第147話『みどりちゃんの不安』
お待たせしました。
第147話の執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
※2024/08/12改稿しました。
《みどりちゃん視点》
私が……私がやらないと……。
アリスさんの防御魔法も、もう限界です……。
このままでは……全員やられてしまいます……。
そんなのダメです!
この約298年間……私は、皆さんを守る為に、修行を重ねました。その結果、色々な事ができるようになりました。猪としても、人間としても更に強くなりました。
『皆さんは下がっていて下さい……』
『みどりちゃん……?』
『皆さんを困らせる、あの化物は、私が倒します』
もしかすると、私はここで死ぬかもしれません。そう思ってしまう程、あの化物の強さは脅威です。
怖くないと言えば嘘になります。でも……私は……。
――親友を傷つける奴は許しません。
――親友を死なせたりしません。
私は、皆さんの事が大好きですから!
――時は遡り、30分前――
ブロンズさんとゴールドさんがテントから出てきました。
ですが、お二人ともなぜか顔が真っ赤です。しかもゴールドさんの服が乱れています。何があったんでしょうか?
そう思い、詳しい話を聞こうとしたら、アミさんがしゃがんで、私の肩に手を置き、耳元で何が起きたか説明してくれた。
『ふ、ふええええ!?』
それはとてもではないですが、人に説明できるものではなく、お茶の間が凍りつくような内容でした。
私は思わず、ボッと顔を真っ赤にして、しばらく悶えました。そのせいなのか、私は、人間の姿に戻ってしまった。
『みどりちゃん!? 人間に戻っちゃってるよ!?』
『はっ!?』
しかも、猪の時点で服を着ていないので、人間に戻っても、当然生まれたままの姿です。この場に男性が居なかったのが救いです。もし居たら、もうお嫁にいけませんから……。
このままだと、変態さんになってしまうので、私はすぐに猪に戻った。
ちなみに、さっきのように感情を昂らせると、人間に戻る時があります。逆に猪に戻るには、自分が猪になるイメージを膨らませれば、猪になれます。
以前、そのまま人間に戻ってればいいじゃんと言われましたが、猪の方が、機動力が高くて動きやすいですし、それに、なんだかんだ言って、この姿に愛着が湧いて、なんだか心地いいのです。最初は早く人間に戻りたいと思ってたのに変ですよね~。あはは。
『それにしても、人間のみどりちゃん、ホント可愛いよね~!』
『そ、そうですか~』
アミさんが、私の容姿を褒めてくれた。嬉しい! やっぱり人間の姿が一番です!
私は昔からよく色んな人に容姿を褒められてましたが、最近は猪の姿がデフォルトだったので、こうして褒められたのは久しぶりです。
『ウヘヘヘヘ、嬉しいですぅ!』
私は身体をくねくねさせながら悶えていると、ブロンズさんが真面目な顔をして私達にこう言いました。
『みんな心配かけてごめんね……もう私は挫けない。みんなでお兄ちゃん……いや、あの鈍感脆弱ラノベ主人公を連れ戻すよ!』
ブロンズさんがそう声を上げると、全員おおー! と掛け声を上げた。
ところで、らのべしゅじんこうって何ですかね?
それから私達はテントを片付けてダストさんが居ると思われる候補地の1つである、“桜の国”へ足を運ぶこととなった。
“桜の国”といえば、ミユウさんとダイゴさんの出身地でしたね。二人を待ってから旅に出ようかと思いましたが、あまりにも帰りが遅いから、迎えに行くという第二の目的も兼ねて、先に私達だけで出発してしまいました。
そういえば禍々しい何かが、火の国周辺をうろついてたとか言ってましたね。
まさかミユウさんもダイゴさんも、その禍々しい何かに……。
そう思うと不安な感情が私の身体全体にほとばしり、自律神経が乱れ、息が苦しくなった。
『はぁ……はぁ……』
歩いていくにつれて、段々と歩くスピードが遅くなっていき、皆さんと距離が空いてきてしまった。
ブロンズさんは私の足が遅くなっている事にいち早く気づくと、私の元へ駆け寄り、声をかけてくれた。
『ちょっと、みどりちゃん大丈夫?』
『は、はい……すみません……急がなきゃいけないのに……』
『ううん。みどりちゃんのせいじゃないわ。むしろ私達が急ぎすぎて、みどりちゃんの体調の気配りが出来てなかったわ。ごめんなさい』
ブロンズさんは私を責めるどころか、申し訳なさそうに謝罪をした。
『そんな! 謝るのは私の方ですよ! こういう時こそ体調を整えなきゃいけないのに……』
はぁ……私ってダメだなぁ……。
私は自己嫌悪に陥った。
思ってみれば、私は昔から全然ダメダメです。頭は良くないし、よくドジを踏むし、タイミングは悪いし……で、お母さんや周りの人に迷惑をかけてしまいました。
その度によく泣いて、お母さんを困らせてたな。
私のお母さんは他の人と比べても、筋力が強く、どんなモンスターでも、盗賊でも、全て一瞬で片付けてしまうくらい強い人でした。
お母さん……もう一度会いたかったな……。いくらお母さんでもさすがに300年も生きられないよね。
実は298年前にトッキーさんに一回お母さんの行方の調査を依頼した事がありました。しかし、残念ながら、どこを探しても見つからなかったそうです。まるで神隠しにでも遭ってしまったように。
何があったのかは本当に謎だけど、でも、今は先に進まなきゃ……。
じゃないと、お母さんに怒られちゃう。
よし、お母さんの事を思い浮かべたら、少し元気が出た。頑張るぞ。
そう心の中で意気込んでいたその時――とてつもない悪寒が私の背中をなぞった。
『!?!?』
『みどりちゃん!? 本当に大丈夫!?』
これはもはや重圧。私の本能がこれ以上進むなと、拒絶しているようだ。
私は鈍感ですが、昔から私の直感はよく当たる方です。私は声を震わせながら、皆さんをこれ以上先に進ませないように、説得しようとした。
『あの……皆さん……なんだか嫌な予感がするので、引き帰――』
『誰だ!』
何か気配を感じ取ったのか、アミさんが剣を抜き、警戒体制に入った。それと同時に私もブロンズさん達も同じく警戒体制に入る。
悪寒が止まらないけど、それでも目の前の事に集中しよう。誰も死なせないために。
その直後、見たこともない異常に速い異形な化物が私達を襲う。
『速いっ!』
アミさんが私達の前に出て、襲いかかる化物の牙を剣で受け止めるも、力負けして吹き飛ばされてしまった。
『アミさん!』
アリスさんが、アミさんの元へ駆け寄る。
あのアミさんを、簡単に吹き飛ばすなんて……何なんですか、あの化物は……!?
第147話を見て下さり、ありがとうございます。
次回は、来年1月1日(金)か2日(土)に投稿予定です。
皆さん
今年もありがとうございました。
今年は本当に色々あって、皆さん、本当に大変だったと思います。
お疲れ様でした。
今年の自分を振り返ってみると、2月に初めて小説を書かせて頂きました。
やはり、初心者なので、見てて苦痛だった方も、多数いらっしゃると思います。正直、批判も覚悟してました。誰1人にも認められないんだろうなと思ってました。
ここまで見て下さった方々、本当にありがとうございました! 来年は、もっと皆さんに楽しんでもらえるように頑張りたいと思います!
あと、新作の小説も書こうかと考えております。もちろん、今、書いてる作品を最優先にします。
長い文章で、すみません。
来年も宜しくお願い致します。
良いお年を。