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第357話『知性なき怪物』

大変お待たせしました。

遅れてしまい申し訳ございませんでした。

第357話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 理性の無いモンスターと化したオベイロンは、ドロドロする体液を溢しながら、こちらを睨みつけている(気がする)。


 オベイロンは元々敵を睨みつける癖があるようだが、これはその名残りといつやつか。


 しかし、やはり言語は通じない。顔のパーツが存在しないので感情も読みづらい。故に――


『来るぞ!』


 表情が無いモンスターは何の予兆もなくビームのような粒子砲撃を4発分同時に放った。しかもご丁寧に俺達一人一人に正確な精度で狙っているので、防御も回避もしなければ揃って心臓貫かれてゲームオーバーだ。


 それにいち早く気づいたのはフレイだった。これまで敵の攻撃を難なく受け止めてきたフレイだったが、このビーム攻撃はさすがに恐れたのか、受け止めずに回避した。


 ヒルドさんとヘラクレスも持ち前の反射神経で何とか避けられた。


 で、俺なんだが身体能力がゴミカスに戻ってしまったので、咄嗟に避けられるだけの反射神経はない。ただビームとも呼べる攻撃が俺を貫くの待っているだけ――なわけがなく、いざという時に自動で防壁魔法を展開できるように予めセットしておいたので、何とか事なきを得た。


 しかし、これで安心してはいけない。まだ戦いは始まったばかりだ。


 オベイロンの様子を見ると、ビームを数発撃ったくらいで疲弊を感じているようには見えなかった。むしろ、どんどんビーム撃ってやるから覚悟しろと言わんばかりに、全く関係ない方向にもビームを放ち、威圧感を与えてくる。


 それでもハコニワを破壊できるレベルでは無さそうだ。つまり、少なくとも俺が死なない限り、あの化物はこのハコニワから出ることはできず、仮に出られたとしても生徒達はノルン様のいる城に籠もっている。


 というか、いざとなればノルン様の力なら精霊軍を退けられるだろうし。今回は俺達のレベル上げを優先して、あえて援護に回っているだけだからな。


『うおおおおおおおおおおおおおおお!!!』


 フレイは拳に炎を纏ったまま、オベイロンの元へ走り出した。


『喰らええええええええええええええええ!!!』


 炎の拳を振りかざすと、オベイロンは衝撃波のようなものをフレイに放ち、炎ごとフレイを吹き飛ばした。


『うおっ!』


 真正面から殴りに行くだけでは駄目だと判断したフレイは一旦下がり、様子を伺った。


『ちっ、こりゃまともに殴りに行ってもダメだ。さっきの衝撃波のようなもんで弾き返されちまうな……くそっ、どうやったら奴をぶちのめせるんだ……?』


 普段でこそ脳筋のフレイではあるが、敵わない相手が立ちはだかった時は流石に冷静になるようだ。


『俺があいつを引き付けて、それ以外の奴で攻撃するってのはどうだ?』


『ヘラクレス君でもいいけど、私でもいいよ〜』


『いや、ヒルドはダメだ』


『なんで〜?』


 ちゃんと出来る役割なのに何でダメなのか納得がいかないヒルドさんは、ヘラクレスに詰め寄ってきた。


 すると、ヘラクレスは頬を少し染めて目を逸らして、こう言った。


『いや、その……だな、さっきの衝撃波すごい風だったろ?』


『それがなに〜?』


『だからさ……ヒルドお前今スカートだろ?』


 スカート、風。この2つの単語を聞けば、ヘラクレスが何を言いたいかすぐに分かった。


 風によってスカートが捲れて下着が丸見えになってしまう。そう言いたいようだ。


『あ、そっか〜、確かにそうだね〜』


 ヒルドさんも状況を想像してヘラクレスの言う事を理解したようだ。


 ヘラクレスの言う事は何も間違ってはいないが、ヒルドさんはパンツ見ないでとか言うわりに、めっちゃ激しい動きをするせいで無防備にパンツ見せまくってるから、今更風でスカートが捲れたところでなぁ……と思う気もしなくもない。


『でも私、さっきから多分パンツ見えまくってるだろうから今更かな〜』


 自覚あんのかよ。ならせめて対策しなよ。


『いやいや、だからだ。お前の下着が見えそうになる度にいちいち目を瞑る俺の身にもなってくれ』


 なるほど。ヘラクレスは女性の下着を視界内に入れないようにする紳士だったか。俺なんて普通にガッツリ見ちまうんだが……。


『そうだったんだ〜。紳士だね〜、ヘラクレス君』


『紳士でも何でもいいが、これで分かっただろう? 引き付け役は俺がやる。いいな?』


『いいよ〜』


 反対する理由がない。というか反対しちゃダメだ。俺も頷いた。


『てめえがいいなら、それでいいぜ』


 フレイは闘志を現すように、手のひらに拳を当てる。


 全員が作戦に了承すると、ヘラクレスはうんと頷き、


『よし、行くぞ!』


『おお!』


 ヘラクレスの号令と共に、作戦は決行された。


 俺、フレイ、ヒルドさんは散開し、それぞれ攻撃の機会を伺う。


 ヘラクレスが前に出て、オベイロンを引き付ける。


『こっちだ!』


 ヘラクレスが挑発すると、オベイロンはその方向に顔を向けて衝撃波を放とうとする。


 それを承知の上でヘラクレスは逃げ出さずに、前へ走り出す。


 出来るのなら、オベイロンに攻撃する事も視野に入れていたヘラクレスだが、案の定衝撃波の風圧に耐えられず、軽々しく飛ばされてしまった。


(やっぱダメか……だが作戦通りだ)


 衝撃波を放った直後――オベイロンから見て左、右、そして後ろからそれぞれ一人ずつ殺意を持って攻撃を繰り出した。


 左からはフレイ。お得意の炎の拳で敵を焼き尽くす。


 右からはヒルドさん。銃を構え、魔力を込めた弾丸を放つ。


 最後に後ろからは俺。闇魔法で闇の塊を作り、闇のビームを放つ。闇には光。光には闇だ。


 3方向からの攻撃、著しく知能が低下してる今のオベイロンにそんな作戦を読めるわけがなく、自身への攻撃を許してしまった。


■■■■■■■■■■(アアアアアアアアアア)ーーーーー!!!!!』


 とてつもない叫喚を放っているが、これは痛いからなのか、それとも驚愕を顕にしているだけなのかは定かではない。表情も読めないので、そもそも苦しんでるわけではないのかもしれない。攻撃されるの気持ちいいーーー!!! なんてマゾヒスティック的な快楽を感じているのかもしれない。


 しかし、オベイロンの様子を見ると、叫び声を放った後、膝を崩して、両手を地面につけてから、起き上がれずにいる。


 どうやら、俺達の攻撃が通ったと見て間違いなさそうだ。


『止めだ!』


 隙だらけのオベイロンを見て、好機と思ったのかフレイは誰よりも早く走り出した。


 その刹那、オベイロンは――


第357話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

体調の方ですが、まだ完治しておらず、腰痛の苦しみに悶えております。なので、また今回のように更新が遅れる可能性があります。

不安定な更新頻度で申し訳ございません。

活動報告でも言いましたが、一刻も早く治して執筆に集中したいと思います。

次回も宜しくお願い致します。

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