第219話『VSガウェイン②』
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『うおりゃあああああああああ!!!』
『うおおおおおおおおおお!!!』
ゴールドちゃんとレッドは、率先して先頭に立ち、2人がかりでガウェインに近距離攻撃をし続ける。
それに対してブロンズ様は2人の攻撃に合わせて援護射撃をして、俺はというと――
『毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法』
俺はブツブツとまるで呪文を唱えるように、ありったけの恨みを込めて、毒魔法をガウェインに放ち続けている。
(くそっ……全然剣を振る隙がねえ……あいつら思ったよりやりやがる……それに……俺、今日体調悪いのか? なんか苦しい……)
といった風に、今頃、ガウェインはそう思っているだろう。
『毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法』
俺が今放っている毒魔法は、プランクトンくらいに極めて小さく、どんなに目が良くても視界には入らないのでかわされることはほとんどないが、その代わり威力がかなり低い。この威力だと1発2発ほど当たっても気づかれない。それなら普通に威力の高い魔法で攻撃した方がよくね? と普通は思うだろう。俺もできればそうしたい。だが、相手があのガウェインなら話は別だ。
『毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法』
俺の故郷には、“塵も積もれば山となる”ということわざがある。ごく僅かな塵であっても積み重なれば、それは大きな山となる。
『毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法』
ガウェインにはブロンズ様に乱暴した罪を償って貰わなければならない。
『お兄ちゃん?』
『毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法毒魔法』
お前だけは許さない。
『ねえ、お兄ちゃん?』
『うっ……』
将来のアイドルの頂点に輝くブロンズ様に手を出したお前を許さない。
『お兄ちゃん……』
『はぁ……はぁ……身体が……』
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ。
『なんだ……これ……?』
ガウェインは気がつくと、皮膚の色がまるでゾンビのように毒々しくなり、本格的に苦しみ始め、地面に伏した。
『うっ……苦じい……』
ガウェインの全身は完全に毒に侵された。立つことはおろか、息をするのも困難な状態になっている。
このままではガウェインの息は持たず、やがて死を迎えることにだろう。
だが、このまま見殺しにしてもガウェインの罪は償いきれない。
だから、俺はガウェインが息ができる程度に、治癒魔法を放ち続けることで、死なないように調整をした。まあ葛木の時のやってる事は同じだな。
『はぁ……はぁ……』
『さて、ガウェイン。今この状況が分かるか?』
『う……』
ガウェインは、まともに答えられない程に苦しんでるようだ。しょうがないから説明してやるか。
『お前は今、毒に侵されている。だがその毒を俺の治癒魔法で緩和している状態だ。つまり、俺が治癒魔法の発動を止めれば、お前は死ぬ。ここまでは分かったな?』
『くっ……!』
ガウェインは苦しみ、それでいて俺にかつてない程の敵意を向けている。下手に治癒し過ぎると、こいつは俺にすぐさま斬りかかるだろう。
一応、保険をかけておくか。ブロンズ様、よろしくね。
『……うん』
『ガウェイン、よく聞け、お前が助かる方法は1つだ……それはお前が俺達の奴隷になることだ。そうすればお前の身体の毒を全て取り除いてやる』
『なっ……!?』
ここも葛木の時と同じだ。ガウェインを服従させて今度こそ正義教団からある程度は情報を聞き出したい。もちろん神様から正義教団に関する様々な情報を聞いてはいるが、さすがに全ての情報までは聞いてはいない。特にルシウス・ペンドラゴン王とネヴィア王妃の情報が少なすぎる。
だから何としてもガウェインから何か聞き出したいところだが……。
『くっ……分かっ……た……助け……て……』
『よし良いだろう、完全解毒しようじゃないか』
俺は解毒する前に、ブロンズ様の顔を見た。
『……』
ああ、やっぱりそうか。
俺はこっそりとある魔法を発動してから、ガウェインの毒を全て解毒した。
すると、ガウェインのゾンビのような皮膚は、健康な肌色に戻り、苦しみが全て抜けた。
その瞬間――ガウェインは獲物を狩る目付きになり、俺に不意をつき、剣で斬り伏せようとした。
『誰に奴隷になんかなってやるか!』
だが――
『そう来ると思っていたぞ』
『は? ――うわっ!!!』
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次回は、4日(日)~6日(火)に投稿予定です。
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