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第24話『最新バージョン』

お待たせしました。

第24話できましたので、宜しくお願い致します。


※改稿しました。ストーリー・キャラ設定等は変えてません。

※2022年2月20日改稿しました。

 さて泣いても笑ってもこれが最後の勝負となった。勝負内容は怪盗ゲーム。簡単に言うとクレーンゲームの鬼畜版だ。


『じゃあ、お兄ちゃん先攻で、私、後攻でいいよね? お兄ちゃんから言い出したことなんだから、私が決めさせてもらうからね』


『それで構わないよ』


 ブロンズちゃんは懐から財布を取り出し、いくらか銅貨を渡された。


 そうだ、思い出した。この世界の通貨は金貨、銀貨、銅貨の3種類ある。それぞれの価値を日本円で例えるなら、金貨は一万円、銀貨は千円、銅貨は百円といったところだ。この怪盗ゲームは一回銅貨一枚だ。つまり日本のクレーンゲームと大体一緒の値段ってことだ。


『よし、俺からだ』


 俺は恐る恐る硬貨投入口に銅貨を入れた。チャリンという音と共に、ピロリンという音が鳴った。


 ……あまりにも、馴染みがある音だったので、なんか日本に帰ってきたかのような懐かしい気分になった。


 まず俺は手元の3つのボタンの内、1番左にある右矢印のマークが刻まれているボタンを3秒間押し続け、次に真ん中にある上矢印のマークが刻まれているボタンを1秒間押した。するとアームは下降し、景品を掴もうとしていた。()()()()()、従来のクレーンゲームと一緒だ。


 しかしこの後、兵隊の人形がやってきて、クレーンを妨害するはすだ……と思っていたのだが……。


『あれ? 兵隊が来ないぞ? バグってるのか?』


 次の瞬間クレーンがひとりでに、ゆらゆらと揺れはじめ景品を落としてしまった。


『今、変に揺れ出したな……やっぱバグってるのかな?』


『いや、バグってなんかないわよ、なぜなら、()()妨害したからよ』


『は? どういうこと?』


『その怪盗ゲームのルールをよく見てみて』


 俺は手元に記されてるルールを、よく見ると……。


『へ? ()()()()()()()?』


『そうよ、つい昨日の事だったわ……昨日私は、皆に内緒で、こっそりベンリ街へ行って、怪盗ゲームを最新バージョンにアップデートする魔法を、受け取ってきたのよ』


 昨日どこで何をしてたんだろうと思ってたら、そんな事してたのか。でも、最新バージョンって具体的にどこが変わったんだ?


『それも、ルール表に書いてあるわ』


 俺はボタンの横にあるルール表のNEWと表示されている右側の文章をよく見ると……なになに……今回の最新のアップデートでは怪盗ゲームの妨害役を、兵隊の人形からプレイヤーに変えることが出来ます。プレイヤー同士の1VS1のプレイヤー対戦モードに切り替えれば、より白熱したゲームをお楽しみ頂けます。と記されてあった。


 賞品をゲットするゲームなのになぜ対戦要素を入れた? ジャンルがあまりに違いすぎるだろ。やっぱクソゲーだわ。しかも時を越えて更に悪化するタイプのな。


『そうよ、この怪盗ゲームはお兄ちゃんと私の1VS1の対戦モードに切り替わってるのよ』


 確かにプレイヤー同士の妨害ゲームなら、心が読めるブロンズちゃんが有利だ……でも、何で昨日アップデートを……ん? まさか……?


『そう、そのまさかよ。私は、こうなる事を()()()()()()()()()()()()!』


『なん……だと……!?』


 そんなバカな……じゃあはじめから、昨日から……俺が怪盗ゲームを選ぶことを予想してたと言うのか……いやでも。


『でも、俺がもし他のゲームを提案していたら、どうするつもりだったんだ?』


『それはありえないわ』


 ありえない? なぜそう言い切れる?


『ほら、周りのゲームをよく見て、ああ、カジノのゲーム以外ね』


 カジノのゲーム以外だと……今、やってる怪盗ゲームの他には、ガンシューティング、格闘ゲーム……あれ? 意外とジャンルの種類が少ないような……。


『あら、まだ気づかない? なら、1つヒントをあげるわ。私は、今ある娯楽施設のゲームの中で、唯一、心を読まれても意味がない怪盗ゲームを()()()()()()()()()()()()()()


 あえて1つだけ残した……? 


 そうか! そういうことか! 唯一の希望である、ゲームを1つだけ残せば、俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


『そうよ、その通りよ。お兄ちゃんにしては理解が早いのね。褒めてあげるわ。あと言うまでもないことだけど、この娯楽施設を変えたのは昨日の事。今日の為に準備させてもらったわ』


 ブロンズちゃん……俺と勝負するためにそこまで用意していたとは……思ったよりかなりの策士みたいだ。さっきまで快盗ゲームは苦手とか言っていたが、それも演技で、俺は今の今までまんまと誘導されていたようだ。


『まだまだね、お兄ちゃん。これから、もっともっと妨害して精神的にいじめてあげるわぁ!』


 俺の身体がブロンズちゃんに最初に脅された時の恐怖に支配されていたのを思い出したように、急に汗が止まらなくなった。


 ブロンズちゃんマジ怖可愛い。


『でも、まだだ……。俺だって、まだ諦めないよ!』


 それでも勝機が無くなったわけじゃない。やってやる。


『ふふ、諦めが悪いのね。そういうところも好きよ』


『ありがとう、ブロンズちゃん』


 さてと……これ、本当にどうやって勝とうかな……?


第24話を見て下さり、ありがとうございます。

第25話ですが、明日から仕事の為、ペースが遅れてしまいまが、なるべく、早く投稿していきたいと思います。

宜しくお願い致します。



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