表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
392/726

第380話『パーシヴァルVSフレイ』

お待たせしました。

第380話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 ――この試合(たたかい)は至極単純であった。


『うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!』


『おらあああああああああああああああ!!!!!!!!』


 ただひたすらに、剣と拳の撃ち合い。試合開始直後、お互いに真正面から衝突して暴力を振るうだけの、作戦もへったくれもないただの喧嘩。


 1、2回戦とは、まるで異なる試合を繰り広げている。


 斬って、斬られて、殴って、殴られて、斬って斬って、殴り殴られて、斬って斬って殴って殴って斬られて、殴られて、斬って殴られ斬って殴られ、斬って殴られ、殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて殴って斬られて、斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ斬って殴られ――



 ――試合開始から1時間後、2人は限界寸前。あと一撃でもまともに喰らえば戦闘不能になるだろう。


『はぁ……はぁ……』


『はぁ……はぁ……』


 2人は強者と戦っている嬉しさに笑い、同タイミングで歯を食いしばり、最後の撃ち合いを仕掛けに前へ踏み込む。


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』


『おらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』


 パーシヴァルは剣を水平に振る、フレイは炎を纏わせた拳でその剣を受け止める。通常、拳で剣を受け止めることは不可能だが、フレイの拳は硬い上に炎を纏わることで攻撃力も防御力も上がるようになっている。


 フレイは、シャイやマリンのように自らを別生物にする技術は現状持ち合わせていない。しかし、だからと言って劣っているわけでもない。代わりに彼女には他の特別な力を持つ5人にはないものがある。それは誰よりも鍛えられた肉体、誰よりも強くあろうとするダイヤのような硬い意志。


 パーシヴァルも似たようなものだ。生徒を教え導く立場として全魔法を覚えてはいるが、どれも極めてはいない。彼女が力を入れているのは剣術と体術、それと筋力のみ。頭を使うことを苦手とする彼女はダスト軍の中で誰よりも高い身体能力を持っている。そういう方向性でいうなら、パーシヴァルとフレイの在り方はかなり酷似しているといえる。


 現在の双方のレベル差は僅か2。フレイの方が若干上ではあるが、しかし、どんなにレベル差があろうと、技量の差や運次第で戦況がひっくりかえることもある。レベル差がたったの2であれば尚更だ。


『どうしたぁ! こんなものかぁ! パーシー・ヴァルキリー!』


『くっ……!』


 若干押されはじめているのはパーシヴァル。レベル差はほぼ無いようなものだが、それでもほんの少しだけ影響しているのか、ここで差が出始めている。


『諦めてたまるかああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』


 パーシヴァルは力を振り絞り、フレイの拳を剣で弾くと、もう1回フレイに向けて剣を振り続ける。


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』


 太刀筋の嵐、例えるならかまいたちに襲われているようだ。しかし、その猛攻をフレイは、なんとか拳で受け切る。


『なっ……!』


 手が止まり、隙ができたパーシヴァルに、フレイはすぐに拳を振りかざす。


 この瞬間、パーシヴァルは剣を握って振るうことも、回避することもできない。


 この拳を受けるしかない。


 刹那、パーシヴァルは――


『おらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』


 奇跡など起こるはずもなく、フレイの拳は無情にもパーシヴァルの顔面にめり込む。


 限界寸前とはいえ、力を振り絞った拳をまともに喰らえばただでは済まない。


 この一撃をもってパーシヴァルは意識を失い、その場で崩れ落ちる。


 しかし、同時に――


『ぐはっ!』


 フレイの横腹辺りに剣の刃が入っていた。


 ――実はパーシヴァルが殴られる寸前、彼女は剣を水平に振るい、一矢報いたのだ。


 自身の敗北を悟っても尚、身体は勝利を求める事を諦めなかった。


『う……マ、マジかよ……』


 フレイは刺さったままの剣を抜くと、斬られた箇所から更に血が吹き出し、もはや立っている事も意識をこれ以上保たせるのも難しくなってきた。


『クソが…………やる……じゃねえか…………』


 フレイは膝から崩れ落ち、パーシヴァルを抱くように倒れた。


 ――これにて3回戦は終了。試合は引き分けに終わった。


 しかし、それではトーナメントが成立しない為、サドンデスマッチを行うことになった。それは2人の意識が戻って万全の状態に戻った後で行われることになる。


 そのサドンデスの競技は何故か戦闘ではなく、腕相撲をすることとなった。その理由は、もう1回戦うと時間がかかるのと、短時間で力と力を競えるからだ。


 ――これは少し先の話ではあるが、2人の意識が戻って回復した後、腕相撲を行った。激戦の末、フレイが勝利した。


 パーシヴァルは敗北したにも関わらず、スッキリした顔でフレイと握手をし、2人はご満悦な様子だったという。


第380話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ