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第182話『VSルキウス①』

お待たせしました。

第182話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。

『はぁ……はぁ……このままじゃ埒が明かないね……』


『ああ……でも諦めてたまるか……あいつがくたばるまでぶん殴ってやる』


 ゴールドちゃんもアミさんも、ルキウスとの戦闘により、今にも膝を落としそうになるくらいに疲弊している。


 そんな中、ルキウスはある事に気づいた。


『ん? ガラード……? そうか……やられたのか……』


 ルキウスは、ガラードの声が聞こえなくなったのが気になり、ダスト達の方を向いてみると、巨大化したみどりちゃんに潰されたガラードの姿が目に映った。


『……ガラードが弱いはずはない。俺が認めた数少ない実力者だ……』


 ルキウスは、そう呟きながら、ダスト達を激しく睨み付ける。


『どうやら俺は、(きさまら)を見くびっていたようだな……!』


 睨み付けてきたと思ったら、今度は本格的に威圧をかけてきた。


『……!』


 この場にいる全員が、まるで電流のような戦慄を覚える。


 だが、その中でゴールドちゃんだけは、戦慄を覚えつつも、憤怒の念に駈られていた。


『おい、てめえ……!』


『ゴールドちゃん、待って!』


 ゴールドちゃんは、余所見するルキウスに憤りを感じ、アミさんの掴む手を振りほどき、飛び出して行こうとするが、その前にマーリンが、ゴールドちゃんに近づき、ある()()を耳打ちした。しかしゴールドちゃんは、ろくに相づちもせずに、ハンマー片手に飛び出して行ってしまった。


『ちゃんと伝わったかな……? まあでも、やるしかないね!』


『うん、そうだね』


 アミさんとマーリンは、飛び出したゴールドちゃんに不安を感じつつも、作戦実行の為に動き出した。



『おらあああああああああああ!!!』


 ゴールドちゃんは、3メートルくらい跳躍し、ルキウスの脳天をめがけて、ハンマーで叩き潰そうとする。


『戦いの最中だろうが……! 余所見してんじゃねえよ!!!』


 だが、ルキウスは横を向いたまま、ハンマーを剣で軽く受け止める。


『余所見などしていない。俺はただ、ガラードが無事か心配なだけだ』


『それを余所見っつうんだろうがよ!!!』


 そんな憤りをパワーに変えても、押しきれないと思ったゴールドちゃんは、両足でルキウスの剣を蹴り、その勢いで宙を舞い、一旦後ろに下がった。


 さすがのゴールドちゃんも冷静になったかと思いきや、再び猪突猛進の勢いでルキウスに突撃する。


『おらおらおら!!!』


 ゴールドちゃんは、ひたすらルキウスにハンマーを振りまくるも、やはりルキウスは、ゴールドちゃんの攻撃を、剣で軽く受け流す。何度突撃しても、この繰り返しだ。


 これでもゴールドちゃんは、マーリンに筋力増加魔法をかけて貰っている状態なのだが、それでもルキウスには、傷1つもつかない。


『無駄だ』


 ルキウスは、剣に魔力を込めてから振ると、ゴールドちゃんを10メートル先まで突風のように吹き飛ばす。


『うわあっ!』


 だが、ゴールドちゃんも負けてはいない。圧倒的な力に吹き飛ばされても、なんとかうまく受け身を取り、一緒に宙に舞ったハンマーを回収すると、諦めずに、またルキウスの元へ走り出す。


『まだまだあああ!!!』


 ルキウスは、そんなゴールドちゃんを見て、呆れを通り越して、感心を覚えた。


『素晴らしい。まだ諦めてないとはな……』


『誰が諦めるかあああ!!!』


 だが、やはりまだ力が及ばないのか、相変わらず軽く受け流されてしまう。そんなゴールドちゃんに、ルキウスは少し残念そうにこう言った。


『諦めないその精神、其れは正義だ。だが(きさま)の立場は悪そのもの。故に悲しい』


『はあ? 何言ってやがんだ! てめえは!』


 ゴールドちゃんは、ルキウスがアタシと戦っても余裕だから、そんな口を叩けるんだと思い、ますます憤りが強くなる。


 だが、それはゴールドちゃんも、心の底では分かっていることだ。ルキウスのこの圧倒的なまでの強さ……それは自分1人だけでは、到底倒すこともできないし、3人がかりでもこのザマだ。このままでは間違いなく敗北する。


 なので――。


 彼女達はマーリンの案のある作戦の元に動いている。それはゴールドちゃんとアミさんが、2人同時にひたすら攻撃するのではなく、ゴールドちゃんはひたすらルキウスを攻め続けて、アミさんは隙を伺って不意打ちをかまし、それらをマーリンが魔法で援護するという連携プレイだ。これで勝てる見込みがあるわけではないが、もうこれ以外に勝つ方法が無いのだ。それほどまでに崖っぷちに追い込まれている状況だ。


『もらった!』


 アミさんは、作戦通り、ルキウスの隙を見つけ、不意打ちをしかけるも、勘がいいルキウスは、その不意打ちを喰らう前に、天井寸前まで大きくジャンプをする。


『なっ……!?』



 しかしこれは逆にチャンスだ。大きくジャンプしたということは、その間は無防備な空中にいるということだ。ゴールドちゃんもアミさんも、その隙を逃すはずもない。


『風魔法“竜巻(トルネード)”。2人共、これに乗って!』


 マーリンが、竜巻を発生させると、ゴールドちゃん達はその竜巻を足場にして、空中を駆ける。


『うおおおおおおおおおお!!!!!』


『喰らえええええええええ!!!!!』


 ゴールドちゃんのハンマーと、アミさんの2本剣がルキウスを襲う。


 ルキウスもさすがにこんな状態では、剣で受け流すのも難しいだろう……誰もがそう思っていたのだが……。


『光魔法“光速(ソニック)”』


 ルキウスはゴールドちゃん達の攻撃が当たる寸前で光魔法を発動し、まさに光の如く凄まじい速さで、竜巻をかき消しながら縦横無尽に駆け回った後、先に地面に着地する。すると、今度は逆に、ゴールドちゃんとアミさんが、空中で無防備な状態となった。


『なっ……!?』


 ゴールドちゃん達が呆気に取られてる間に、ルキウスは容赦なく攻撃をしかける。


『光魔法“光剣(レイ)”』


 この魔法は、名前の通り、光の剣を出す魔法ではなく、術者の手のひらから、光線(ビーム)を出す魔法だ。どこぞの野菜みたいな名前の某戦闘民族がいる世界でよく見るあれだ。


 そんな殺傷能力の高い魔法が一撃でも命中すれば、どんなにタフなベテラン冒険者でもただでは済まない。無論、ゴールドちゃん達も無事では済まないだろう。


『これで終わりだ。さらばだ、勇敢で可憐で愚かな少女ゴールドよ』


 ルキウスは、敵であるゴールドちゃんにも敬意を払い、その瞬間を真剣な眼差しで見届ける。


 ――そして、光の剣は容赦なくゴールドちゃんを貫く。



第182話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、3日(土)に投稿予定です。

あと予定通り、明日から、1年前に投稿したプロローグ以降の改稿を始めます (少しずつの改稿になるので、明日すぐに改稿が終わるとは限りません)。前にも後書きで告知させて頂いた通り、ストーリーやキャラ設定そのものは変わりません。あくまで今の書き方に合わせる……つまり改行のしかたや、文字の表現を変えるということです。

なので、改稿した後、一見別物に見えるかもしれませんが、内容は一切変わってませんので、わざわざプロローグから振り返らなくても大丈夫です。

あと最新話の更新頻度もいつも通りです。

また長くなってしまい、申し訳ございません。

宜しくお願い致します。

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