第21話『並行世界のとある人物』
お待たせしました。
第21話できましたので、宜しくお願い致します。
※改稿しました。ストーリー・キャラ設定等は変えてません。
※2022年2月11日改稿しました。
地の女神からの重要な話か。これがシルバーちゃんが言ってた重すぎる話とやらか。
覚悟はできてる。どんな真実にせよ俺は追求していかなくてはならない。
『はい、その話聞きましょう』
この世界についての情報は収集するべきだ。
まあそもそも、魔王の奴がちゃんと全部話してくれれば良かったんだがな。
『分かった……まずは、この世界についてだが……あの魔王から、何か言われたかい?』
『確か、俺が居た世界がシミュレーターだとか訳の分からない事を言ってましたね』
『シミュレーターか……まあ、ある意味間違ってはないけど、違うな。君が居た世界もそうだけど、正確には、この世界もだよ』
『この世界も……!?』
魔王はそこまで言ってなかったよな。どういうことだ?
『魔王は、この世界の事を知っているようで、知らないことが多すぎる。あと歳なのか、よくボケる。強さにおいては、あいつを越える者は、片手で数えるくらいしかいないけど、あいつからの情報は基本あてにしない方がいいよ』
魔王からの情報に関しては、もうあてにはしないが、魔王の強さは、片手で数えるほどか……やはり、魔王なだけあって強いんだな……
ん? 俺そういえば1回魔王と戦ったことがあるような気がするんだが……気のせいか?
『君の情報も確認しよう。元々この世界で生まれ、違う世界に飛ばされて、記憶も改ざんされて、そして、またこの世界に戻ってきた……そうだね?』
『はい、そうです』
今持っている記憶だって改ざんされた後の可能性もある。だから正直どの情報も半信半疑で聞いてる。
『ええ!? そうだったんですか?』
シルバーちゃんは今まで俺の事を知らされてなかったのか、驚愕のあまり立ち上がった。
『ああ、シルバーちゃんは、知らなかった?』
『はい……魔王様からは、異世界から新たな仲間が来るよーとしか……』
『はぁ……あんのクソ魔王め……適当すぎるんだよ……』
アースちゃんは呆れて額に手を当てた。
『そもそも、厳密に言うとそれは異世界でも無いんだよね……えっとなんだっけな?』
アースちゃんは、頭に手を置いて思い出そうとしているが、なかなか思い出せそうにない感じだ。
『もしかして並行世界の事ですか?』
『そうそう! それそれ! 並行世界……って並行世界を知ってるのかい?』
『はい、知ってます』
アニメや漫画でよく聞く単語だからな。まさか、ここで並行世界の話をするとは思わなかったがな。
『それなら話が早い。並行世界の、とある人物について話そうか』
アースちゃんが、そう言うとシルバーちゃんも椅子に座り聞く姿勢を整えた。
シルバーちゃんも初めて聞く話だから興味があるのだろう。
『並行世界……要は、もしもの世界さ。そのもしもの世界のとある人物は、ある理由で異世界へ逃げていった』
『異世界へ……逃げた……?』
『ああ、異世界だ。こことは違う世界だがな』
こことは違う世界……。つまり、俺からしたら異世界人が異世界に渡ったということか。でも、この世界と何の関係が?
『その違う世界でも、彼は、逃げ続けたのさ』
『なんで、また逃げたんですか?』
『彼にとって都合の悪いものが追ってきたからさ……まあ、それ自体はわりとしょうもないことだから、ここは気にしなくていい……問題はその後さ』
『その後ですか』
しょうもないことって何だったんだろう? また違う機会に聞いてみようかな。
『ああ、彼が神の力を得た時のことさ』
神の力……アニメや漫画では、よく聞くけど、いざ目の前でそれを言われてもピンと来ない……。
『神の……力……?』
シルバーちゃんは口を手で抑えながら驚いてる。まあ、この世界の住人にとって神様は、存在しているものという認識だが、実際に目撃した者はごく僅かで、ほぼ都市伝説レベルだ。
というか俺も、この世界に生まれたはずなのに、神様の存在自体全然覚えてないのも変だな……知識に偏りがありすぎたからだろうか。
『彼は、その神の力を何に使ったと思う?』
『えっと……神だから……都合の悪いものを消した……とか?』
『いいや、彼は、また逃げるために、異世界を創ったんだよ』
『異世界を創った……だと……!?』
『……その創った異世界が、この世界の事だよ』
『なるほど……』
つまり、この世界の創始者は何かから逃げて逃げて逃げ続けるために、この世界を創ったってわけか……。
『彼はその創った異世界を、調整し大地や海、森や火山等の地形も完成させた。そして、その世界に結界を張り、他の世界の人間が入ってこれないようになった。そうして、彼は独りになってしまった……やがて、独りが耐えられなくなり、私達女神を創った』
『何……? ということは、アースちゃんは、創られた女神だったのか……?』
『ああ、そうだよ……君の世界で言う、人類知能のようなものだね』
なるほど……人工知能のようなものか。それにしては、キャラが濃すぎるような気がするんだが……。
『キャラが濃いのは、仕様だよ!』
心の中を読まれた!?
『本当に仕様ですか?』
『信じてよー、信じないと君に毒の針飲まして、剣で串刺しにしてから、最後にデコピンをおみまいしちゃうぞ☆』
可愛い顔と声でとんでもねえこと言ってるんですけど!
てか、最後デコピンって……急にショボくなったな。
『分かりましたよ……信じますよ』
『うむ、分かってくれればよい』
上から目線で腹立つが許してくれたようだ。まあ、女神様だから上からでいいのか……。
『ところで、こんな話をシルバーちゃんにも、聞かせてよかったんですか?』
まあ当のシルバーちゃんは、あまりの情報量で頭がパンクしてるっぽいがな。
『ああ、構わないさ。これも何かの縁だろうし』
『そうですか……もう1つ質問いいですか?』
『質問かい? いいよ! 何が聞きたい? 私のスリーサイズ? 下着の色?』
『どちらも、ぜひ聞きたいです!』
『……いや、マジかよ……いや、私から言っといてあれだけど、本当に聞くなんて引くわー』
しまった! アースちゃんのパンツが見たいという願望を強く持ってしまったがために本音が出てしまった!
『いや、じょ、冗談ですよ~! そ、そんなこと本気で聞くわけないじゃないですか~』
『本当かな~?』
アースちゃんから怪訝な目が突き刺さる。この目はアレだ。犯人を追い詰める探偵のような鋭い目だ。怖い怖い。本音を暴かれそうになると心臓の音がそれはもうはち切れそうなくらいにバックバクに動いている。
ヤバい……このままではシルバーちゃんから“ダストさんは変態“と認識されてしまう。そうなれば俺は2度とシルバーちゃんと話せなくなってしまう。それは困る。非常に困る。美少女に嫌われるのは嫌だ。
ここは何とか誤魔化さないと……。
『ホントダヨウソジャナイヨ』
『なんか急にすっごい棒読みになったね!?』
しまった! 緊張のあまり、全て片言みたいになってしまった!
『アハハハハ』
『いや、アハハハハじゃなくて!』
この後も俺はなんとか誤魔化す為に話を逸らそうとしたが、アースちゃんはそれを許さなかった。話題を変えようにも変えられない。どうしたって俺が女の子のパンツ大好きな変態という話が絶えない。
……でもその時間はとても楽しかった。気がついたら3人で笑い合っていたのだ。不思議なことにな。
端から見たらすごく無駄な時間だったけど、それでも充実した時間を3人で過ごした。
だが、このまま平和に終わるわけもなく……アースちゃんからそれ以上に面倒すぎる頼まれ事を引き受けることになる。
第21話を見て下さり、ありがとうございます。
第22話の方も出来次第、投稿していきたいと思います。
宜しくお願い致します。




