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第241話『家族のために』

体調不良により、更新が遅れました。

申し訳ございませんでした。


第241話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。

 ゴールドちゃん達が敵に倒されたところをモニターで見た時、案の定、ブロンズ様は泣いていた。まあゴールドちゃん達は戦死したわけではないので、すぐに前向きに立ち直れはしたが、とはいえ敵に捕らわれてしまった事には変わりない。ただでさえ心労が激しいのに、これ以上何か起きたらブロンズ様の心がもたないだろう。俺もだけど。


 心配事が減らないどころか増えるとかホント勘弁してほしいぜ……。


 それにしても……さっきのゴールドちゃん達と敵との戦い、何か不自然だったな。戦ってるっていうよりは捕まえようとしてたし。あれだけの力の差があっても、相手を傷つけないようにしていたのはなぜだ? そこだけがどうも引っかかる。


 ……まさかだとは思うが……もしかして……相手はシルバーちゃん……? 一緒に王妃室に連れてかれたアリスも敵チームにいたし、ありえない話ではない……いや、でもシルバーちゃんがあれだけの力を持っているとは思えないが……。


 うーん、あまり考えたくはないが……そうか、ネヴィアが何かしたってことか。こんなゲームを考えたネヴィアならそれくらいやりそうだ。


 うーむ、だとすると、やはりネヴィアは厄介だ。


 あいつのせいで、被害者が増える一方だ。早急に抑える必要がある。


 だが俺達はこの迷い霧のせいで、運営側のネヴィアの所まで行けない。


 逆に今、ネヴィアを叩けるのは、参加者ではない水の女神とケールさんの分身体だけ。非常にもどかしいが、ネヴィアの打倒は、その2人に任せるしかない。


 俺達は俺達で、今できることをやろう。できないことをやれなくて嘆いていても何も始まらないからな。


『ん?』


 歩いている最中だったが、何やら少し遠くで泣き声が聞こえた気がした。


 というかこの泣き声って……どこかで聞いたことあるな……もしかして……?


『シルバー姉! シルバー姉の泣き声よこれ!』


 これまでの人生でシルバーちゃんの泣き声を隣でよく聞いていたであろうブロンズ様がそう言った。


 でも今のシルバーちゃんは敵チームである可能性がある……と躊躇している間にブロンズ様は疲れているにも関わらず、俺達を置いていく勢いで走っていった。


『あ、ちょっと待てブロンズ!』


『仕方がない、行くか』


 ブロンズ様を1人にするわけにはいかないので、俺達もブロンズ様の後を追うように走った。


 すると、そこにいたのは――


『シルバー姉! ……え?』


『あれは……!』


 まず泣き声の正体はシルバーちゃんで間違いなかった。しかしシルバーちゃんの隣には、敵チームのイケメンだか美女か分からんがランスロットらしき奴と、もう1人フードを被った奴がいた。


『なんてこった……』


 まさかこのタイミングでシルバーちゃんだけではなく、ランスロット達とまで会うことになるとは……。


 シルバーちゃんも、読み通り、敵チーム側にいるようなので、フード被っている奴と同様、敵チームの?枠で間違いないだろうな。


 今のこの戦力で勝てるのか……? ケールさんが本腰入れて戦闘に臨んでくれるのなら勝機は十分あったんだろうけど……。


 俺は期待を持ちながらケールさんの方を向いた。


 ん?


 ケールさんはなぜかフードを被った奴の方を少し睨みつけていた。普段、表情を変えないケールさんがそんな顔をするなんて珍しい。もしかして知り合いか?


『まさか正義(わたしたち)が出会ったあとに、(てきども)がこうも一気にゾロゾロとやってくるとはな……もっと早く会えなかったものかね、私は正直もう疲れたよ』


 ランスロットはそう愚痴をこぼした。これから戦おうとする者の態度とは思えないが、このゲームに疲れたという点においては同意見だ。


『シルバー姉……? ねえ何でそっちにいるの……?』


 ブロンズ様はそうシルバーちゃんに問い詰めようとしてるが、シルバーちゃんがそっち側にいて俺達と対面している時点でシルバーちゃんが敵チームだってことは、もう察しているのだろう。


『ごめんね、ブロンズちゃん……私……私……』


 シルバーちゃんは涙をポロポロと流しながら、申し訳なさそうにブロンズ様に謝った。敵チームでごめんねと。


 でもあのシルバーちゃん……いつもと何か違う気がする……シルバーちゃん本人なのは間違いないはずだが……何か違うような……?


『シルバー姉……』


 シルバーちゃんの心を読んで事情を知ったであろうブロンズ様は拳を握りながら涙を流した。


『ブロンズ様』


『うん、シルバー姉もネヴィアに操られてるみたい』


 ブロンズ様は俺にそう耳打ちをした。


『おい(きさま)、今、王妃様を呼び捨てにしたか?』


 ランスロットは剣をブロンズ様に向けながらそう聞いてきた。こそこそと喋ったはずなのに、なんという地獄耳。


『え?』


 ブロンズ様が呆気にとられたその刹那、ランスロットは目にも止まらぬ速さでブロンズ様の喉元に剣つきかけた……が、そうなる前に誰かがその剣を素手で掴んだ。


 その誰かとは――


『パパ!』


『ブロンズ、待たせたな』


 ヒーローは遅れてやってくると言わんばかりにブラックが現れた。


『ブラック! 貴様! なぜ正義(われわれ)を裏切った!』


 憤るランスロットはブラックにそう問い詰めた。それに対してブラックは冷静にこう返した。


『守るべきものが(ここ)にいるからだ』


『パパ……』


 ブラックのその返答にブロンズ様は感涙した。


『守るべきものだと……! 正義(われわれ)の守るべきものは……正義(このくに)だろ!!!』


 更に憤るランスロットが再び剣を振るおうとするが、今度はブラックと共に行動していたプラチナの見たことがない綺麗な剣がランスロットの剣の勢いを止める。


『なっ……!?』


『ママ……!』


 この時のプラチナは、あの娘に甘々で色々とうるさかった母親とは思えないほど凛々しい顔をしている。


『くっ……貴様もか……プラチナ!!!』


『ランスロット……私の家族に手を出すな!』



第241話を見て下さり、ありがとうございます。

今、季節の変わり目なのか体調が不安定になってきたので、もしかしたら次回も更新が遅れる可能性があります。

またお待たせしてしまうかもしれませんが、ご了承下さい。宜しくお願い致します。

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