第308話『精霊襲来編②』
お待たせしました。
第308話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
・・・目標。
血縁上娘橋本ルカ②体?
分析中・・・。
結果、双方真正橋本ルカ。
故二双方捕獲スル。
捕獲セヨ。
・・・障害物有。
・・・障害物A。
容姿ドール人形。
現精霊兼ドール人形。
“魔力値”高。
“戦闘能力”低。
“危険度“D。
破壊優先度低。
・・・障害物B。
偽名パーシー・ヴァルキリー。
本名パーシヴァル。
“魔力値”中。
“戦闘能力“高。
危険度B+。
破壊優先度中。
・・・障害物C。
偽名①オーガスト・ディーン。
偽名②ダスト。
偽?③■■■■■。
本名■■■■■。
異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者異端者。
異世界転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移転移。
“魔力値”異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常。
危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険。
早急に排除セヨ排除セヨ排除セヨ排除セヨ排除セヨ排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除除――。
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グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
双方の精霊は戦闘の合図だと言わんばかりに雄叫びを上げると、精霊の真下から1メートル50センチほどの人型の精霊をここら一帯を埋め尽くすくらい大量に召喚してきた。
急にきのこが生えたように現れた精霊は召喚まれた瞬間に自分の使命を理解し、俺達に襲いかかる。
どの精霊の攻撃方法もビームのような光魔法のような砲撃を放つ事ただ1つのみ。それは親元であるルカちゃんの両親も同様だ。
動く殺戮兵器のように精霊はじわじわと一歩、また一歩と進みながら、間髪入れずに砲撃を連続で放ち続ける。このままでは全員、粒子の集団体に蜂の巣にされてしまうだろう。
そんなことは俺が許さない。
俺は前方に防壁魔法を発動し、全ての精霊達の攻撃を防ぎ続ける。
防壁の中には俺とパーシヴァル、ルカちゃん2人にカレンちゃんがいる。今は誰もかすり傷すら負っていない状態だ。このまま精霊の力が尽きるまで防壁魔法を展開していきたいところだが、そこまで魔力が保たないだろう。
俺の魔力が尽きれば、戦えるのはパーシヴァルだけになってしまう。カレンちゃんもワンチャン戦えそうだけど、あの精霊を見たカレンちゃんのやべえのが来ちまったという反応を見る限り、とても勝てる相手ではないのだろうな。
確かに俺もルカちゃんの両親……親精霊と呼ばせてもらうが、親精霊が来た時の緊張感、焼けるような肌のピリピリ感を味わった時の恐怖は決して小さいものではなかった。あれはアクタやルシウスとはまた違う別の恐怖感。その2人と比べて強いのか弱いのかは定められないが、あの親精霊には関わってはいけない。逆らってはいけない。俺の本能がそう警告し続けている。
『ククク……あれは強いな……でもこれほどとはな……』
パーシヴァルは少し笑いながら、親精霊を見ている。だが、やはり怯えているのか身体が震えていた。強者と戦うことを誰よりも楽しみにしていたあのパーシヴァルがらしくなく少し萎縮しているのだ。
しかし、パーシヴァルは決して剣を収めない。その理由は分かる。ルカちゃんを守るためだ。パーシヴァルは昨日もう1人のルカちゃんと出会って、それから今日までずっと一緒に居たのだ。パーシヴァルは普段は戦闘狂だが、子供を守ろうとする正義感は存在する。そして、1度守ると決めたら命を賭してでも守り抜くという騎士の鏡のような心も持ち合わせている。
だからこそ親精霊に勝てる方法をパーシヴァルなりに模索している。いつもなら戦いとなれば真っ先に跳び出すあのパーシヴァルが剣を構えつつも様子を見ているのがその証拠だ。
『カレンちゃん、あの精霊……ルカちゃんのお父さんお母さんの弱点とか何か知らないか?』
『ソンナモノ知ッテタラ最初カラ苦労シナイ! アレハ化物ダ、世界デ最モ恐レラレテイル精霊ダ。私ガアンナニ作ルノニ苦労シタ異世界ノゲートヲ、イトモ簡単二作ッテ、コウシテ私達ヲ追イカケテ来テルノガソノ証明ダ』
もしカレンちゃんに表情という概念があるのなら、きっとこの時、青ざめたような表情をしていたのだろう。圧倒的な力を前に立ち竦んでいる。あまりも早すぎる鬼にあっさり追いつかれた子のようだ。
ルカちゃん達はもちろん、パーシヴァルですら様子見している以上、俺が最初に動くしかない。もしくはどうにか親精霊の弱点を見つけて、そこを俺達で一斉に叩くしかない。
幸い俺の魔力はまだまだある。“ダストの記憶”も徐々に思い出しつつある。つまり、まだ魔力がある状態で、魔法のレパートリーが勝手に増えて、戦術の幅がどんどん広がっているということだ。
だが現状ではあの親精霊に勝てる方法はまだ思いつかない。そもそも精霊達の休みのない砲撃連射のせいで、こちらが攻撃できる隙を見せてくれない。防壁魔法で防ぐのが精一杯だ。
くそっ……どうすれば……。
『――きゃあ!』
『どうした!?』
沢山いた精霊の内の1体がなんと防壁魔法を展開しているのにも関わらず、こちら側に入り、ルカちゃんのすぐ後ろに立っていたのだ。
『しまっ――』
親精霊を倒すことばかり考えていて他のことに気が回らなかったのと、防壁魔法を信じ過ぎていた故に警戒を怠ってしまった。
しかし、その精霊はルカちゃんではなく、なぜか俺をターゲットにして砲撃を放とうとしていた。つまり、あの親精霊の意志としてはルカちゃんを生きたまま捕獲して、他は俺を優先に始末すると言ったところか。ということはあの親精霊には分析能力がある可能性がある。じゃなければこの精霊はわざわざ俺をターゲットにしたりしないだろう。
やばい――間に合わない。
完全に不意を突かれたせいで、俺が攻撃をするよりも早く、その精霊は俺に砲撃を放った。
『主人!』
その砲撃はまるで小さな流星――そしてそれは人1人を容易く殺せるくらいの殺傷能力を持つ。これをまともに受ければどんなに強い格闘家だろうと冒険者だろうと、心臓を持ってかれて終わりだろう。某バトル漫画の頭が金髪になる戦闘民族や何か悪魔的な力を持った海賊でもない限りは。
あぁ――ここまでか。
既に防壁魔法を張っている俺には自分自身を防御する術はない。いやそんな暇すら与えられなかった。
身体つきが一般人以下の俺はこのまま砲撃に飲まれて、BAD・ENDだ。
せめてブロンズ様達にもう1度だけでも会いたかったが……無念だ。ごめん、本当にごめんな。
俺は自分の命を完全に諦めた……その時だった――。
ドコォッッ!
ギャアアアアアアアアアアアア!!!
『あれ?』
さっきまで俺の目の前まで来ていたはずの砲撃は俺には一切当たらず、代わりに撃った方の精霊に直撃していた。
どうやら精霊の砲撃を跳ね返したようだ。
こんな真似はさっきの俺には出来る暇も無かったし、俺を助けようとしてくれたパーシヴァルも、親精霊の方しか見てなかったカレンちゃんも同様だ。ルカちゃん達もずっと親精霊に怯えて当然何もできない状態だ。
じゃあ誰がやったのか。
それは数秒前に俺を助ける為に現れた――
『オーガスト様、皆様、ご無事でしょうか?』
『新井さん!』
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