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第226話『私の名前は……』

お待たせしました。

第226話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。

 《???視点》


 ――ゲーム開始前。


 あれ?


 ……私は誰だっけ。


 ……私は何をしていたんだっけ?


 気づいたら私は、とある城の中でベッドの上で寝ていたようだ。


 こうなった経緯も自分が何者なのかも何1つ思い出せない。


『おや、目が覚めたようですね』


 知らない女の人が、そう優しく私に声をかけた。


『あ、あの……ここは……あなたは……私は何者なんでしょうか?』


『あなたの名前は■■■。我々正義教団の魔術師ですよ』


 ■■■……?


 正義教団……魔術師……?


 …………。


 あぁ、そうだった、思い出した。私は正義教団の魔術師■■■だ。


『調子はどうですか? これまでの事、思い出しましたか?』


『はい、断片的ではありますが、段々と思い出してきました、()()()()()


 私の目の前にいる御方の名はネヴィア。


 私の恩師であり、親のような存在だ。


 ………………そのはずだ。


『さて■■■。記憶を取り戻したばかりで申し訳ございませんが、早速任務にあたってください。あなたにしかできない任務です。頼りにしていますよ』


『はい』


 ネヴィア様にそう言われては、私も断る理由なんてない。


 私はネヴィア様のために……。


 全てはネヴィア様のために……。


 ――――


 ネヴィア様から与えられた任務は、正義(われわれ)が、反逆者達とゲームをするというものだった。


 なぜゲーム? と思ったが、要するに他の幹部達と協力して反逆者を叩き潰せってことらしい。


 そしてゲームは開始された。


 まず1ターン目。


 ということで、私は成果を出すために(てき)の殲滅に向かった。


 だが、7ターン目までは誰とも会うことはなかった。


 7ターン目ではガウェインが死んだ。


 どうやら裏切り者のブラックが殺したらしい。


 私は今までの記憶が無いから、正義(みかた)であるはずのガウェインの死を悲しもうにも一切悲しめなかった。


 この感じは……そうだ、テレビのニュース番組とかで、どこの誰とも分からない人の訃報を聞いた時と同じような感覚だ。


 ん? テレビ? ニュース?


 ああ、そうだった。


 そういえば私は()()()()()()()()()()()()()()


 私、前世で誰かに殺されたんだった。なんで殺されたかも分からないし、私を殺した相手のことも全く覚えていない。


 結局、私は何も覚えていない。


 ただ唯一分かっているのは、この世界に転生してきたばかりで何もできなかった私をネヴィア様に拾われ、育てられ、愛されたことくらいしか……。


 そこからは――――。


 思い出せない。


 なんかしっくりこないな。


 私は本当にそれだけか?


 何か大切な人を忘れている気がする。


 私に助けを求めてきたあの人。


 誰、誰なの……?



 ――――


 やはり思い出せない。


 この件は一旦保留だ。


 この任務が終わった後で、ネヴィア様に相談しよう。


 今は任務遂行のために頭を使おう。


 そうして私は、この“迷い霧”の中を駆け抜けた。


 ――――


 そして8ターン目。


 よくやく私の前に(てき)が現れる。しかも3人。


 左からゴールド、アミ、レッド。


 その中でもレッドはかつて見習い騎士だったが、反逆罪で死刑にされかけたところだったが、うまく逃亡し、それからはずっと行方不明なままだった。だが、今このタイミングで現れた。どうやら再び正義(われわれ)に反旗を翻す時を伺っていたようだ。


 いや、それよりも気になるのは、


 ゴールド……?


 アミ……?


 何だろう? この2つの名前を聞くと何だか頭が痛いし、心もざわざわして落ち着かない。


 もしや私は、彼女たちを知っているというのか……?


 だとしたら……彼女たちも私について何か知っているかも……?


 ――いや、いやいやいや。


 何を思っているんだ私。


 やつらは(てき)だ。正義(われわれ)とは相容れる事のない(そんざい)


 もしやつらが、私を知っていたとしても、私は正義のために……なによりネヴィア様のために(てき)を殲滅しなければならない。


 危ない危ない、自分の使命を忘れるところだった。


 私は正義教団の魔術師■■■。この国を守るため、正義を守るため。そして――


 ネヴィア様のために――


 他の誰よりもネヴィア様のお役に立つため、目の前にいる(てき)をさっさと片付けてしまおうと、私は問答無用で攻撃魔法を放とうとした。


 しかし――――


『■■■! ■■■だよな!』


 は?


 敵であるはずの(ゴールド)は、私をまるで友達のように軽々しく話しかけた。


 でも何故だろう……悪い気がしない。むしろこの声で■■■と呼ばれるのは妙に馴染みがあって心地よさすら感じる。


『確かに私の名前は■■■だが、なぜそのような態度で私に接する?』


『え? 何言ってんだ?』


『私は正義教団の魔術師です。あなた達とは敵のはずですが?』


『……は?』


『■■■……もしかして記憶喪失かな? ということは私の事も覚えてない?』


 アミが不安そうな表情で私にそう言った。


『ああ、お前の事も私は知らない』


 と言ってみたが、本当は身体や魂が覚えている。


 あなたの声……その凛々しい姿を見るとドキドキする。私の名前を呼んでくれて涙すら出そうだ。


 アミ……あなたは一体……?


『何でだよ……何で■■■と戦わなきゃいけないんだよ……!』


『なぜ? おかしな事を言いますね。私は正義教団チーム、あなた達は反逆者チームです。戦い争うのは当然かと』


『そんなわけねえだろうが! だって■■■はアタシ達の仲間だろうが!』


『? 何を言っているんですか? 私はあなた達の仲間になった覚えはありませんよ』


 本当にそうだろうか……? だが今の私には、自分にそう問いただすこともできない。


 そんなことよりも、ネヴィア様のお役に立たなければ……。


『■■■……一体どうしちまったんだよ……?』


『これは、ネヴィアの仕業だろうな』


 さっきからずっと沈黙していたレッドが、ようやく口を開いたかと思えば、ネヴィア様を呼び捨てに……!


『ネヴィアって……モニターに映ってる人……だよね?』


『うん、ネヴィアは洗脳や記憶改ざんの魔法が得意なんだ。だから、アミお姉ちゃん達と知り合いのこの人も……おそらく……』


『さっきからネヴィア様を呼び捨てにして……許しませんよ……どうやら、あなた達にはキッツいおしおきが必要なようですね!』


 私は感情に任せ、3人に炎魔法と雷魔法と氷魔法をマシンガンのように連射する。


 だが、3人は思ったよりも冷静に、そして無駄な動きをせずに私の魔法を全てかわしたり、弾き返したりした。


『くっ……』


 頭が痛い……その動き方……その無駄のない剣やハンマーの振り方……。


 何かを――何かを思い出しそうだ。


 私は……私は……。


『思い出せない!!!』


 私は涙を流しながら、多種多様の魔法を発動し、3人に攻撃をし続ける。



第226話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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