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第161話『ゲームの中の世界』

お待たせしました。

第161話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2024/09/03改稿しました。矛盾する文章がわずかにあったので修正しました。

 並行世界だと思われたこの異世界は、なんとゲームの中の世界だった。


 ――って言われても信じられるわけがないだろ……。


 そもそもゲームの中の世界ってなんだ? 某ライトノベルでよく聞く、所謂(いわゆる)、VRMMOというやつか?


 だとしたらログイン画面は? アバターはどうやって決めた? なぜダメージを受けると痛みがある? 


 それに……ということは、ブロンズ達は……NPCなのか? あいつらと過ごした時間は、所詮、画面の中の架空の出来事に過ぎなかったのか……?


『いや、彼女達はれっきとした人間(ユーザー)だよ』


『そう……なのか?』


『うん。彼女達も、元々は君と同じく異世界からやってきた人達だよ。ケールもそうだしね』


『そうだよ~』


 それならまだ良かった……もしみんなNPCだったら、あまりの虚しさで絶望するところだった。ゲームの中にも終盤で、実はゲームの世界でしたーというENDはいくつか見てきたが、個人的には、そういうENDが一番盛り下がる。これまでの時間はなんだったんだと虚しい気持ちになってしまうからな。


 って、ちょっと待て、今さらっと重要な事言わなかったか?


『彼女達も、元々は君と同じく異世界からやってきた、というところだね。それで、なぜ彼女達も異世界からやってきたのか、そしてなぜ転移前の記憶が無いのか……を聞きたいんだね』


『あ、あぁ……そうだ』


 神様は心を読むだけじゃなくて、まさに俺が聞きたかったことを察してくれた。話が早くて助かる。ただでさえ頭がパンクしそうだったからな。


『まず、彼女達が元々居た世界というのは、君が居た世界とは違って、戦争が絶えない悲惨な世界だったんだ』


『戦争が……絶えない?』


『うん。君の故郷では、もう既に法律によって、戦争が永久に放棄されていて、秩序が守られているけど、彼女達の世界はそもそも法律もない、秩序もない、世紀末のような混沌とした世界だ。食べ物もろくに買えないし、運良く手に入れても、それを他の悪漢に奪われてしまう事も珍しくない。そんな弱肉強食の世界では、とてもじゃないが、まともに生きていられないという民が大勢いた。そこでそんな世界に生き残った科学者達が、君の世界で言うVRMMOを大量生産させることに成功した。しかもそのVRMMOは脳だけが、ゲームの世界に行くのではなく、肉体を粒子化して、()()()()ゲームの世界へ行けるという、他の世界線から見ても、非常にハイスペック……いや、もはやオーバーテクロノジーと言えるレベルだ。つまり、これは実質的な異世界転送装置だ。当然、彼らは大喜びだ。こんな世界からおさらばできるからね。そうして人々は、そのVRMMOを使って、この世界へ逃げてきたというわけだ』


 なるほどな、ここまで聞いた事を整理すると、ブロンズ達の世界は北○の拳のような世紀末の世界で、科学者達が皆と逃げる為にVRMMOを作って、人々は自分そのものをゲームの世界に持っていったということか。


 神様はうんと頷き、話を続けた。


『確かに、このVRMMOは凄いものだが、一つ大きな欠点があった。それは……九割の確率で、自分の記憶を全て失ってしまうというものだ』


『記憶を全て失う……?』


『うん。名前も前の世界の事も思い出も全てが、からっぽだ。逆に一割の確率で記憶を失わなかった者は、記憶を失った者にある程度の知識を与えた。この世界で生きる為にね』


『知識以外には教えなかったのか? 失った記憶についてとか』


『うん。教えなかったよ。だって前世はあまりにも辛い思いをした人が多かったからね。それに、何者か分からない人だって、いっぱい居たからね。それなら、もういっそ我々は最初からこの世界の住人ということにしたんだ』


『なるほどな……』


 確かに嫌な事はさっさと忘れたいもんな。俺も忘れたい記憶があるし……。


『ブロンズ達の事は分かった。それで俺はどうなんだ? この世界では唯一、俺だけが違う世界線なんだよな?』


『いや、実は君以外にも、君と同じ世界から来た人がいる』


『え? マジで?』


 それは意外だな。って、まさか俺の同級生とかじゃないよな?


『いや、君の同級生では無いよ。君よりも5つ年下だし』


『そうか。それは良かった』


『まあ、ただ……』


『ただ、なんですか?』


『いや、なんでもない』


 いや、絶対なんでもなくないだろ。完全に何かあるフラグじゃねえか。


 どうしても気になる俺は、ジト目で神様を見る。


『そんな目で見られてもね……()()からも、自分の正体は君には教えないで、と言われてるからね……』


『彼女?』


『はい。ヒントはここまで』


 今のヒントだったのか。少なくとも相手は、俺の事を知ってるようだな。


『少し話が逸れてしまったね。話を戻すと、君は彼らのように、この世界にログインしたわけじゃない。この世界を創った科学者の技術を使って、君を呼び出したんだ』


『技術で俺を呼び出しただと?』


 訳が分からない。一体どんな技術なんだ?


『何で俺を呼び出したんだ?』


 こんな何も取り柄もない上に性格が歪んでいる俺が選ばれた理由を知りたい。まさか勇者の素質だとか、チートを使えるってわけじゃあるまい。


『それは……ん? どうしたんだ!? マーブル!』


 話の途中で、神様は魔王からテレパシーか何かを受け取ったのか、突然、血相を変えた。


 どうやら、魔王に何かあったらしい。


『そうか……分かったよ。後は任せて』


 そう言って神様は、テレパシー通話を終えた。


『あの、どうかしました?』


『マーブルが、正義教団の幹部にやられた』


『正義教団……!?』


 名前と悪評だけは聞いた事あったが、このタイミングで動き出すとは……。


『あと、悪いニュースがもう一つある』


 まだ何かあるのかよ……。


『その正義教団の幹部にブロンズちゃん達がさらわれた』


 何だと……!?



第161話を見て下さり、ありがとうございました。

次回は、6日(土)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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