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第227話『こんな世界は……』

お待たせしました。

第227話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 炎魔法、水魔法、植物創生魔法、雷魔法、氷魔法、筋力増強魔法、毒魔法、大地変動魔法、空中浮遊魔法、空間転移魔法、昆虫創生魔法、岩石魔法、影魔法、竜召喚魔法、闇魔法、鋼魔法、妖精召喚魔法等。


 私はこのありとあらゆる多種多様の魔法をふんだんに使うことで、(てき)を翻弄して追い詰めてから止めを刺すことができる。


 ……と思っていたのだが、傷を少々与えられただけで、私の無数とも呼べる数の攻撃はあっさり対処されてしまった。


 どうやら、(むこう)が私を知っていたが故に、私の戦い方を熟知していたようだ。だから私の攻撃がほとんど効かなかったのだ。


『くっ……!』


 ダメだ、相手が悪すぎる……。


 それに感情的に魔法を放ちすぎたから魔力も1割程しかない。


 この戦い……万に一つだって私が勝つことはない。


 勝負を諦めさせるには充分すぎる絶望感だ。


 だから……せめて1人だけでも始末して一矢報いてやる。


 アミとゴールドは私の攻撃パターンを熟知したから攻撃が通じなかったが、レッドは私を知らないようで、ただ単に反射神経だけで攻撃をかわしているみたいだった。現に比較的傷の数もレッドの方が多い。


 ということで私はレッドを狙うことにした。


 1人でも減らして、ネヴィア様のお役に……。


 そうして私はレッドの後ろに空間転移魔法を使い、そこに私は立った。


『なっ……!?』


 レッドは私の方を振り返ろうとする。


 私は無防備に背中を見せるレッドに、岩石魔法を放って潰すつもりだ。


『喰らえ!』


『しまっ――』


 レッドはもう避けられない。回避するには反応が遅かった。


 これで1人は潰せる……どうせ勝てない勝負……せめて1人だけでも潰せてよかった……。


 そう確信していた。


 しかし――


『はああああああ!』


 レッドが岩石に潰される前に、アミが剣で岩石を真っ二つに斬った。


『な……!?』


 バカな……!?


 アミに対しても完全に不意をついたと思っていた。


 しかしアミはまるで未来でも読んでいたように、すぐさま反応して私の岩石を斬ったのだ。


 ありえない。


 どんな反射神経をしているんだ。


 もしかして反射神経だけなら正義教団幹部よりも上じゃないか……?


『くっ……』


 私は何の成果も上げられない事に絶望し、膝を落した。


 私はこのまま殺されても、生かされてももう終わりだ。


 こんな役立たずな私にネヴィア様もさぞ失望されているだろう……。


 ああ……ネヴィア様……申し訳ございませんでした……。


 こんな()()()()()私をお許し下さい……。


『な、なんだ!?』 


 私の身体は光に満ち溢れている。


 そう、これは自爆の合図。


 別にネヴィア様に仕掛けられたというわけではなく、私自身が自爆魔法を発動したのだ。


 この自爆にどれくらいの威力があるかと言うと、この城どころか1つの国が確実に全て吹き飛ぶレベルだ。ただ正義教団の国の建物や防壁はとても強固なものだ。もしかしたら一部の建物は無事に残るかもしれないが、それでもいい。


 こんな無能な私に価値などない。


 でも、それ以上に……一切たりともネヴィア様の役に立てない事実に耐えられない。


 こんな世界は……いらない!!!!!!!!!!!


『うわあああああああああああああ!!!!!』




 あぁ……もう終わりだ、何もかも――――



 ――その刹那、私は誰かに頬をぶたれた。


『やめなさい!』


『!?』


 私をぶったのは、なぜか涙目になっているアミだった。


『え……え……?』


 私はわけも分からず戸惑ったが、私もあとから涙を流した。


『あれ……わたし……なんで……?』


 なぜ私は涙を流しているんだ?


 分からない……分からない。


 でも、アミ(このひと)にぶたれたという事実が私の心を酷く震わせる。


 悲しい。


 悲しい。


 でも……暖かい。


 そうだ、この暖かさは前にも感じたことがある……。


 これは……愛だ。


 アミ……さんが、初めて私に会った時に与えてくれた愛だ。


 愛……? そうだ……思い出した……!


 私は異世界からここに転生して、色々あって、私は早速モンスターに襲われてまた死にかけて、そうしたら、アクタ(あのひと)に助けられて……それから私は――――



『アミさん……ごめんなさい……全部……全部思い出したよ……』


『良かった、全部思い出したんだね……()()()


 そう私の名前はアリス。正義教団の魔術師なんかじゃなくて、私はただのアリス。行き当たりばったりでここまで来た普通の女の子だ。そして誰よりもアミさんを愛している女の子だ。


『アミざあああああああああああああん!!!!!』


 私はアミさんに抱きつき、滂沱の涙を流した。


 ああ、アミさんだ。アミさんの良い匂い、アミさんの温もり……どれも心地良い……特にこの大きな胸が……ってダメだダメだ……理性を保たなきゃ!


『ぐへへへ……アミさんの胸だぁ……』

 

『ちょっとアリス、私の胸ばかり触らないの!』


『はっ!』


 しまった、理性を保たなきゃと思ってた矢先から理性が崩壊してた。


『まさか……まだ洗脳が続いていた影響で……! おのれネヴィア! 許さないぞ!』


 と言って私はアミさんの胸を触りまくった。ホント大きくて柔らかいわぁ……同じ女なのに、こんなのおかしくなっちゃうよぉ……ぐへへへへ……。


『あっ……あっ……ちょっと……もう、いい加減にしなさい! 絶対わざとでしょ!』


『はっ……ごめんなさい……調子に乗りすぎました』


 でも洗脳がまだ残っているのは本当だ。


 本当の記憶と洗脳された時にできた偽物の記憶がまだ私の中に混在している。


 おかげで過去の思い出を思い出す時に、ありもしない架空の思い出を語りそうで怖い。


 少しずつ無くなればいいんだけど……。


『もう……皆なんでこう胸ばかり触りたがるんだろう? 私のは特に大きいからかな?』


『むー、嫌味かよアミっち』


『え? 嫌味?』


『いやなんでもない』


 そう言ってゴールドちゃんは自分の胸を触ったと思ったら、ため息を吐いた。


『?』


 ――――


 今の私にはもう戦う理由はないので棄権した。


 今の私の立場上は正義教団チームだ。反逆者チームを勝たせるためなら喜んで負けを選択しよう。


『じゃあ負けた私には行くべき所があるのでもう行きますね』


 どうやら脱落した場合は、迎えの騎士に控え室とやらに案内され、ゲームが終了するまで待機するようだ。


『アリス、必ず正義教団を全員叩き潰してから迎えに行くからな』


『うん』


 私はゴールドちゃんと握手をした。


 ゴールドちゃんの手は私と同じくらい小さいけど、力強くてたくましさを感じさせて、なにより暖かい。


 まだ精神年齢的には少女なのに、すごいなぁ、この娘は……。


 ――――


『お待たせしました。アリス様、控え室へご案内致します』


 やたら礼儀正しい迎えの騎士がとうとうやってきた。


『あーあ、またアミさんと離れ離れかー』


『ゴールドちゃんも言ったけど、必ず迎えに行くからね』


『うん、待ってます。私の王子様』


 私はそう言い残して、この場をあとにした。


 ――――


『王子様って……レッド君のことを言ってたのかな?』


『いやアミお姉さんのことだと思うよ』


『そうなの?』


『どうやらアリスは……俺のライバルみたいだな』


『?』



第227話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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