第237話『ゲーム再開』
お待たせしました。
第237話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
どうやらケールさんが放ったあの弾丸に、自分の分身に変身する魔法をかけたらしい。普通に分身することもできるが、それだとネヴィアに筒抜けでは? と思い、わざわざ手間をかけて弾丸を放ったようだ。
その分身には通信機能も搭載されており、分身の所在地や身近で起きている出来事を本体と共有することができる。
――それで水の女神だが、どうやら無事に保護できたようだ。
だが、そこに居たのは水の女神だけで他の皆は未だ檻の中だそうだ。やはり特別な檻って言うくらいなので、簡単には抜け出せないようだ。
じゃあなぜ水の女神だけが檻の外にいるのかと言うと、現状、抜け出せるのは水の女神だけだからだ。
具体的に説明すると、その檻には特殊な結界魔法がかけられており、物理も魔法も効かない。しかし結界そのものを解けばただの檻になるのだが、その特殊な結界魔法の場合は解くには少なくとも女神級の魔力を持った者3名が居なければ解けないという極めて難易度の高い結界の上に、解いても1秒ほどで、また結界は張り直されるようだ。
つまり、その檻から抜け出せるのはたった1人。
水の女神が選ばれたのは、いざ敵に出くわした時に必須な戦闘能力が高いのが大きい。確かに現在捕まってるメンバーの中で1番強いのは恐らく水の女神だろう。霧の女神と幻の女神も一緒の檻にいるらしいが戦闘向きではないし、霧の女神に至ってはネヴィアに無理やり霧魔法を使わされたせいで、魔力が相当減って、かなり疲弊しているようだ。
檻の外に出た水の女神は、ネヴィアに不意をついて人質に取ったつもりだったが、そこにいたネヴィアは残念ながら分身で、逆に返り討ちにされ、そこにケールさんの分身が現れて、なんとか保護された……というわけだ。
で、これから水の女神の方はケールさんの分身と共にネヴィアの本体を探し出すつもりのようだ。
フラン達が収監されている特別な檻を破壊するのは、ケールさんでも難しいようなので、ネヴィアに檻の解錠方法を吐いてもらうしかないようだ。
水の女神、ケールさん(分身)、そっちは任せましたよ。
さて、俺達は俺達で――
――はい、それでは皆様。お待たせ致しました。これよりゲームを再開致します!――
『結局始まってしまったか……』
水の女神を責めるわけじゃないが、こんなクソみたいなゲームがやっと終わると期待させといてまた始まってしまうのだ。どうしてもガッカリ感が拭えない。
――皆様、もう十分休憩されたと思われますが、準備はよろしいでしょうか? では12ターン目スタートです!――
ろくでもないゲームが再び動き出した。
とはいえ、俺達のやることは変わらない。
早く皆と合流しなければ……。
『……みんな、行こう!』
『……うん』
『了解だ、ご主人』
『お〜』
しかし、12ターン目も何も起きずに終了し、13ターン目に移行した。
しかし、13ターン目も何も起きなかった。14ターン目……俺達は何も起きなかったが、どうやらプラチナとブラックが運良く出会えたようだ。俺達も早く合流しなきゃな。
15ターン目、何も起こらず。
16ターン目、何も起こらず。
17ターン目、何も起こらず。
18ターン目、休みなく歩き続けていたせいか、ブロンズ様の足がふらつき始めた。
このままだとぶっ倒れるのも時間の問題なので、俺が背負うことになった。ブロンズ様は俺に背負って欲しそうだったので。
だが俺自身もそろそろ体力がなくなりそうだ……。
だけど、このままブロンズ様の肌を背中で感じていたいので、まだまだ頑張ります!
『根性おおおおおおおおおおおおお!!!』
『熱い……熱いぞご主人!』
『暑苦しいね〜、本当の意味でブロンズちゃんの熱上がっちゃいそうだよ〜』
――――
19ターン目。
俺のカスみたいな体力は底をつき、俺は背負っていたブロンズ様と共に地面に伏した。
やはり俺に根性なんてものは無かった。
そりゃそうだ。俺は元々ただの運動不足気味の陰キャだ。漫画じゃあるまいし……そんな俺が突然、都合よく体力が上がるわけがない。
『大丈夫か? ご主人』
『大丈夫……じゃないです……ぐえっ……』
身体が動かない。魔法を使って俺の身体を動かす事はできるけど、ここは魔力を温存しておきたいところ。出来れば魔法は使わずに移動したい……したいけど……。
『仕方ないね〜、私はダスト君を背負うから、パーちゃんはブロンズちゃんをお願い〜』
パーちゃん? パーシヴァルのことか。
『了解しました、ケール殿』
こうしてケールさんの指示通りに、俺はケールさんに、ブロンズ様はパーシヴァルに背負われる事となった。
うぅ、なんて情けない……男として採点するなら間違いなく0を下回って、もはやマイナスだろう。
『ダスト君はもっと体力をつけた方がいいね〜』
『うぅ……おっしゃる通りです……』
俺はまたしても後悔した。なぜ学校の体育の授業にもっと真剣に取り組まなかったのか……。
それにしても、ケールさん良い匂いだな。俺の鼻腔を通り越して脳みそが幸せだ。それにケールさんの身体……やわらかいし暖かい……ああダメだ、なんか変な気分になりそうだ。
なんて考えていると、ブロンズ様が俺を睨みつけて……こないか、流石に。
ブロンズ様は今、パーシヴァルに身体を委ねて夢の世界へダイブしている。寝顔可愛い。
本当はしっかりしなきゃいけないのに、幸せな気分だ。
俺はそのまま再び夢の世界へダイブしかけたその瞬間――
『ダスト君! ブロンズちゃん! 起きて!』
『ん?』
『この先に誰かいる……』
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皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
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