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第355話(Aパート)『やってくる』

お待たせしました。

今回は文字数だいぶ少なめで物足りないかもですが、その代わり明日の朝か昼頃にBパートを投稿します。

宜しくお願い致します。


 ――それは突然現れた。


 雲ひとつない快晴の空にあの()()()()()()()が。


 約1ヶ月ほど前に苦労型新人教員(ダスト)美女系脳筋教員(パーシヴァル)が研修した森に現れた橋本ルカの両親が強襲してきた時と酷似している。


 これは異世界から何者かが来襲する合図。


 禍々しさすら感じるそのホールの中から、優美な羽の生えた美男を筆頭に同じような羽を広げる者達が合計で15と更に3匹のモンスター。


 やってくる。


 やってくる。


 精霊がやってくる。


 モンスターを引き連れて、強襲()ってくる。


 あぁ――逃げろ、逃げろ。


 “アレ”は人類如きに勝てる相手ではない。


 あぁ――もう終わりだ。この世が終わるぞ。


 突如現れた怪物によって、人類は破滅を受け入れるのです。


 逃げても無駄です。


 精霊は同胞を殺された悔恨に支配され、報復としてこの世の全てを破壊するのです。


 この世界の人類はもはや生きる事すら諦めるのです。


 1番楽なのは、何も知らずに、ただ穏やかに死を待つ。


 この世の大半の人間はそうだが、ヴァルハラの大地に立つ者は恐れよ。崇め、そして奉れ。


 精霊が人類(おまえら)(せいさい)を与えにきてやった。


 何人(なんぴと)たりと、逃すことはありえない。


『■■■■■■■■■■■■■■■■■……』


 ――■■■■■は言った。


 これより、我々の同胞を討った罪ある者及びここに住む全ての概念(もの)を破壊する、と。


 後ろに()られるは橋本ルカが住んでいた精霊界の王、名をオベイロン。


 最年長でありながら、絶世の美貌を持つ。そのご尊顔を拝見された女はもれなく魅了されると言われている。


 無論それだけの男ではない。


 この世の全てを手に収めるほどの、

 この世の全てを掌握できるほどの、

 この世の全てを破壊できるほどの、


 圧倒的な力を持つ。


『■■■■……』


 未確認の発音で唸り声を上げる3匹のモンスター。精霊界にしか存在しない高貴なる猪のようなモンスター達。そのどれもがアラビアを思わせる装飾を纏っている。


 この世界と違い、精霊界のモンスターは神聖の獣として重宝されている。尚、橋本ルカのような一般精霊及び一般人はその存在を知らない。


『■■■■■■!!!』


 一柱の精霊が手を振りかざすと、モンスター達は一斉に雄叫びを上げてそれぞれの方向へ殺意を持って走り出す。


 まず手始めにこの島にいる者を皆殺しにしろ。そのように命令したのだ。


 彼らが派遣したモンスターは非常に素早い。そのスピードはこの世の何と勝負しても比べ物にならない。


 そして、その破壊力さえも――


『■■■■■■!!!!!』


 モンスターの突進によって木々は次々と折れ、突進によって発生する風がまるで竜巻のように周囲を巻き込んでいく。


 この森が人間の血で染まるのも時間の問題だ。


 ――だが安心するがいい。殺すのは一瞬で怯える暇すら与えぬ。それは我々なりのせめてもの慈悲だ。感謝するがいい。


 多少戦闘訓練を積んでいる人間はおろか、この世界の最強モンスターに君臨する巨人や最速のボアウルフですら、この妖精界のモンスターには手も足も及ばないだろう。


 これは戦争ではない。蹂躙という名の作業だ。失敗するはずのない妖精界の最強種モンスターであれば誰でもこなせる簡単なお仕事だ。


 ――さあ、そろそろ我がモンスター達が全てを蹂躙し尽くす頃だろう。それでもまだひと仕事とはいえ、帰ってきたら褒美をあげよう、なんて勝利を前提とした思考を全精霊達は持っている。


 それが最初で最後の慢心だとは知らずに――。

第355話のAパートを見て下さり、ありがとうございます。

続きは明日のお楽しみに。

次回も宜しくお願い致します。

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