第223話『ゲームの始まり』
お待たせしました。
第223話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
これで全ての決着がつくであろうゲームが開始された。
まずは最初の1ターン目。
俺達はゲームの進行通りに適当に霧の中を駆け抜けてから10分が経過したが、味方にも敵にも会わなかった。
――1ターン目終了です。どのメンバーも誰とも接触が無かったため、そのまま2ターン目を開始します――
『1ターン目は誰とも会わなかったね~』
『そうですね……』
本当にこの霧の中にみんないるのかと疑いたくなるレベルで静寂だった。確かにこの城は見た感じ魔王城よりも広いから、誰にも会わないのも不思議ではないのかもしれないが、それにしても人の気配すら感じないとは……。
『そうだね~、誰かと会わなくても、せめて足音くらいは聞こえるものだと思ってたよ~』
『その足音も俺達の以外は全く聞こえませんでしたね……』
『……』
『ブロンズ様?』
ブロンズ様は、やはりゴールドちゃんの事を心配しているのか、今にも目に涙を浮かべそうになっている。
『みんな……早く会いたいわ……』
『ブロンズ様……』
慧眼魔法や探知魔法でも使えたら、もっとスムーズにみんなを見つけることができるんだが、どうやら、この霧の中ではそういったゲームを有利に進め過ぎてしまう魔法は使えないようだ。
くそっ……今すぐブロンズ様の願いを叶えられないのが辛い……。
――――
俺達は一刻も早く味方と合流したいため、できるだけ早足で霧の中を進んだが、2ターン目も誰とも会うことはなかった。
だが、ここで王妃ネヴィアから朗報が届く。
――2ターン目が終了しました。ここで反逆者チームにお知らせです。今回のターンでゴールドさんとアミさんが出会いました。よって2人は今後グループとして行動することになりました――
『ゴールド姉! アミお姉ちゃんと合流できたのね! あぁ、良かった……良かったわ!』
これで一安心……と言いたい所だが、それでも幹部に出くわしたら……欲を言えば、元幹部のブラックとプラチナとどうにか会ってくれればもっと心強いが……。
――今回も戦闘はなかったため、すぐに3ターン目に移行します――
『俺達も行こう!』
『うん!』
俺達は、また早足で霧の中を駆け抜ける。
――――
……さて3ターン目になってから、もうすぐ10分が経過しようとするところだが、またしても誰とも出会わなかった。
おいおい30分も経ってるのに……何なんだよ、この“迷い霧”ってやつは……。
いやそもそも、ここは本当に城の中なのかどうかすら怪しい。
俺達が幻覚魔法にかかって眠っている間に、誰かに別の場所に運ばれた可能性もあるし、そうなると、もしかしたらここはものすごく大きな庭か何かなのかもしれない。
まあそれが分かったところで、何も変わりはしないけどな。
『あ、10分経っちゃったわ』
――3ターン目、全員誰とも接触がありませんでしたので、すぐに4ターン目に移行します――
だが4ターン目も――
――4ターン目も誰とも接触はありませんでした。すぐに5ターン目に移行します――
続いて5ターン目も――
――5ターン目も誰とも接触はありませんでした。すぐに6ターン目に移行します――
おいおい、マジかよ、もうこれで1時間だぞ……?
これまで変化があったのは、ゴールドちゃんとアミさんが会ったことくらいで、あとは本当に何も起きてない。
マジで大丈夫かこのゲーム……即興で思い付いたからなんだろうけど、少しガバガバすぎないか。クソゲーだわこれ。
――6ターン目、誰とも接触はありませんでした。すぐに7ターン目に移行します――
『とうとう1時間越えたけど、何も始まってないな』
『そうね……』
全く、いつになったら終わるのやら……。
と思っていたら――
――7ターン目終了です。ここで皆様にお知らせです――
『お、何かいつもと違う』
――7ターン目にて、相手のチーム同士との接触がありました。現在、戦闘が1つ行われております。他のメンバーの皆様は、その戦闘が終わるまではその場で待機してて下さい。尚、戦闘の様子をご覧になりたい方はモニターから閲覧可能ですのでご自由にどうぞ――
『やっとか!』
この時の俺に、ようやく動き出したか! という高揚感と、味方がやられてしまうんじゃないかという不安感が同時に押し寄せた。
俺はおそるおそるモニターを起動させた。すると、そこに映っていたのは……激闘を繰り広げているブラックとガウェインだった。
『パパ!』
『ブラックとガウェインか……』
ん? でもなんかガウェインの様子がなんか変だ。具体的に言うと、恐怖に怯えたような表情をしながら、来るな……来るなっ! と言いながら剣を振っている。
そうか、まだ霧の影響が残ってるのか。ガウェインのやつ、一体どんな幻覚を見てるんだろうな。
『パパ……! 頑張って!』
ブロンズ様は祈るようにブラックを応援する。
正直、こんな可愛すぎる娘に応援されたら、もうたまらないだろうな。羨ましいぞブラック!
……だからよブラック、絶対勝てよ。こんな超絶可愛い娘を泣かせるんじゃねえぞ。
俺達はそれぞれの想いを胸に、モニターに見入った。
第223話を見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
次回も宜しくお願い致します。




