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第388話『試合前の雑談①』

お待たせしました。

第388話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 第5試合が終わると、次の試合の選手である早乙女わかなとヘラクレスがバトルフィールドに向かった。その直後、入れ違ったように、セカンドドライヴとヒルドが控室へ戻ってきた。あれだけ痛々しい攻撃を受けたはずのセカンドドライヴだが、身体には傷ひとつない。ヒルドもほぼ無傷なので、まるで試合開始直前まで時が戻ったように錯覚してしまう。


『いや何で傷ひとつ無いのよ……』


 試合を見た後なので今更驚きはしないが、でもやはりツッコまずにはいられなかった海の女神候補のマリンであった。


『セカンドドライヴ、ヒルド。前より仲良さそう。微笑ましい』


 氷の女神候補のフーは、少し口角を上げて感想を述べた。


『そうね、でも意外だわ』


『意外?』


『あの男よ、セカンドドライヴだっけ? あいつ最初は冷たい奴だと思ってたけど、案外面倒見が良いのがね。なんというか……ギャップがすごいのよ』


『彼は不器用。でも良い人』


『私はなんかいけ好かなくてあまり好きではないわ。まあだからって嫌いでもないけど』


『好みじゃない?』


『そうね』


『顔立ちは整ってる』


『私は顔じゃないのよ、性格重視なのよ』


『マリン、この前読んでた漫画、美少年がいっぱい』


『それは言わないで!』


『分かった』


 この後も2人は、他愛のない話を試合が始まるまで続けた。


 その一方でルカとあおいちゃんも会話を繰り広げていた。


『あの、あおいさん。医務室に運ばれたばかりだと思うんですが、本当に大丈夫なんですか?』


 あおいちゃんは、少し前に終わった第4試合で倒れて医務室に運ばれたはずだが、今は傷が塞がり、特に問題なく立っていられる。それより前の第3試合で死闘を繰り広げたパーシヴァルやフレイは未だ意識を取り戻さないというのに。


『はい、おかげさまですっかり。サンさんはまだ寝てますが』


『あおいさんも、すごい回復力ですね』


『ええ、ありがとうございます』


 セカンドドライヴもそうだが、回復力が異常に上がるチート能力でも使ったのかと疑いたくもなるが、そうではない。ただ単に彼女の自然治癒能力が高いだけだ。セカンドドライヴ程ではないが、あおいちゃんもやはり赤髪ちゃんと血を分けた姉妹。それくらいの治癒力があって然るべきなのだ。


『でも、回復力で言えばセカンドドライヴさんにはさすがに劣りますね、ほんの数分で血を流すほどの怪我を治してしまうなんて……』


『確かに、あの回復力は異常ですね……私の場合セカンドドライヴさんに当たるとしたら決勝ですが、今の私でも倒せるか不安になってきました……だってあのヒルドさんが負けるなんて夢にも思いませんでしたから』


 ヒルドは今大会の優勝候補でもあった。それがセカンドドライヴというダークホースに敗北すると予想できたのはノルン様くらいだろう。もし大会の裏で優勝者を当てるギャンブルでも開催していようものなら、今頃ヒルドに賭けた多くの者が嘆いていることだろう。


『それにしても、まさかヒルドさんにあんな一面があったなんて』


『そうですね……私も驚いてしまいました』


 ヒルドに対する印象は、表情は無けれど強くて頼もしい美人のお姉さん。きっと精神(メンタル)面も強固なのだろうと勝手に思っていた者にとっては2人のように驚愕するだろう。1万年という遠い未来で共に戦ったダストでも同じような反応をするだろうが、今ここに彼はいない。


『あれ、ディーンさんは?』


『ああ、ディーンさんなら試合が始まった頃くらいから一旦日本へ帰りました』


『えぇ、何で?』


『なんでも、生徒さんがトラブルに巻き込まれて、今その対処をしてるらしいです』


『私のクラスメートかな?』


『はい、以前うちに来たブロ……(あかね)さんから連絡が来たそうなので、多分あの姉妹でしょう』


『何かあったんですか?』


『詳しくは分かりませんが、わざわざディーンさんが出向くくらいですから、結構大事なのかもしれません』


『銅ちゃんと銀河(きらら)ちゃんはともかく、黄金(こがね)ちゃんは誰かしらと大きなトラブル起こしそう……』


『あはは……確かに()()もトラブルメーカーでしたね……』


『そうなんですよ、あれ、あおいさん詳しいですね』


『え、あ、いやその……ディーンさんから色々聞きましたし、泊まりに来てくれた時に黄金さんと少しお話したんですよ』


『あぁ、なるほど。そうだったんですね』


『ええ、そうなんですよ』


 誤魔化し笑いをするあおいちゃん。


 ルカにはある程度自分達の正体は話してあるので、別に隠す必要は無いのだが、この場には様々な人物の耳がある。万が一にも聞かれてしまうとタイムパラドックスが発生する可能性がある。


 もしそうなればどうなるか……今更話すまでもない。


『2人とも〜そろそろ試合始まるよ〜』


『あ、だそうです。見ましょうか』


『はい』


 ガヤガヤと騒がしかった空気も一旦静まり、ここにいる全員、試合観戦モードへと切り替えたのであった。



第388話を見て下さり、ありがとうございます。

すみません、今回の話はちょっと内容が薄かったかもしれません。本当ならば次の試合の選手の思いも入れたかったのですが、ちょっとキリが悪かったので、ここで区切らせて頂きました。

その代わり、明日また更新したいと思います(何も起こらない限り)。

次回も宜しくお願い致します。

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