第233話『密話』
お待たせしました。
第233話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
パーシヴァルとの密話が終わったあと、ふと参加者メンバーが記された石版を見てみると、内容が変更されている事に気がついたので確認してみた。
――――
《現在のメンバー》
※グループ行動してる者は()の中にアルファベットがつけられる。
正義教団チーム 反逆者チーム
ルシウス・ペンドラゴン ダスト(A)
ランスロット ケール(A)
エレック ゴールド(B)
葛木龍騎 ブロンズ(A)
??? ブラック
??? プラチナ
レッド(B)
ガレス
アミ(B)
???
パーシヴァル(A)
脱落者
※()は敗因が記されている。
ガウェイン(戦死)
ケイ(棄権)
アリス(棄権)
ケイデス(失神)
みどり(失神)
――――
今のところはこんな感じか……。
人数で言えばこちらの方が優勢だが、正義教団チームは1人1人が強い。
その中でも特にルシウスとランスロットは異常な強さを持っている。出会えばただじゃ済まない。
それだけじゃない。正義教団チームにはまだ?枠が2人もいるし、エレックという奴の強さも未知数だ。ルシウスとランスロット程じゃないにせよ警戒をしておく必要がある。
だからその前に味方チーム全員と合流できれば1番だが……それは理想論だ。そうなる前に俺ら以外の全員がやられても不思議じゃない。
今のところ俺らのチームメンバーにはないが、最悪ガウェインのように戦死する可能性すらある……。
『……』
はぁ……心配事が絶えないな……。
今更、生きて帰れるか不安になってきた……。
『はぁ……』
俺は1人ため息をつく。
1人と言っても、すぐ近くにブロンズ様とケールさんとパーシヴァルで男子禁制の結界付きの女子会を開いているがな。
さっき俺とパーシヴァルが密話をしたあてつけだろうか、ブロンズ様がずっと俺を睨みつけながら女子会の主催を申し出て、今、俺は蚊帳の外というわけだ。
ブロンズ様もなかなか嫉妬深い娘だからな……根は優しいんだけどね……。
『……』
暇だな。
話し相手もいないし、魔法でこのゲームのステージを探ろうにも、慧眼魔法や探知魔法もこの霧の中じゃ使えないし、かと言って未来予知魔法なんて使ったら、あの黒い甲冑の騎士が魔法干渉してやってきそうで怖いし……。
いっそネヴィアの言いつけを破って、その辺を探検してくるか?
いや、やめておいた方がいいか。ルールを破った場合の処置はネヴィアは特に話してはいなかったが、何をされるのかさっぱり分からない。
おとなしくここで待つか。
……というか寝るか。
こんな時にぐっすり眠れるほど緊張感がないわけではないが、このまま何もしないよりはいい。体力だけじゃなく頭も回復させよう。うん、そうしよう。
そうと決まれば、俺は創生魔法で寝袋を創り、その寝袋の中で目を瞑った。
『おやすみ』
その様子をブロンズ様達は見ていたが、特に何もしなかった。
……まあブロンズ様は頬を膨らませていたようだが。
あぁ……思ったよりも寝心地がいいな……スヤァ……。
――――
『あれ?』
ここは……?
さっきまで俺は霧の中に居たはずだ。ということはここは夢の中か……。
あの後、俺は結局眠ることができたのか……案外、俺も能天気なんだな……。
で、夢の中と言えば、定番の暗闇とか“ダストの記憶”の一部を見せられたりするのだが……今回はそのどれでもない。
そして今居るこの場所は、学ぶ歳以上の地球人であれば、誰もが見たことある風景だ。
『なんで俺、学校で椅子に座ってるんだ?』
学校は学校でも、ここはダストが通っていた学校でもなければ、俺の通っていた学校でもない。本当に全く知らない学校だ。
けれど俺以外に人の姿がない。夜の学校かよってくらい不気味な静けさが学校を支配している。しかし外は見る限り、真っ昼間だ。にも関わらずここまで静寂なのも不自然だ。休日だとしても部活しているところもあるはずだ。
どうやらこの学校は記憶でもなんでもなく、形だけのようだ。もちろん、ただ夢を見ているだけではこんな見知らぬ学校に居る夢見ることなんてほぼないだろう。
おそらく何者かが夢の中に空間を創り出して、そこに俺を誘ったというところだろう。
それに、さっきから気配も感じる。
誰かがその辺に隠れている可能性が高い。そう思った俺は、教室に隠れられそうなロッカーや教卓の中を見てみたが、特に何もいなかった。
『ここにもいないか……となると……廊下か外か?』
俺は廊下に出ようと、扉を開けようとしたその時――
『ちょっと待って』
誰もいないはずの後ろから女の子の声が聞こえたので、俺は後ろを振り返った。
『誰だ?』
すると、そこには制服を着た背が低めの美少女が立っていた。中学生……いや小学生か?
『君は……?』
『初めまして、私の名前は優木有栖。アリスと呼んで下さい。こっちの方が呼び慣れてるでしょ?』
『呼び慣れてる……有栖……って、あのアリスか!?』
ずっと名前だけは聞いていたが、本当にあのアリスか。さっきゴールドちゃん達と戦う事になっていたところを見たが、シークレット枠だった故に顔が分からなかった。だからこうしてアリスの顔を見たのは初めてだ。
『はい、あのアリスです。ダストさん、あなたの事はブロンズさん達からよく聞いています。可愛い女の子が大好きで、可愛い女の子の下着を盗んでペロペロ舐めるようなバカで変態でどうしようもない男だと』
『ひどい捏造!!!』
まあ下着うんぬんはともかく、それ以外は合ってるけどさぁ……。
『違うのですか?』
『ち、違うよ!』
ここはちゃんと誤解を解かなければ……。
『でもゴールドさんが、“ダストっちに、アタシのパンツ何回も何回も見られた……“と言っていたり、ブロンズさんが“もしお兄ちゃんに会ったら気をつけてね! 獲物を狙うような目でスカートの中を覗いて盗撮したりするから!” と言ってましたよ』
『ゴールドちゃんはともかく、ブロンズ様のは嘘だ!!』
というかそれ、俺じゃなくて赤髪ちゃんの犯行では……?
『ともかくってことはゴールドさんのパンツは見たんですか、変態』
俺がゴールドちゃんのパンツを見たと分かると、アリスはすぐに俺を汚物を見るような目で後ずさりをした。
『誤解だ! 全部不可抗力だ! 不・可・抗・力!!』
そもそも普段からゴールドちゃんはミニスカを履いてる時が多いし、無防備だし、見るなって方が難しい……。
『ホントですか……? まあいいですけど……私もよくアミさんの……』
最後の方はボソッと言ってて、よく聞こえなかった。
『ん?』
『いえ、なんでもないです! それよりもあなたに話があります』
『話?』
『はい、夢の中とはいえ、あまり時間もないので、巻きで話しますね。実は――』
第233話を見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
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