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第189話『延期』

お待たせしました。

第189話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。

 ――翌朝。


 俺は未来予知の通りに具合が悪くなったブロンズちゃんの看病を夜通し続けていたが、思ったよりも重い病気なのかちっとも症状が緩和せず、みんなにおはようの挨拶しに食堂にも行けずにベッドの中で苦しんでいた。


『うぅ……』


『ブロンズちゃん……』


 1時間くらい前の話だが、俺とブロンズちゃんが朝飯の時間なのにも関わらず全然食堂に来る気配がなかったので、まさかと思いゴールドちゃんとケールさんがブロンズちゃんの部屋に来ると、ブロンズちゃんの苦しそうな姿を見て、ゴールドちゃんは顔面蒼白になり、慌て出した。


 よほど不安なのは分かるが、騒がしくなると、ブロンズちゃんの容態が悪化する可能性があるのと、もしかしたら感染するタイプの病気の可能性を危惧し、ゴールドちゃんには辛いだろうけど部屋の外に出て貰うことにした。


 ここで看護婦であるケールさんの出番だ。まず念のため、ブロンズちゃんとずっと一緒にいた俺の容態を軽く診てもらうことにした。すると問題なしと判断され、感染病の可能性は消えた。


 とはいえ、大人数でブロンズちゃんの部屋に押しかけるのは常識的に良くないので、最低限の人数で看病することになった。


 今はケールさんに、ブロンズちゃんの詳しい容態を診てもらっている。服も脱がしているので、ケールさんがいいと言うまで、俺はそっぽを向いている。それなら普通、部屋から出るだろと思われるが、どうもブロンズちゃんは、俺がそばに居ないと嫌だと駄々をこねてしまうので、ここにいるしかないのだ。


『ケールお姉ちゃん……お兄ちゃんは……?』


『ダスト君ならそこにいるから大丈夫だよ~』


『……ありがと』


 ブロンズちゃんは俺に依存しているのかと思ったが、そうではなく俺に好意があるから、わがままを言っているだけだろう。


 それに人は苦しくなると、幼稚化する場合もあるからな。たまたまブロンズちゃんがそういうタイプだったのだろう。


『苦しい……苦しいよ……』


『ブロンズちゃん……』


 後ろを向いていても、ブロンズちゃんの苦しそうな表情は容易に想像できる。聞いてるこっちも辛くなってきた。


『あの、ブロンズちゃんの容態はどんな感じですか?』


『まだ診断中だから待ってて』


 ケールさんは、俺が話しかけたせいで集中が途切れたからなのか少しキレ気味に返事をした。


『あ、すみません……』


『……』


『……』


 それからは沈黙が続いた。沈黙と言ってもたまにブロンズちゃんが苦しそうに唸る声は聞こえるが。


『ふぅ~お待たせ~』


『ど、どうでした?』


『それがね~よく分からないんだ~』


『ケールさんでも分からない感じですか?』


『う~ん、こんな症状の病気は心当たり無いかな~』


『そうですか……』


 看護婦ですら分からない病気なんて……じゃあやっぱり、未知の重い病気なのか……?


『でもとりあえず今は命には別状は無さそうだよ~』


『そうですか! それならまだ……』


 いやでも、ブロンズちゃんの苦しそうな顔を見るのは、やはり辛い。一刻も早く治したいところだ。


『ねえ、ダスト君』


『はい』


 ケールさんは何かひらめいたのか、俺の耳元でこう耳打ちした。


『これはさすがの私でも分からないからさ~、もしかしたら何かの未知の呪い魔法か何かかもしれないんだ~』


『呪いの魔法……ですか?』


『うん~』


 一応ダストの記憶上には、呪い系の魔法は存在するが、病気になる呪いの魔法なんて聞いたことがない。それにさっきからブロンズちゃんの身体を慧眼魔法で覗いているが、どこもおかしいところがない。


 ……だが、もし新しく開発された未知の魔法ってものがあるなら……その魔法が慧眼魔法さえ感知しない魔法なのだとしたら……その可能性も否定できない。なんせこの世界は、今まで特にツッコまなかったが、なぜかいつの間に魔法が○○魔法“○○”みたいに()()していたり、300年以上生きるのが当たり前になっていたりと、まるでゲームのアップデートみたいに人間が……いや世界そのものが変わっている。そんな世界であれば、またいつの間に新たな魔法が開発されていてもおかしくはない。


 これは神様の仕業なのだろうか? 正直告知無しでやられると混乱するからやめてほしいんだが……。



『だからさ~神様に相談してみようよ』


 神様の事を考えた途端に、ケールさんからそんな事を提案された。


 ケールさんまで俺の心読めるの?


『そうですね……それが1番解決策を見出だせそうですね』


『うん~、あ、でもみんなにはバレたくないから――』


 それからケールさんは、神様にブロンズちゃんの事を相談するために、みんなには、ブロンズちゃんを治すために1人きりで研究をしたいと理由をつけて、自分の部屋にこもった。


 ケールさん、神様……ブロンズちゃんをお願いします。


 そして俺はというと、さっき言った通り、ブロンズちゃんの元から離れられないので、こうしてブロンズちゃんの看病を続けている。


『ブロンズちゃん……』


 俺とアミさんの通信魔法で、さっきみんなとも話し合ったが、本来なら今日、ペンドラゴン王を襲撃しつつ、シルバーちゃんとアリスを救出する予定だったが、こんな状態のブロンズちゃんを放っておけないし、何より心配で戦闘に僅かでも支障が出るかもしれない。言うまでもないが正義教団の連中はかなりの強敵だ。そんな奴らを相手にするなら、せめて最高のコンディションで臨まなくてはならない。なので、ブロンズちゃんの病気が治るまで襲撃は延期することになった。


『早く治ってくれればいいけど……』


 俺はブロンズちゃんを見守り続けた。




第189話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、21日(水)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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