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第284話『プロローグ②』

お待たせしました。

第284話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※今回は文字数少し多めです。

※今回は完全にギャグ回です。

 パーシヴァルは俺の蘇生魔法“アンデッド”で生かされていた。


 生命線である俺が消えれば、必然的にパーシヴァルも消滅するはずだ。


 だがパーシヴァルは俺の隣でピンピンしている。まるで生きているみたいに。


 そんなバカな……。


『“そんなバカな”。いやバカな話じゃないよ。だって君は殺されただけで死んだわけじゃないんだ』


『は?』


 こいつは何を言っているんだ?


 殺されたら死ぬなんて常識、幼稚園児でも理解()っているだろう。


 逆にそうじゃない事があるのか? いいや、あるわけない。これは矛盾だ。マーリンが意味のわからないボケをかましているだけだ。


 パーシヴァルが生きてるのも、きっと何か別の理由がある。


 というかそもそも、ここは現世じゃない。


 俺の精神世界だ。


 きっとパーシヴァルの魂が何かの拍子に俺の精神世界に迷い込んだ。そうとしか考えられない。


『……何か色々考えてるようだけど、それは矛盾じゃない。より厳密に言うと君の肉体は滅んだけど君の魂は死んでいないということさ』


 うん、すまん。具体的に説明してるつもりなんだろうけど、よく分からない。


『まあ要するに私達にとって都合良く物事が進んでいくってことさ』


『いや都合良くって……』


 説明めんどくさいのかな?


『説明めんどくさいんだよ!!』


『口に出して言うな。今授業中だろ』


『はぁ……人に説明するのがこんなに怠いとは思わなかったよ……先生ってめんどくさいんだね。はいもう辞めまーす。離任式はまだですかー?』


『離任式はまだですかーじゃねえ。お前から言ったんだろうが、責任を持ってさっさと教えろや』


『あー! これ全部冗談だったのに! 今のダスト君が教えろやって偉そうに言ってきたからやる気失せたー! あーあ! もうモチベ失くしちゃった! もう知らない!』


 マーリンは宿題をしない子供みたいな事を言って、そっぽを向いていじけてしまった。


 えぇ……めんどくさ。


 マーリンは頭のおかしいやべえ奴だとは思っていたけど、ここまでとは……。


 これには俺もパーシヴァルも困り顔で呆れざるをえなかった。


 日本でも稀にあるが、授業中に生徒がうるさすぎて教師が匙を投げて、授業しなくなった時のいたたまれない空気に似ている。


 授業なくなったラッキー! とは心の底から思えなくて、むしろ困惑したものだ。


 はぁ……まったく……責任を持てとか生徒に偉そうに言う大人がそんなんでどうするんだよ……説得力ねえんだよ。


 ――なんてちょっとした昔の話を思い出してしまったが、今はそれどころじゃなかったな。


 使命感を思い出した俺は、ふてくされてるマーリンにもう1度立ち直ってもらうために声をかけた。


『おいマーリン』


『……』


 俺の呼びかけに僅かながら動いたものの、返事をする気もなければ、身体をこちらに向ける気配もない。


 それなら、もう少し優しく話しかけるか。


『マーリンさん?』


『……』


 若干腕がピクッと動いていたが、それでも返事をすることも振り向くことも無かった。


 これでもダメか……それなら……。


『スーパーウルトラ美少女マーリンちゃん』


 これならどうだ。スーパーウルトラ美少女という最高の賛辞を送りつけてやった。


 自画自賛を極めてそうな奴だから、かなり効果はあるだろう。さあさっさと授業を再開してくれや。


『……足りない』


『え?』


『そこはスーパーハイパーウルトラ超絶美少女マーリン様でしょ!!!!!!!』


『???????????』


 こいつは何を言ってるんだ?????????


 あまりにも理解できなかったので、俺もパーシヴァルも何も言えずに啞然としてしまった。


 もういいから早く授業しろよ。そう言いたくてしょうがなかったが、それすら言う気も失せてしまった。


『……』


 シーーーーーーーンと空気が凍りついた。


 当然だ。こちらは何も言えないのだから。


 マーリンも『え、なにこの空気』と言いたげにこちらに目線を送ってくる。てめえのせいだろうが。


『はぁ……』


 めんどくさいからこのまま放っておきたいところだが、この空気は陰キャの俺にはキツすぎる。


 話題でも変えれば、この空気を換気できるのでは?


 そう思った俺は他に何か話すことはないかと脳内にある話題の貯蔵を漁ってみる。


 ちなみに話題の貯蔵を作ったのはこの世界に来てから人と話すことが多くなったからだ。


 まさか陰キャの俺が陽キャみたいに人と話すことが多くなるとは思わなかったからな。


 そう考えると案外俺って元々明るい性格なのかもな。



 ――よし、これだ。


 俺は1つの話題(ぶき)を掴み、この地獄のような空気をぶち壊す。


 これがどんな展開になるか分からないが、少なくとも反応はしてくれるはずだ。


 ……ただこの話をするのは罪悪感がある。


 いくらマーリンがアレな奴でも一応()()だからな。もしかしたら引くかもしれない。


 でも……仕方ない。仕方がないんだ。


 だってそうじゃなきゃ話が進まない。


 マーリンの1万年前の話を聞かなければ思わぬところで詰むかもしれないんだ。


 悪く思うなよマーリン――


『マーリン』


『……なに』


 俺は今から紳士として最低な質問をする。


 その自覚はある。


 恨まれてもいい。


 先に進めるなら――


 ブロンズちゃん達に、また逢えるなら――


『あのさ……今どんなパ――』


『今日は白だよ』


 マーリンは何の恥ずかしげもなく、スカートをたくしあげ、大事な部分を纏っている白い布が顕になった。


『いや何の躊躇もなくめくるなああああああ!!!』


 俺はマーリンに『今どんなパンツ履いてるの?』と聞こうとした。


 だがマーリンはいじけながらも俺の心を読んだのか、まるで未来を見たように先に自らスカートをめくった。


 大抵の人なら、恥じらって見せなかったり、ゴミを見るような目で罵られたりするはずなのに、マーリンときたら……。


『主人、何でそんなに声を荒げる? たかがパンツじゃないか。そんなに見たいなら私のも見せてやる』


 パンツはただの布だと言っているパーシヴァルは淡々と身に纏う重苦しい鎧を脱ぎ捨て、色気のない下着を堂々と見せつけてきた。


『うわっ! いきなり脱ぐな!』


『え、なぜだ?』


『なぜって……』


 そこで真顔で疑問を抱いている時点でパーシヴァルも恥じらいが無いんだな。


 かくいう俺も男だからなのか、あまりそういう恥じらいが無いから分からないのは一緒だが……。


 まあ人によるのかな、そこは。


『ま、まあいい。パンツの話は終わりだ。それよりも1万年前の話をしてくれマーリン』


『え、もうパンツ見なくていいの?』


『もういいよ……』


 相手は気にしてないとはいえ、さすがにこれ以上パンツをガン見するのは……罪悪感が強い。


 そもそも俺はただ気まずくなった空気を壊したかったから、女性なら反応せざるをえないゲスな質問をしただけなのに……。


 俺はどっかの赤い髪の変態と違って、セクハラして困らせようとかは考えてない。断じて! (過去のゲスな行いに目を逸らしながら)


『うーん、じゃあ私のパンツがダメならブロンズちゃんのパンツは?』


『もういいって言ってんだろうが』


『持ってこようか?』


『持ってこんでいい』


『分かった持ってくるね!』


 聞く耳を持たないマーリンはそう言い残して、瞬間移動をしたみたいに一瞬にして姿を消した。


『おい人の話を――ってもういなくなってる……』


 まさか本当にブロンズ様のパンツを持ってくる気か……?


 いやいや、そもそもどうやって持って来るんだよ……ここ俺の精神世界なんだろ?


 本当に持ってくるわけがない。これはマーリンの冗談(ドッキリ)だ。


 きっと俺がパンツ大好きの変態で周りに浸透していたから、からかっているだけに違いない。


 マーリンならやりかねないし、ありえない話ではない。


 ――本気でそう思っていたのだが、その数分後、マーリンは満面の笑みをしながら、本当にブロンズ様の下着と思われる布を持ってきた。


 しかもそのパンツは……年端のいかない少女が履くものにしてはすごく大人びており、どうやらこれがブロンズ様の勝負下着というやつのようだ。


 なんだか申し訳ない気持ちになった。


第284話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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