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第170話『6つの影』

お待たせしました。

第170話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※文章を少し修正しました。

 それから俺達は、トリスタンの遠距離射撃を防壁魔法で防ぎつつ、こちらも遠距離で、トリスタンに攻撃し続けるが、殆どかわされる。それを繰り返していると、俺はある事に気づく。


『ん?』


『どうしたの~?』


『なんか……トリスタンの射撃する回数やたら多くないですか?』


 トリスタンの方も焦っているのか、移動してからの射撃のスパンが短くなっている。しかも精密さも明らかに下がっている。


 もしかして、さっきの原因不明のチートパワーには、何かしらの制限があるのではないか。例えばパワーアップする時間が限られているとか。


『う~ん、もしかしてさっきのやつには制限があるのかな~?』


 ケールさんも同じ事を考えていたようだ。


『だとすれば、このまま耐えしのげば勝てる……?』


 いやでも、俺は一刻も早くブロンズちゃん達を助けたい……。こうしてる間にもブロンズちゃん達は、どうなってることか……。


 やっぱり早いところ決着をつけよう。俺はその旨をケールさんに伝える。


『分かったよ~。ダスト君がそうしたいなら、私もそうするよ~』


『ありがとうございます』


『じゃあ、まずはどうしようか~?』


 ケールさんは、まるで教師が生徒に試すような口振りでそう言った。なんか俺がエスコートしてる感じがしない。


『うーん、そうですね……』


 まずトリスタンを屋上から落とすところからだな。でも、さっきケールさんが遠距離からトリスタンに発砲できた時点で、こちらの遠距離射撃は全て警戒されてるだろうな……だからこそ、トリスタンは、当たらないように動き回ってるわけだし。


 ()()()()()、あらゆる魔法を駆使して、簡単に屋上から落として、そのまま倒せるだろうけど……今の俺だと、使える魔法とまだ使い慣れない魔法と使いづらい魔法がある。記憶(マニュアル)があるだけでは、使えないということか。


 うーん、やはり、こちらも遠距離射撃をし続けるのは無理があるか。そうなると、どうにか近距離戦に持っていって、一気に詰める方がいいが……あいつのスピードについていける気がしない。ケールさんなら、余裕でついて行けるだろうけど、今はやりすぎないように自らを制止している。だから自ら率先して動こうとはしない。あくまで俺にエスコートされるだけだ。


 さて……どうしたものか……。


 そう頭を悩ませていると、突然、周りが濃い霧に包まれた。


『……ん? なんだこの霧……?』


 トリスタンかそれとも他の幹部の仕業だろうかと思い、探知魔法でトリスタンの様子を探る。この霧の中では普通に探知魔法を発動するだけでは何が起きてるか分かりにくいので、慧眼魔法を同時に発動した。慧眼魔法は、暗闇の中だろうが霧の中だろうが何でも見通すことができる。奇襲する際に、とても便利だ。


『あ……』


 俺は思うところがあり、霧魔法を発動してみた。すると、この濃い霧ほどでは無いが、俺とケールさんの身体全体を隠せるほどの濃い霧を発生させることができた。それよりも更に濃い霧の中でどうやってそれを確認できたかというと、既に発動している慧眼魔法なら、俺の魔法と相手の魔法を、それぞれ違う魔法として脳を認識させることができるからだ。


『なんだ~ダスト君も霧魔法使えるじゃん~。最初からそれ使って、奇襲すれば良かったね~』


『ええ……』


 本当にその通りだ。一刻を争う状況で頭がうまく回らなかったとはいえ、何でこんな有効な方法が思い付かなかったのか……。


『……あ、どうやらこの霧は、あいつが発動したわけではないようですよ。現に今、すごく戸惑っているようです』


 俺は、色々考えながらも、さっきのような油断を生まないように、トリスタンをちゃんと見張り続けていた。


『ねえ、ダスト君の知り合いの中で、霧魔法使える人いる~?』


『えー、どうでしょう……? 使える魔法全部教えてもらったわけじゃないからな……少なくとも俺が確認した中では、霧魔法を使った人はいないですね』


『そうなると、第3勢力の仕業かもしれないね~』


『第3勢力か……』


 どこの誰だか知らないけど、利害が一致してるなら協力するのもいいかも……?


 そう話していると、トリスタンの動きに変化が見えた。


『誰だあの人……?』


 戸惑うトリスタンの元に青い髪の美女が現れた。正義教団の援軍がとうとう来てしまったのかと思ったが、その美女がトリスタンに水魔法を放ったところを見ると、少なくともトリスタンの敵であることは間違いないようだ。その後、トリスタンも反撃をしようと体勢を立て直そうとしたが、今度は謎の少年少女ら3人に不意打ちされ、大打撃を負い、無様に屋上から落ちてしまった。


『おいおい、マジかよ!?』


『何かあったの~?』


『それがですね――』


 俺は、今、トリスタンに起きている状況をケールさんに伝えた。


『へぇ~、その人達は一体何者なんでしょうね~?』


 ケールさんは、先ほどのような試す口振りではなく、本当に分からないようだ。


『分かりません……』


 だが、後から現れた3人の少年少女は予想はできる。俺は会った事は無いが、アクタが話していた新しく作ったらしいギルドのメンバーのフラン、ケン、シュタインの3兄妹だと思われる。話によると、どうやらゴールドちゃん達と仲良くしていたようだからな。助けに来たとみて間違いはないだろう。


 利害が一致してるなら協力を持ちかけようかと考えたが、あの3兄妹は完全にアクタ側についている。つまり俺とは敵だ。ここで無駄な争いはしたくない。接触は避けよう。


 俺はケールさんに、その旨を伝えて、手を出さずに様子を伺うことにした。


 それから、屋上から落ちたトリスタンは、急いでその場から離れようとしたが、なぜか急に立ち止まり、頭を抱えて、膝をつき、そのまま立ち上がることはなかった。そんなトリスタンの元に6つの影が囲む。その内の1つの影であるさっきの青い髪の美女が止めを刺そうとしたが、その前に、トリスタンはまたしても光に呑まれて、またチートなパワーアップでもするのかと思ったら、今度は、どこかへ消えてしまった。


『お、霧が晴れた~』


 トリスタンが消えた瞬間に霧が晴れ、悲惨な光景が再び広がる。そして同時に、6つの影の正体が明らかになる。まあ、俺は慧眼魔法で元々分かっていたから特にリアクションをとることはない。


 俺とケールさんは、この場を静かに離れながら、神様とテレパシー会話で色々な情報を貰った後、ブロンズちゃん達が捕らわれている1番大きな城へ向かった。




第170話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、3月2日(火)か3日(水)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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