表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/710

第162話『突然の襲来』

お待たせしました。

第162話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2024/09/03改稿しました。

 ――時は遡り30分前、魔王は。


《魔王視点》


 儂は下界のとある地に瞬間移動し、今、ゴールドちゃん達がいる方へと足を運んでいる。


 それと同時に守護神(ガーディアン)に見つからないように、細心の注意を払わなければならない。なぜなら神様とゼウスは対立していて、儂はもう既にゼウスによって、神様側についた反逆者として顔が割れてしまったからだ。


 なので、正直早いところ神の居城(ヴァルハラ)に戻りたい気持ちでいっぱいだ。


 まあ神の居城(ヴァルハラ)と言っても、ゼウス達がいる神の居城(ヴァルハラ)ではなく、()()()()()()神の居城(ヴァルハラ)だ。


 詳しく話すとややこしくなるので (というか儂自身もよく分かってない)、大まかに説明すると、神の居城(ヴァルハラ)()()()()。経緯は分からないが、むかし、とある神様が管理者権限を駆使して創り出したらしい。多分その頃にあった、神々の戦争(ラグナロク)が、関係している可能性が高い。


 まあ、儂はその場に居たわけではないので、本当に何も分からないのだけれど。


 そんな事を考えている間に、ゴールドちゃん達の近くまで来れた。


『お、いたいた』


 儂は気づかれない程度に離れ、様子が分かる程度に近づいた。またストーカーとか言われそうだけど、儂は彼女達を守るためにやっている。それに今、この世界の秩序はもうめちゃくちゃだ。だから仕方がない。そうこれは仕方のないことなんだ! でも、良い子も悪い子もマネしないでね!


 そう自分を頭の中で犯罪行為を正当化しようとしている時に、禍々しい何かがこちらに近づいてくる気配を察知した。


『まさか……』


 嫌な予感がした儂は、その禍々しい何かの元へ向かう。


 やっぱり、あの化物だった。アテナによって三匹放たれた内の、最後の一匹か。ちょうどいい。これ以上被害を出す前に、ここで始末しよう。


 儂は剣を取り出し、化物を始末しようとした――その時だった。


 突然、化物は苦しそうに唸り始めた。


『な、何だ……?』


 少し様子を見てみると、化物は更に苦しみ出し、地面にのたうち回って、もがいている。


 明らかに様子がおかしい。


 すると、化物は四方八方に首を回したり、手足をくねらせたり、触手が空に突き上げるように、ありえないくらい細く伸びたりと、生物としてあってはならない不可解な行動を繰り返している。


『これは……()()()()()()()!』


 そもそもあの化物はこの世界(ゲーム)には、存在しない。違法改造して出来上がったモンスターだ。そんなやつが存在し続けたら、そりゃ化物もおかしくもなる。


 これは儂にはとても手に余る。というか神様クラスじゃないと対処できない。


 神様に相談しよう。


 儂は神様にこの事を報告するためにテレパシーを送ろうとした。


『うるせえな』


『!?』


 突然、儂の背後に血がついた剣を持った黒い甲冑を着た男が現れた。


 なっ……いつの間に……?


 って、あれ?


 さっきまで、そこでバグっていた化物が、四散している!? まさか、この男がやったのか!?


『お前も潰してやるよ』


 不適な笑みでそう言って、儂に剣を穿とうとした。


 儂はとっさにかわし、反撃としてその男に、炎魔法を放った。


 だが、その男は目をつぶったまま、軽々とかわした。


『遅いんだよ』


 そう声が聞こえたのは後ろの方だった。さっきまで目の前にいた男は、いつの間にか儂の背後に回り込んでいた。


『ぐあっ!』


 儂は男に背中を思いっきり蹴られ、空まで飛ばされた。


『くっ……!』


 なんて脚力だ。脚力だけなら、団長(アクタ)クラスかもしれない。


『なんだよ。まだ元気じゃねえか』


『!?』


 儂が空中に打ち上げられているにも関わらず、男は、儂を追ってきた。


『この野郎……!』


 儂は剣を取り出し、男を斬ろうとするも、難なく、かわされた。


『なんだぁ? そのへなちょこな攻撃は』


 男はまた儂の背後に回って、また蹴り飛ばそうと、足を振り上げる。


 だが、儂はそうなる事を読んでいた。


『ん?』


 儂が先程右手で剣を斬ろうとしたと同時に、左手でこっそり炎魔法を発動するために、魔力を込めていたのだ。


 そして込めれば込める程、その分だけ威力は大きくなる。チャージ攻撃のようなものだ。


『喰らえ!』


『しまっ……!』


 空中である上に至近距離で不意に炎魔法を放ったので、男はさすがに回避できずに、そのまま炎の中に飲まれた。


 男は炎の熱さに必死にもがきながら、地に墜ちていく。


 儂は更に追い打ちをかけるように、炎魔法を繰り返し放つ。


『てめえ!』


 男は剣を取り出し、ありったけの力を込めて、儂に向かって、一直線に投げたが、間一髪避けることができた。


『ちくしょう!』


 男はそのままとうとう地面に叩きつけられ、そこから砂埃が舞った。


 まだ空中にいる儂も風魔法を利用し、地面に叩きつけられないように、安全に着地した。


『ふぅ……』


『まーちゃん……?』


『え?』


 声がした方を振り替えると、ブロンズちゃんとゴールドちゃんが、唖然とした表情でこちらを見ていた。


 戦闘に夢中で、ブロンズちゃん達に気づかなかった……。


『何やってるの? まーちゃん? トッキーの所に居たんじゃないの?』


 儂はゼウスに狙われてるから、世界の果てに籠ってることになっているので、ブロンズちゃん達からしたら、儂がここにいるのは不自然なのだ。


『いやー、ちょっとさー、トッキーにおつかい頼まれてさー』


 とっさに嘘をついたが、バレバレだな。


 一応ブロンズちゃんに心を読まれないように、神様が、儂に結界魔法をかけてくれたけど……あまり意味はなかったかな……。儂に嘘をつかれていると分かってるからなのか、ブロンズちゃんの表情も、どこか悲しそうだ。


『ていうか、さっき落ちた奴ってさ……』


 ゴールドちゃんはハンマーを握りしめ、憎しみの表情を露にして、落ちた男の方を見ている。


『ゴールドちゃん?』


 やがて男が落ちた場所に舞った砂埃は完全に消え去る。儂は警戒態勢を取ったが、そこに倒れているはずの男はいなかった。


『あの男は!?』


 気づいた時には遅かった。


『……え?』


 突然後ろから剣が儂の胸を貫いた。これは先程、あの男が空中で儂に投げた剣そのものだった。


 かわしたはずの剣が方向を変えて、儂を刺しに来たのか? そんなはずはないが、現にそうなっている。一体何をすればこうなるのか。おそらく魔法なんだろうが、それを考察する前に意識が落ちそうだ。


『まーちゃん……?』


 絶望するブロンズちゃんを目にしても、儂は狩られた獲物のように血を流すだけで何もできそうにない。


 力が入らない。

第162話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、7日(日)~9日(火)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ