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第191話『男として』

お待たせしました。

第191話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2025/09/06修正しました。

 城内に無事潜入できたフラン達は、引き続き“隠れ霧”で兵士の目を欺きながら、慎重且つ順調に進んでいった。


 ……ただ目的地である地下牢とは逆の方向に行ってしまったが。



『こういう時は何でも登り階段が正解よ! そうすればとにかく話は進むって古典にも書いてあったの!』


 水の女神は、ゲームの攻略本の知識を得て友達にマウントを取る子供のように生き生きとそう言った。


 だが実際は完全に不正解の選択である。話自体は進むかもしれないが。悪い方向に……。


『この馬鹿女神に道を任せて大丈夫だったんですかね……』


 霧の女神は、水の女神に聞こえない程度の声量でそう呟いた。


 そして霧の女神の言う通り、水の女神に道を任せてはいけなかった。


 残念ながらこのまま水の女神の言う通りに進むのでは、ゴールドちゃん達の元へ辿り着くことはないだろう。


『なあ本当にここで合ってるのか? 牢屋らしきものは無さそうだが……』


 フランもさすがに心配を覚えたのか、不安を漏らした。


『だ、大丈夫よ! 水の女神(わたし)を信じなさい!』


 その言葉を聞いて安心した………………なんて思う者がいるわけがなかった。むしろ不安が増幅するばかりだ。


 この場の誰もが後悔し戦慄した。なぜこの方向音痴女神に進むべき道を選択させる権利を与えてしまったのか……。


 今さら後悔してももう遅い。フラン達は進まなければならない。たとえどんな強敵が現れても……。


 そんな感じで様々な思いを抱えながら歩いていると、向かい側からやってくる2人の兵士が興味深い話をしていたので、フラン達はその2人を追跡し、耳を傾けた。



『おい聞いたか、昨日()()()にぶちこんだあの可愛い娘ちゃん達……もれなく全員脱走したらしいぞ』


『マジで!? どうやって脱走したんだ?』


『なんか、どさくさに紛れて国に侵入してきた奴が解放したみたいだぞ』


『マジかよー、ありえねえ、この国に喧嘩売るなんてどんな命知らずだよw』


『それなw』


『はー、でも残念だなぁ』


『なんでだ?』


『いやだって、あんな超絶美少女他にいねえぜ? もう1回くらいお目にかかりたかったぜ』


『あー確かにな……俺もあの巨乳のねえちゃんをもっと見ていたかったぞ』


『お前そっち派か』


『ああ!』


『俺は小さい女の子が好きかなー』


『は? お前ロリコンかよー』


『別にいいだろ! 好きなだけで実際に襲うわけじゃないんだからよー!』


『まあそうだけどさ』


『そういうお前は巨乳のねえちゃんのどこがいいのさ?』


『は!? お前巨乳の良さが分からねえとかマジか正気か? あの溢れんばかりの芸術が分からないのか!?』


『いや分かんないね。俺はあの儚さを感じさせるふくらみかけの胸が好きなんだよ!』


『は!? いやいやふくらみかけって……どうせなら大きく膨らんでた方がいいだろ!?』


『いーや! 小さい方がいい! お前はあの小さくて儚くてそれでいて――』


 そこから先も、聞き苦しい会話が長く続く可能性が高いため、フラン達は1度傾かせた耳をそっと戻した。


『はぁ……なんて下らない会話なのかしら……男子ってみんなああなの?』


 水の女神は怪訝そうな顔で、男子であるフランとケンに視線を向けた。


 すると、フランとケンは心当たりがあるのかバツが悪そうに目を逸らした。


『はぁ……フラン君とケン君もそうなのね……全くホントしょうもないわね…………って、ひゃっ!』


 水の女神は、後ろから霧の女神に大きく膨らんだダブルマウンテンを鷲掴みにされ、執拗に揉まれてしまう。


『ちょ……! や、やめなさいよ!』


『こんなだらしない肉をぶら下げといて何言ってるんすかー!』


 霧の女神は、水の女神のたわわなダブルマウンテンに嫉妬心を爆発させ、とても公共の電波で放送できないような光景を、未成年(心は)のフラン達に披露してしまう。


 案の定、フラン達未成年(心は)男子組は刺激的すぎる光景に顔を真っ赤にさせ、興奮のしすぎで鼻血をボタボタと垂らしてしまった。


『べ、別に興奮してねえし!』


 誰もそんなことは聞いていないが、フランはなぜか独りでにそう反応した。


『ああもう、こんなことしてる場合じゃないよぉ……』


 と言いつつシュタインも、自分の胸の大きさを確認しながら、その光景に見入っていた。


(いつか私もあれくらい大きくなれたらなぁ……)


 そう思わずにはいられない年頃の女の子であった。



 それから10分後……。


 刺激的すぎる光景(シーン)は幕を閉じ、冷静になった彼女達はフラン3兄妹に再び謝罪し、地下牢へ向かった。

 

 もちろん、地下牢にはゴールド達はいないのは、さっきの兵士達の会話で分かっているが、どこへ逃げたのかという手かがりだけでも掴むためだ。フラン達には、それほどまでに合流したいという思いが強い。


 暗い階段。


 その先には薄暗い牢屋。


 その牢屋の中には覇気のない囚人達。


 そしてその囚人達を見張る少人数の監視役。


 そんな光景を見せられては、いかに元盗賊団の幹部であっても、女神達であっても、気が滅入ってしまう。


 だが、それをなんとか乗り越えて、今度は武器庫にやってきた。


 壁には争った跡が目立つ。これは昨日ダスト達がルキウスとガラードと戦った跡だ。無論、フラン達はそれを知らない。せいぜい、この武器庫にはきっと古い歴史があるんだなと思うだけだ。


『ここには手かがりは無さそうだな』


『そうね、次行きましょう』




 ――それから20分後。


 地下牢の行き止まりまで来たが、何の手かがりもなく行き詰まっていた。


『うん? ゴールド達はどこに行ったんだ?』


 今現在ゴールドちゃん達がいるのは隠し部屋である。そんな簡単に見つかるわけがない。


 ――ただ奇跡という名の必然を取り除いては。


 フランが何気なく壁に寄りかかると、壁が何かに反応し、フランは、吸い込まれるように壁の中に入っていった。


『うおあああっ! ……って、あれ?』


 そこでフランの目に映ったものは――。


『何で……フランがここに……?』


 今フランの目の前にいる金髪の美少女は、フランにとっては忘れるはずができない存在。


 ――その人は仲間でありライバルでもあり、そして……絶対に守りたい大切な存在でもある。


 フランは(フラン)として(ゴールドちゃん)の前で精一杯かっこつけながらこう言った。

 

『助けに来たぜ、ゴールド』



第191話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、25日(日)~27日(火)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。


※大きさうんぬんの話は、全て個人の感想です。僕自身はその事に関して誰とも口論する気はございませんのでご了承下さい。


※矛盾する箇所があったので修正しました。

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