第152話『b化?m物??ss戦?』
お待たせしました。
第152話の執筆が完了しました。
尚、サブタイトルが文字化けのようになってるのは、バグではなく、意図的に書いただけのものです。
※2024/08/17改稿しました。
宜しくお願い致します。
化物から闇色のオーラが放たれてからは、もう散々だった。
先ほどまでの化物の強さとは比べ物にならない程に強く、そして更に速くなった。先ほどまで、なんとなく、あの化物の速さに慣れてきたような気がすると思えたのが、嘘のようだった。
攻撃が当たらないどころか、あちらの攻撃をかわすので精一杯な上に、かわせずに、攻撃が当たってしまうこともしばしばある。
しかも、現状、防御魔法がまだ発動中なはずなのに、化物に攻撃された時に、かなりの痛みも感じてしまう。
最悪なことに、その防御魔法もアリスの魔力がそろそろ底をつき、防御魔法が解除されてしまう。そうなると当然受けるダメージ量も増量する。そうなった時に一回でもまともに攻撃が当たれば、間違いなく即死だ。
……もはや、勝つことは不可能だ。
撤退するしか、生きる道はない。
そう思いゴールド達は、撤退しようとしたが、あの化物は、ゴールド達が逃げることを許さなかった。
化物は背中のいくつもの触手を地中に潜り込ませ、ゴールド達を包囲するように、地面からうねうねと現れる。
『邪魔だ!』
ゴールドは虹色の剣で、触手を斬ろうとするが、その前に触手は素早く地面に潜り込み、すぐに再び現れるの繰り返しだ。まるで難易度が高すぎる、もぐら叩きをやっているような感覚だ。
『どうやら、あいつを倒す以外に逃げ道はねえってことか……』
この場にいる誰もが恐怖を覚えた。誰が見ても、この盤面で勝てるとも、逃げられるとも思えない。
あとは、アリスの策に賭けるしかないが……。
『アミお姉ちゃん……お願い……助けて……!』
ブロンズがそう祈っても、アミは助けに来ない。
だが、この時覚悟を決めて、化物の前に立とうとする者がいた。
『皆さんは下がっていて下さい……』
『みどりちゃん……?』
『皆さんを困らせる、あの化物は私が倒します』
みどりはそう言って、化物の方へ歩もうとする。だが、その前にゴールドがみどりの前に立った。
『何言ってんだよ……? そんなの無理に決まってるだろ! アタシ達全員で挑んで、このざまなんだぞ!』
『分かってます。でも安心して下さい。実は私にも秘策があるんです』
『秘策……?』
『はい。最強の秘策です!』
そう言われただけでは安心できる根拠など何一つなく、ゴールドはみどりを引き止め続ける。
『でもよ……』
そんなゴールドに、ブロンズが肩に手を置いて、こう言った。
『ゴールド姉、みどりちゃんを信じてあげて』
『ブロンズ……』
ブロンズは、みどりに頷く。
『ありがとうございます。ブロンズさん』
『当たり前でしょ。親友だもの』
と言いつつ、ブロンズもどこか不安げな顔をしている。
(ブロンズさんには、もうお見通しですよね。私がこれから何をするのか)
ブロンズは、みどりの心の声に反応し、頷いた。そしてこう言った。
『みどりちゃん……絶対、無事に帰ってくるのよ』
『はい! きっと必ず!』
みどりは、とびっきりの笑顔でそう返事をした。
『では、行ってきます!』
そう言って、みどりは深呼吸をした後、ある魔法を発動する。
『巨獣魔法“暴走”』
すると、みどりの身体は凄まじいスピードで大きくなり、最終的には化物と同じくらいのサイズになった。
巨獣となったみどりは、パワーが異常なくらい上がる代わりに、理性を失う。
グオオオオオオオオオオオ!!!!!
みどりは咆哮を上げた後、すぐに化物に突進し、触手ごと身体に噛みついた。
化物はこれまでにない程苦しそうに、叫び声を上げる。それと同時にゴールド達を塞いでいた触手は地中に引っ込ませて、みどりを真下の地面から、みどりの身体ごと、突き上げるように攻撃する。
すると、みどりは腹を連続でパンチされたかのような痛みを受け、思わず怯んでしまった。その際にみどりは少しふらつき、その隙に化物は、みどりに噛みついた。
みどりは、苦しそうに叫び声を上げる。
『みどりちゃん!』
化物はみどりを、触手で何度も何度もたたきつけた後、先ほど自分にされた事を、やり返すように噛みついた。
だが、みどりも負けじと化物に噛みつき、反撃する。
お互いに、喰われ喰う戦いを繰り広げているが、化物の方が圧している。このままではみどりが喰われてしまう。
『みどりさん……!』
『くそっ! みどりが、あんなに苦しんでるのに、アタシ達は何もできないのかよ!』
助けに行きたいが、今、自分が行っても、どうしようもできない。それは、この場にいる誰もが理解している。血が出るほど握りこぶしを握ったり、唇を噛み締めてしまう程に、もどかしく思っている。
この時、後衛のシルバーはこう思っていた。
(みどりさん、あなたは、よくドジを踏むけど、でも誰よりも明るくて優しくてとてもキラキラしてた。こんな泣き虫な私を励ましてくれたこともあったね。だから、あなたには生きててほしい。これからも、私達の友達として共に笑い合ってほしい。あぁ、もしこの世界にアース様のような優しい神様がいるなら……どうか……どうか……彼女を助けて……)
シルバーがそう祈った瞬間……。
――世界の時は止まった。
人も、風も、水滴も、みどりも、化物さえも。全てが、まるで銅像になったようだ。
『あ、あれ?』
今、この世界の時が止まっていないのは、辺りを見渡してみても、シルバーだけだった。
『え? え? どう……なってるの?』
シルバーは当然ながら、この超常状況に戸惑った。
『何で、こんな事になってるの……?』
おそるおそる、辺りを歩いていると、突然、声が聞こえた。
――初めまして、シルバーちゃん――
『え? 声が……聞こえる? 誰ですか?』
不安そうに声を震わせる。
――ごめんね。今の私には名乗れる名前が無いんだ――
『名前が……無いんですか?』
――あるにはあるんだけど、一つは、諸事情により、どうしても言えない名前で、もう、ある人物にあげちゃったからね――
『???』
シルバーは謎の声の主が、一体何を言ってるのか、まるで理解できず、首をかしげている。
――ごめんね。僕の名前に関しては気にしないでね――
『は、はあ』
――それで、この状況についてだけど……どうにか皆を助けられる方法があるよ――
『本当ですか!』
――うん。本当だよ……ただし、それには条件がある――
『何でもやります! 条件を教えて下さい!』
――それはね……――
シルバーは、その条件の内容を聞いた。
『え……?』
第152話を見て下さり、ありがとうございます。
次回は、14日(木)か15日(金)に投稿予定です。
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