第267話『マーリンの行方』
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事件についてマーリンにも話しを聞きに、マーリンが居ると思われる奥の廊下の空き部屋に行くこととなった。しかし、あまりに大勢で行くのも効率が悪いということで代表して5人でマーリンを探しに行くということで話しが纏まった。
そのメンバーだが、まずこの魔王城の事を1番よく知っている魔王と、マーリンをよく知る者としてルキウス。あとは適当にアミ、アリス、ケイデスがマーリン捜索隊に編成された。
捜索隊と言っても、外に出れない以上マーリンがこの魔王城のどこかにいるのはほぼ確実なので、本気の隠れんぼでもしない限り見つけるまでそれほど時間はかからないだろう。
しかもマーリンが行きそうな所はある程度絞れているので尚更だ。
『ここだよ。ここから先が儂ら魔王城の住者ですらほとんど足を踏み入れなかった廊下だ……そしてダスト君が刺された場所でもある』
マーリン捜索隊はまるでホラー映画のような何か出そうな奥の廊下へたどり着いた。
『ここ暗いな。電気とかつけないのか?』
暗くて気味が悪いだけではなく足元もよく見えなくて、何かにつまずいて転倒する危険性も誰もが見てわかるので、そう思うのも無理はない。
『それも考えたんだけど、ここあんまり来ないし、なによりめんどくさくてね』
『まあ確かに、同じ建物内なのにここまで少し歩いたよな』
先程みんなが集められた食堂からここまで徒歩10分程だ。魔王城はとにかく広いのでそこまでかかってしまうのも珍しくはない。
『とはいえこのままじゃ危ないから、儂が電灯代わりの光魔法を用意しよう』
魔王の光魔法で廊下中が照らされた。これで足元の安全は保証された。
『ありがとうございます。マーブルさん』
『あ、明るくなったね』
『アミさんの美しいお顔もよく見えます〜』
『もう、こんな時にふざけないの。今は緊急事態なんだから空気読もう?』
『あ、はーい』
『それじゃ行くよ』
先導する魔王に4人は黙ってついていった。
『あ、こことこことここだよ空き部屋』
魔王は手前のドアから順番に指を指していった。
奥の廊下の空き部屋は3つ。どのドアも特に変わりなく、ごく普通の茶色いドアだ。
『この3つの部屋のどこかにマーリンがいるかもしれないのですね』
『でも人の気配がないな』
『確かに……でもマーリンさんなら魔法で気配消せるよね』
『あと幻覚魔法も使えますね。マーリンが本気で隠れようと思えば魔力切れになるまでずっと見つけられないでしょう』
『じゃあ無理じゃね?』
『あ、それは大丈夫です。私なら幻覚を破ることができるので!』
アリスは、アミさんに良いところを見せようとそう言ってドヤ顔になった。
『アリスちゃんすごいね!』
『えへへ〜もっと褒めて下さい〜』
『うん、あとで思う存分褒めてあげるから、やって』
『はい!』
アリスは意気揚々と幻覚破りの結界を張った。そうすれば既にかけられてある幻覚魔法もこれから発動する幻覚魔法も全て無効化される。
この場合は、もしマーリンがドアの奥に幻覚魔法を使っていて自分の姿を捉えられないようにしたとしても、幻覚破りの結界の効果を発動した瞬間、マーリンの姿が顕になり、ドア越しでもすぐに気配を察知することができるのだ。
マーリンよ、もう逃げても無駄だ。君は完全に包囲されている。と言えるような立場になったとこの場にいる誰もがそう思った。
しかし――
『あれ? 何も変わりませんね……?』
幻覚破りの結界は正しく作動しているはずだが、マーリンの気配を察知できなかった。ということは奥の廊下の空き部屋にはいなかったということだ。
『どういうことだ? マーリンさんはここにいるんじゃなかったのか?』
『実は既に自室に戻ってる可能性はない?』
『うーん、でもそれなら食堂を出たあとから気配がすると思うんだけどな……』
『それなら一体どこにいるんだ? まさか外なわけねえよな?』
『でもマーリンさんなら、好奇心で外に出てそう……』
『いえ、マーリンはああいう人ですが、こんな状況で外に出るほど愚かではありません』
『うーん、じゃあマーリンはどこに……?』
『『『『『………………』』』』』
5人共、いくら考えても答えは出ずに沈黙してしまった。
『……もう考えてもしょうがないから一旦戻ろうか』
『そうだな……』
マーリンが見つからないどころか手がかりすら掴めなかった一同は、諦めてみんなが待っている食堂に戻ることにした。
こうしてマーリン捜索隊は解散した。
その後、食堂にて――
『そうか……マーリン姉ちゃんはいなかったか……』
『マーリンってあのなんか胡散臭そうな女でしょ? やっぱそいつがダスト君を殺した犯人なんじゃないの?』
『だからルキウスさんはマーリンはやってないって言ってただろ?』
『それはルキウスの感想でしょ? だってあの女と四六時中一緒に住んでたってわけでもないんでしょ? なら分からないじゃない。あの女は実はダスト君を殺したくて機会を伺ってたんじゃないの?』
水の女神はマーリンを疑いはじめた。マーリンに助けられた者やマーリンをよく知る者からしたら水の女神の言い分に反論したくなるが、間違ったことは言ってないので誰も言い返せなかった。
『そもそも何でアナウンスしたにも関わらずここに来ないのよ。犯人でも無い限りありえないわ』
『でも来ないなら怪しまれるから逆に犯人じゃないかもしれないだろ』
霧の女神がそう反論した。……反論した理由は単に水の女神が嫌いだからだろう。もちろん霧の女神も水の女神が間違ってないことは分かっているが、何か腹立つ! とでも思っているのだろう。
『はぁ? あなた何言ってるのよ? 捕まりたくないから逃げ回ってるんじゃない』
『そうと決まったわけじゃないのに何で分かるんだよ? あ、さてはお前が犯人なんだろ?』
『なんですって?』
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