ。


 “シュバルツシルトトマトブラッドバーニングラインヴァイズ“は、この世の全ての地獄を混ぜた地獄そのものだ。


 ノルン様……本当に余計なものを作ってくれた。だから料理長に怒られるんだよ……いい加減自覚しろよ。なんて言えば、罰として“シュバルツシルトトマトブラッドバーニングラインヴァイズ“を無理やり食わされそうなので、言わないでおこう。


 このまま何も言わなければ、余計なことをしなければ、彼女の料理を食わされることはない。


 ――はずだったのだが、今まさに、理不尽なパワハラで1人の美女がその危機に晒されそうになっている。


『それだけは嫌ですわーーーーー!!!!!!!』


 バッドエンドな未来を想像したファーストドライヴは、己の危機を回避するため、時間稼ぎという目的を最優先にしつつ、貪欲にも勝利を求めるという方針に舵を切った。


 ファーストドライヴは自分の岩石を全てオベイロンに投げつけた。


 彼はそれを全て容易く斬ったあと、ファーストドライヴへ向けて進行しようとするも、彼女を囲むように無数の()が浮いていた。次の瞬間、その異様な姿に目を疑う彼に容赦なく、いくつかの剣をミサイルのように飛ばす。


『くっ……』


 キンキンキンキンキンと、剣を弾く音が聞こえる。オベイロンに襲いかかるそれを全て地に落として無力化する作業を行っているが、決して容易くはなかった。


 一本一本単体で見れば大した威力ではないが、それが何十本、いや下手をすれば何百という数の剣が、間髪入れずに襲いかかってくる。このままではいずれ処理作業が追いつかなくなり、やがて彼は針山のように串刺しになる無惨な姿になるだろう。


 こういう時、“塵も積もれば山となる”ということわざが頭に思い浮かぶ。まさに山のような数の刃が彼の行動を封じている。


 ――そう、あくまで“封じている“だけだ。攻撃的ではあれど、殺意はない。


 もし一瞬でも手を抜けば、彼はあっという間に彼女との距離を詰められ、敗北が決定するだろう。しかし、だからといって、ろくに時間も稼げないまま、うっかり勝利を掴み取ってしまえば、彼女は地獄を見ることになる。


(とにかく魔法を放って放って放ち続けるのです! でも殺さずに、できる限り彼の行動を止めて……できる限りの時間を稼ぐのです!)


 確かにこうして魔法を撃ち続ければ、いかに根源を斬れるオベイロンであろうと無数の剣を捌ききることはできず、結果、牽制することはできる。


 しかし、それは彼女の魔力がある限りの話だ。彼女が使っている魔法は、剣を生み出す為の“剣創生魔法”と、その剣を浮かせたり、触れずに投擲する“浮遊魔法”の同時使用によるものだ。一度だけの発動ならまだしても、何百どころか、何千にまで届きそうなくらいの魔法を発動し続けている。そうなれば、いくら魔力が豊富なファーストドライヴでも、力尽きるのは時間の問題だ。


 もって15分。それがオベイロン相手に牽制できる最大限の時間だ。それまでにダストが戻ってこれれば、こんな疲弊するだけの作業などすぐに終わらせて、彼を全力で倒しに動くだろう。


 オベイロンが剣山になるのが先か、ファーストドライヴの魔力が尽きる方が先か――


 いずれにしても、あと15分以内で決着がつくだろう。


 彼女にとって異様で激しいストレスの溜まる戦いは――


(早く帰ってこーーーーい! 本体(ダスト)おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!)


第396話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ