第251話『赤髪ちゃんVSランスロット②』
遅くなってしまい、申し訳ございません。
お待たせしました。
第251話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
壊れた歯車を発動したランスロットは闇のオーラを纏わせ、見る見る内に巨大な白い狼へと姿を変貌させていった。
ワァォーン! と獣らしく雄叫びを上げると、人間の言葉でこう話した。
『コノチカラハセカイスラハカイスル! フハハハハハハハハハ!!! コレデキサマハオワリダ!』
ランスロットは再び天に向かって高らかに吠えた。
すると、闇のオーラが渦巻くようにランスロットを囲い、それに反応するように身体が黒く染まり、毛先が逆立つ。
なんだこのモンスターは……? あれがランスロットなのか? 人間がモンスターに変身する事自体は珍しくないが、あれはその辺のモンスターとは格が違う。異常なまでの威圧感と不気味な何かを感じる。
それに……なぜだろう? 今のランスロットを見てると、なんだか心がざわざわする。この聖剣を近くで感じた時と似たような感覚だ。
いずれにせよ、こんな化物を放置すれば大変な事になる。
ダスト様やブロンズさんに危害が加わる前に、早急に始末しなければ……。
私はランスロットに聖剣を向け、早急に始末しようと走り出したその時――
『オソイ』
『!?』
気づいたらランスロットが目の前に居て、爪を立てていた。
な……いつの間に……ダメだ、避けきれない。
『くっ……!』
だが私はとっさに聖剣でガードした。
なんとか攻撃を受けずに済んだが、ランスロットの力が強すぎて、聖剣ごとふっ飛ばされてしまった。
『うっ!』
私はとっさに聖剣で床を突き刺し、急ブレーキをかけるように床を斬ることで、壁に激突という2次被害を防いだ。
『はぁ……はぁ……』
とはいえ、さっきのランスロットのデタラメすぎる速さに、攻撃を受け止めただけで身体中が弾け飛びそうなくらいの異常なパワー……まともに受ければただじゃ済まない。私でも多分一撃で死ぬかもしれない。
さっきまでのランスロットも、人の力を超えた化物だったが、今は魔王様や女神をも超えてるかもしれない。いや多分そうだ。
『オソイ』
『しまっ――』
またしてもランスロットは目にも止まらぬ速さで私の目の前に飛び込み、その鋭い爪をこちらに向けた。
さっきよりも不意をつかれてしまったので、これは死んだと頭の中では諦めていたが、身体が諦めていなかった。気づいたら右手が勝手に動いており、ランスロットの攻撃をなんとか聖剣で防いだ。
『くっ……!』
今度はふっ飛ばされずに床に軽く叩きつけられるだけで済んだ。
『いてっ』
聖剣を握ろうとすると、痛みで腕が悲鳴を上げた。聖剣を受け止めた時に、ランスロットのパワーが聖剣越しに伝わたったからか。実はそれだけでも腕が破裂しそうな程の衝撃が襲ってきたのだ。
本当になんというパワーだ。これが壊れた歯車の力だと言うのか……?
私自身も壊れた歯車を持っている者だが、今のランスロットのような力の使い方を知らない。
魔王様から、これは禁忌の力だから無闇に使うなだとか、謎の声に耳を傾けるなとか色々言われてきた。
その時の私は、とにかく危険なものなんだなと忠告通り、この力には触れないようにしてきた。
ああそうだ。確かにこの力は危険だ。
世に出してはいけない。人が持つには大きすぎる力だ。
それを今、私は相手にしている。
『……』
今の私に勝てるのか……?
この聖剣なら倒せるのか?
――なんて考えても仕方ありません。
私の役目はダスト様とブロンズさん達を守ること。
弱気になってる場合じゃない。
なんとかランスロットを倒さなければ……。
今の私の力なら……きっと――
『オソイ』
ランスロットはまたしても私の目の前に急に現れては、殺意を爪に乗せていた。
『チョコマカト……コンドコソオワリダ!』
ランスロットはきっと、攻撃が通らなくてもまたさっきと同じように吹き飛ばしてやると思っているのだろう。
同じ手が通用すると思うなよ。
実は私はランスロットの攻撃パターンを把握し、ランスロットが次に立つであろう位置を予測していた。そこに剣筋を入れることで、まるで少し先の未来を読んでいたかのように聖剣を振れば、ランスロットの意表をつくことができる。
『ナニ!?』
刃は既にランスロットの首筋のすぐそこにある。さすがのランスロットも避けきれないだろう。
そして、ランスロットの首に刃が入った。
これでランスロットの首は飛んで、決着が着くと思っていた。
しかしランスロットはその前に鼓膜が破けそうな大きな雄叫びを上げ、私は思わず耳を塞いでしまい、聖剣を振るのをやめてしまった。
ランスロットはその隙に、私の聖剣を持っていた方の腕を噛んできた。
『あああああああああああああああ!!!』
牙の1つ1つが私の皮膚に食い込んで、力を奪っていく。
『う……あ……』
聖剣も落としてしまったので、振り払うこともできない。
なので魔法でどうにかしようと思って炎魔法や雷魔法をランスロットの目に直接ブチ込んだ。
しかし、魔法はまるで何もなかったかのようにかき消され、無論ランスロットにはノーダメージだった。
『魔法無効結界……ですか…………』
それならばと、私はもう片方の手で殴ったり、蹴りを入れたが、ランスロットの皮膚が硬すぎて効いてる気がしない。
このままじゃ……くっ……どうすれば……?
『あ…………あ………………』
意識が遠のいていく……。
もはや為す術もない……。
『……』
こうなったら……最後の……手段を……。
――壊れた歯車を発動しますか?――
第251話を見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
次回も宜しくお願い致します。




