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第300話『研修編⑪』

お待たせしました。

第300話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。

 ――――わたしとカレンちゃんのおはなし――――


 カレンちゃんはいつも一緒だった。


 私が辛くて泣いてる時も無理して笑ってる時もいつだってそばにいてくれた。


 はなればなれになったことなんて一度も無かった。


 でも今はいない。いつの間にかいなくなっちゃった。


 ねえカレンちゃん……何でいなくなっちゃったの?


 どこにいるの?


 返事してよ。


 会いたいよ。


 カレンちゃんの温もりを感じたいよ。


 ディーンさんはとても親切な人だ。今日は見つからなかったけど、一生懸命探してくれてる。


 私のお母さんとお父さんとは大違い。


 私が何をやっても、いつも私を叱ってくる。いつも私を否定する。褒めてくれたことなんて一度もなかった。


 いつも私を――


 私は――――


 ――でもカレンちゃん。あなたが居てくれたから私は今まで頑張ってこれたんだよ。


 だから戻ってきてよ。


 私を抱きしめてよ。私を助けてよ。


 ねえカレンちゃん。不安だよ。どこにいるの?


 助けて助けて助けて。


 わたしもう1人は嫌だよ。


 カレンちゃん、カレンちゃん、カレンちゃん。


 ああああああああああああああああああああ。


 ……でも大丈夫だよね。


 私確信したんだ。


 ディーンさんならきっとカレンちゃんを見つけてくれるって。ディーンさんにはすごい力があるって私信じてるの。


 もしディーンさんがカレンちゃんを見つけてくれたら、私はディーンさんと――


 だからカレンちゃん。帰ってきてよ。


 カレンちゃんにディーンさんを紹介させてよ。


 私、カレンちゃんがいないと寂しいよ。


 私にとってカレンちゃんは……カレンちゃんは――


 ――――おしまい――――



 ――夜21時、小屋にて。


 今の今まで俺はルカちゃんと話をした。


 ルカちゃんの事から、カレンちゃんと過ごした日々、一緒に遊んだ思い出。どれも輝かしい思い出から悲しい思い出までの全てを話してくれた。


『……そうか』


 ルカちゃんもルカちゃんで本当に色々な事があったんだな。()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 それなら尚更カレンちゃんを見つけてやらないとな。


 そしてカレンちゃんを見つけたら、俺はルカちゃんを――



『ディーンさん、先にお風呂入ってるね』


『ああ、ゆっくりしてね』


 ――さて。


 ルカちゃんが風呂に入っている間にやることを済ませておこう。


 まず探知魔法を発動して、カレンちゃんとパーシヴァルを捜索。


 ――よし、カレンちゃんもパーシヴァルも見つけた。双方無事なようだ。


 ん、でもあれ? パーシヴァルの奴、何やってるんだ?


 俺はパーシヴァルの動向をじっくりと見た。声までは聞こえなくとも何をしているかは何となくだが分かる。


 ――ああ、なるほどそういうことか。


 こんな()()な事もあるんだな。


 カレンちゃんとパーシヴァルの無事も確認したところで、俺は遠隔魔法でカレンちゃんに防壁魔法を張り、モンスターに襲われないように守りを固めた。


 よし、これでひとまずは安心だな。


 あとは明日ルカちゃんと一緒にカレンちゃんの所へ行くだけだ。


 あ、そうか。新井さんにもこの事を報告しよう。そうすればすぐにカレンちゃんを回収してくれるだろう。


 ――そう思いトランシーバーで連絡しようとしたが、壊れてしまったのか、うんともすんとも返事がなかった。


『あれ? もしもーし!』


 …………。


 返事がない。ただの機器のようだ。


『なんだよ、壊れちまったのか』


 今こうしている間にも、新井さんが編成してくれた捜索隊は血眼になってカレンちゃんを探してくれている……はずだ。


 俺が新井さんに事情を話して、カレンちゃんがいる場所まで捜索隊を導いてくれれば、すぐにでも見つかる。


 ……だが、トランシーバーはこの有り様。新井さんへの連絡手段はいつの間にか絶たれてしまった。


『しょうがねえな、じゃあ明日俺達が直接カレンちゃんを回収しに行こう』


 今はとにかくルカちゃんの安全を守ることと、カレンちゃんを回収する方を優先しなければ。


 せっかくこの森を抜けても、カレンちゃんがいなかったらルカちゃんの気持ちはこの先ずっとモヤモヤしたままだろう。俺含めて後悔を抱き続けることになってしまう。


 俺はルカちゃんには、今も未来も笑顔でいてほしいから。だからルカちゃんの不安はできる限り解消する。


『ディーンさん、上がったよ』


 風呂場から風呂上がりのルカちゃんが身体に纏った湯気をあげながらリビングに戻ってきた。


 あいにくルカちゃんに合うサイズのパジャマは小屋には置いてなかったので、俺はこっそり自分のTシャツをルカちゃんに合うようにサイズを小さくする魔法を使って、それを渡した。言い方はアレだが彼シャツのように着てもらうしかなかった。


 え、下着はどうしたかって? そこに関しては俺は一切関与してない。男の俺が干渉するわけにもいかんでしょ。なのでそこはルカちゃんに任せるしかない。これ以上はその話題に触れてはならない。いいな?


『……じゃあ次は俺が入るよ』


 俺は彼シャツ姿のルカちゃんを視界に入れないようにしながら、風呂場の中へ入った。ルカちゃんもあまり表情には出さなかったが少し恥ずかしそうにしてる気がしたので。これ以上は考えてはならない。いいね?


『ディーンさん、私先に寝てるね』


『あ、はーいお休み』


『お休みなさい』


 さてと、俺はゆっくりと湯船に浸かるとするか。


 ――その後俺は10分程で風呂を出て、冷凍庫に入っていた牛乳を一杯飲んで、パーシヴァルが帰ってきてないか確認して、リビングの電気を消してから自分の部屋へ戻った。


 ルカちゃんも自分の部屋のベッドの上で寝息を立てている頃だろう。俺も寝るとしよう。


 今日は考える事が多くて疲れたな。


 せめて寝る時だけは考える事をやめて夢の世界へ誘ってもらうとしよう。


 お休み――――


 このあとめちゃくちゃ変な夢見た。

第300話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様のおかげで300話まで書くことができました!

本当にありがとうございます。

この作品もまだまだ続きますが、何卒宜しくお願い致します。

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