第341話『不好の手紙』
お待たせしました。
第341話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
――今から2ヶ月前。
女神ノルン様の元に一通の手紙が届いた。
その手紙には魔力が込められており、ノルンでないと開けられない仕組みになっていた。
その手紙にはこう書かれてあった。
――――
女神ノルン様へ
背景
私の美しさに皆がメロメロになるこの頃。
女神ノルン様におかれましては、自分の料理を口にしてくたばりかけていることと存じます。ざまあみやがれですわ。
さて、問題です。この手紙はどこから送ったでしょ〜か?
シンキングターイムスタート!
チッチッチッチッチ、ブッブー! ハズレですわ!
正解は……CMのあとー!
ヒャハハハ! ざまあみろですわ!
ギャハハハハハハハハ!
……ってのはじょーだん♡
ごめんね、気を悪くした?
許してちょんまげ☆←古すぎw
……本題に入ります。
この手紙を送ったのは、今から約1万年後の私……マーリンです。
あ、待って待って! 手紙をくしゃくしゃにしたり燃やそうとしないで! 本当の事だから! 全然ふざけてないから!
さて、そもそもなんでお前1万年も生きてんだよという疑問はさておき、とにかく未来がやべえですわ。
どんくらいやべえかと言いますと、後で食べようと思っていた超高級チョコレートがリュックの底でモンスターになっていたくらいやべえですわ。
具体的に話しますと、未来のゼウスとプロメテウスが世界を創り直そうと世界の全てを滅ぼす準備を始めました。でも唯一私達のいるこの魔王城だけはその影響を受けなかったのです。なのでここだけは安全……と舐めくさっていたら、ゼウスとプロメテウスとヘラが私達ごと魔王城を滅ぼそうと分厚い結界破って襲撃してきました。
今、私の頼れる戦士達が神を相手に難戦を繰り広げて、なんとか凌いでますが、それももはや時間の問題でしょう。
まあ要するに私達だけでは手にあまりまくるから助けて下さいってことです。
でもそれは何も未来に来て助けてと言っているわけではなくて、もうすぐそっちの時代に2人の戦士と遅れてもう1人の戦士がやってきます。
もしかしたら仲間を増やしてるかもしれませんが、どうか戦士達を神に対抗できるレベルまで鍛え上げて、こっちの時代に送って下さい。
報酬はそっちの時代の私に請求して下さい。事情はもう話しましたので。
ホントマジで世界の危機なので本当にこれだけは一生のお願いです。
どうか聞き入れてくれるとありがたいです。
何卒宜しくお願い致します。
マーリンより
――――
『って書いてあったよ〜』
皺だらけの紙を持ちながら、ヒルドさんは余す事なく全てを音読した。
ヒルドさんが持ってるその紙こそが、未来のマーリンからの手紙そのものだろう。くしゃくしゃになっている時点で、ノルン様がブチギレていた事は明白。
俺が見ても、この手紙の内容にはツッコミ所が多すぎる。
まず拝啓が背景になっているのもそうだが、お願いをする立場とは思えないほど文章がふざけすぎてるし、仲が悪いのか明らかに喧嘩を売ってる文面もある。
『はぁ……』
悪ノリが過ぎるマーリンに呆れ果てた俺は片手を頭に置いて、ため息をついた。
『このマーリンって人面白いね〜』
『面白いじゃ済まないんですよ、その人』
『そうなの〜?』
『まあでも、未来のヒルドさん……ケールさんはそのマーリンと仲良くしてましたけどね』
『そうなんだ〜嬉しいね〜』
彼女の歓喜を表す言葉の割に、表情は変わらなかった。
ここまで話してて気になってはいたが、ヒルドさんもケールさんと同じく感情が顔に出ないタイプのようだ。
そういうところも1万年という膨大な年月が流れても変わらないんだな。まあそもそも彼女はケールさん本人ではないだろうが。
――それから二人で少し雑談してると、ノルン様から俺に呼び出しがかかったとメイドから伝えられた。
『まさかさっき俺がやらかした事に対して、罪を償わせる為に魔法の雨を撃ってきたり……?』
『違うよ〜、さっきも言ったけど、ダスト君がそうなる事は事前に知っていたんだよ〜。それにノルン様も最初この手紙を見たときはブチギレてたけど、なんだかんだマーリンさんのお願いを引き受ける気でいるから大丈夫だよ〜』
『あ、そうなんですね。なら大丈夫かな』
ブチギレてたの部分がすごく気になるけど、まあ女神って時点であまり期待してないから……たとえば、めちゃくちゃ性格が悪いアースとか、超脳筋の炎の女神とか、俺はあまり会話しなかったけどヒステリックな水の女神とか、まあ色々個性的すぎて、女神ノルンがそれらと同類だったとしても特に何も思わない。
まあそれでも多少イラつく事もあるかもしれないが。
『行こ、ノルン様の所まで』
ヒルドさんはそう言って異性である俺の手を躊躇いなく掴んだ。
『は、はい』
ヒルドさんは居ても立っても居られない子供のように、問答無用で親の手を引っ張る幼子のように、俺の手を引いた。
ヒルドさんが子供なら微笑ましい光景だったのだが、彼女の足があまりにも速く、城の中の景色が次から次へと目に留まることなく移ろぐ。
『うわあああああああああああああ!!!』
彼女の速度についていけない俺は、地に足つくことなくまるで凧揚げのように宙に身を委ねられている。
もうこんなのばっかり嫌だあああああああああああああああああああああああああああ!!!
第341話を見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
次回も宜しくお願い致します。




