表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
273/726

第264話『次の行き先』

お待たせしました。

第264話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 あれから俺はこの謎ループを回避するために様々な方法を試した。例えばエレックをであいがしらに殺してみたり、握手される前に娯楽施設に連れて行ってから殺し合ったり、そもそもエレックと会わずに避けてみたりしたが見つかってしまい、またしても殺し合いに発展してしまったり、そのどれも結局最終的にはループしてしまう。


 こんな感じで、俺はもう何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も同じ時間を過ごしている。


『おや、あなたは……ダストさんですね!』


 もう聞き飽きた言葉を俺は一体あと何回耳に入れればいいんだ?


『ダストさん? どうかされ――』


『うるせえ』


 度重なるループに頭がおかしくなりそうな俺は反射的に、ついエレックの首を落としてしまった。


 エレックの首が転がる光景ももう見飽きた。もはや感想も出てこない。強いて言うなら、俺の剣の太刀筋が良くなってることくらいか?


 いや、そんなことはどうでもいい。それよりもどうやればこのループを脱する事ができるかを考えないと……。


 今、1つだけ分かるのは、これまでループしてきたそのどれもがエレックを殺してからループが起きていること。


 つまり、エレックを殺さなければループをしないということだ。


 それならばエレックに会わなければいい……のだが、どんなにエレックに会わないように避けてみても、どれも結局、別の場所で必ず会ってしまう。


 まさかだと思うが、誰かが俺とエレックを意図的に会わせようとしているのか?


 それを含めて確かめるため、俺はまたエレックと会わない方法を取った。


『――おっと、今ループしたな』


 さて、エレックに出くわす前に俺は別の場所へ逃げるとするか。


 俺はエレックが来る方向とは逆の方へ走り去った。


 思えば娯楽施設から向こう側へ行くのは初めてだ。なぜか電灯もないし、まるでお化け屋敷のように暗く気味が悪かったから絶対近寄らないようにしていたからな。


 やっぱりこの辺は誰もいないようだ。ただ空き部屋はあって、それ以外には何もない。


 怖いけど、とにかく奥へ逃げよう。もうループするのは嫌だ。


 俺は明かりが一切ない中、恐怖を押し殺して先へ進んだ。


『ここまで来れば大丈夫だろう。まさかエレックもこんなところまでは来な――』


 と思っていると、誰かの気配を感じた。足音もだんだんと大きくなってきているので、誰かがこっちに向かって来ているようだ。


 まさかエレックの奴、ここまで来るのか!?


 なんでそんなに俺に会いたいのかね……もしかして俺のストーカーですか?


 くっ……また『おや、あなたは……ダストさんですね!』を聞くしかないのか。そろそろゲシュタルト崩壊するぞ、この文章。


 ……仕方ない。今回は諦めてまたエレック殺して、次のループ先で違う方法探してみるか。


 俺はストレスによる頭痛に苛まれながら、エレックであろう人物をここで待った。


 しかし、この場に来たのは――


『あれ、どうしてここに……?』


 俺の前に現れたのはエレックではなかった。


 エレックではないその人物は、どうやら俺を探していたらしい。


『ああ、そうなんだ。で、何で俺を?』


 俺がそう聞くと、その人は懐から刃物を取り出してきた。


『なぜ急にそんなものを取り出したんだ? まるで今から俺を殺すつもりみたいじゃないか』


 俺は冗談のつもりでそう言った。


 だが、その人の目は真剣そのもので、溢れんばかりの殺気を醸し出した。


『おいおい、冗談だろ……?』


 俺はこの人の事を今まで仲間だと思っていた。しかし残念ながら、その人は今ここで俺を殺すつもりのようだ。


 なんでだよ……。


 俺を殺す理由を聞いてみると、世界がこうなった以上、もうこうするしか無いと答えた。


 意味が分からなかった。なぜ世界がゼウスによって破壊されかけていると、俺を殺す必要があるのか。


 そう聞いてみても、これ以上詳しいことは答えてくれなかった。


 もう何を言ってもこの人には届かない。多分命乞いをしても聞き入れてもらえないだろうな。


『……』


 その人は一歩一歩、俺に近づいていく。


 逃げたいところだが、もう奥まで来てしまっているので、これ以上は逃げられない。


 だが一応他にも逃げる方法はあって、例えば透明魔法を使ったり、光魔法で目眩ましをして相手の視力を奪ったりとやり方はいくらでもある。


 ――はずだった。


 突然、狙ったかのようなタイミングで、なぜか身体が重りでもつけているみたいに重くなってきた。歩くことはおろか、立ち上がることすら困難なくらいに。


 なら魔法で――と思ったが、これもなぜか発動することができなくなっていた。身体を透明にすることも目眩ましすることも反撃することもできない。


 俺にできることはもう何もない。


 このまま大人しく死を受け入れるしかない。


『く……くそぉ……!』


 そして、その人は刃物を振りかざし、いよいよ俺の胸を刺すつもりでいる。


 くっ……万事休すか……!


 ちょうど走馬灯が頭の中を駆け巡ろうとしていたその時、その人は、俺を殺す前に優しい表情でとんでもない事を言い出した。


『は……? それってどういう――』


 どういう意味だと聞く前に、刃物は俺の心臓に穴を開けた。



 ――はい、俺は死にました。


 俺がいくらダスト化が進んで、チートに近い能力を手に入れても、心臓を貫かれてしまえば一巻の終わりだ。


 未来予知魔法でもここまでは予測できなかった。


 そういえば、今回は未来予知魔法自体は発動できたが、あまり機能してなかったような気がする。さっき俺が死ぬ直前に魔法が全く使えない状態になっていたから、おそらく誰かが俺に徐々に魔法を使えなくなるような細工をしたのだろう。


 ちくしょう……やられたぜ。


 はぁ……さて、死んだ俺が次に行くところと言えば……。


 正義教団の秘密の部屋に居た時はケールさんに殺されて神様の所に行って、突如消失した魔王を探すために火の国の盗賊団のアジトに潜入した時に出くわした火の女神の姿をしたあおいちゃん……いやあおいちゃんの中に住む悪魔に殺された時は、あの真っ白な空間に行ったんだよな。


 今回もそんな感じで、人類が普通の方法では絶対に行けないような所に行くものだと思っていたが、さっき俺を殺したその人が言うには――


 今から()()()()()()()()、俺は行くことになると――


第264話を見て下さり、ありがとうございます。

これで4章は終了です。

え? ルシウスとの決着がついてなくて中途半端ですって?

おっしゃる通りです。この章は中途半端に終わるのです。

思えばこの物語自体も色々と中途半端です。

もしかしたら見ててモヤモヤする方もいるかと思います。

しかし、次の章では中途半端には終わりません。

むしろ全ての決着が着きます。これまでの伏線もどんどん回収していきます。

そこでやっと物語の区切りが着くでしょう(都合により、予定が多少変わるかもしれませんが)。

それ以前に色々とツッコみたい所もあるかもしれませんが、皆様、どうか最後までお付き合い頂けると幸いです。


次回ですが、ダストの新たな旅の話しを始める前に、今回の話しでダストを刃物で突き刺した犯人を探し当てるという、推理もののような話しを書く予定です。


長くなってしまって、申し訳ございません。


ここまで読んで下さり、ありがとうございます。


次回も宜しくお願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ