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第145話『決意』

お待たせしました。

第145話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2024/08/11改稿しました。

 俺は涙が出る程の悲しい夢から覚め、気がつくと、村の診療所のベッドに横たわっていた。


 起きた時は、周りに誰もいなかったが、程なくして、マゼンダやケイデスと知らない美人の女性が来て、これまでの状況を話してくれた。


 どうやら、あの化物は、俺の未来予知があってか、なんとか無事に倒したらしく、その後、神の居城(ヴァルハラ)守護神(ガーディアン)であるクロノスが衝撃の事実を告白し、思わず飛び出していったケイデスも、途中であった知らない美人さんと共に、桜の国に行ってしまったらしいが、その時に親切にしてもらった2人組の冒険者の方々に途中まで案内してもらい、なんとか無事にここに帰って来て、今に至るというわけだ。


 そして……。


『おはようございます。そして初めまして。私は()()()()()()です。差し支えなければ、私の事はヒナとお呼び下さい』


『俺はダストと言います。よろしくお願いします……って不死鳥の女神!?』


 目の前の綺麗な女性からのまさかのカミングアウトに驚愕し、思わず大声を上げてしまった。


『驚かせてしまって申し訳ございません』


『い、いえいえ、俺の方こそ、大声を上げてしまってすいません』


 お互いに頭を下げて謝り合った。その時に、ヒナさんの胸元がチラチラ見えたのは内緒だ。もし、ブロンズちゃんがここに居たら、『お兄ちゃんの変態!』とか罵倒されそうだな……なんて思っている自分が居た事に気づいた。


 さっき見た夢のせいか、ブロンズの事が頭から離れない。本当にただの夢ならまだしも……さっきの夢の中のブロンズは、あまりにも再現度が高すぎる。まるで本物のブロンズと話しているようだった。もし、人の夢を見る魔法なんて物があれば、あの再現度の高さも説明がつくが……そんなわけないか


 まあ、それより、今、手元にある問題を片付けるべきだ。


 ん? 手元……?


『そういえば、俺の肉体、()()()()()()()()


 幽霊になっていたはずだが、今は完全に肉体が復活している。


『はい。ダストさんが寝ている間に、()()()()再生しておきました』


 どうりで、起きた時に布団のぬくもりを感じたわけだ。なんで気づかなかったんだ。


『そうでしたか。肉体を再生して下さり、ありがとうございました』


『いえいえ、とんでもないですよ~』


 どうやら俺だけではなく、他に幽霊になっていたシアンとバレスも、元の肉体に再生されているようだ。そのシアンとバレスは、今、村の復興を手伝っているようだ。あの化物との戦いで、ずいぶんと荒らされてしまったからな……。


 まあ、何はともあれ、とりあえず一歩前進……と言っても良さそうだな。


 あとはケイデスの案内のもと、神の居城(ヴァルハラ)へ向かって、あの声の主を探せばいいだけだ。そうすれば、元の世界へ帰れるかもしれない……。


 だが、その前に問題が3つある。


 まず一つ目はあの化物だ。一匹は倒したが、先程聞いた話では、あと二匹いるそうだ。もし、俺が何らかのアクシデントで一人になってしまい、あの化物に遭遇してしまったら……もはや、言うまでもない。


 それにブロンズ達も心配だ。敵側と言えど、やはりさっきの夢が原因か、どうしてもブロンズ達を見捨てる事ができない。なので、やはりこちらであの化物を処理しておきたい。トウカの事もあるしな。


 安全に始末する方法は、もう分かっている。万全の状態でのマゼンダとケイデスがいれば大丈夫だ。それに、今はシアンとバレスもいる。二人も相当の実力がある。そこに俺の未来予知魔法を使えば、かなり有利に立ち回る事ができる。こんなに恵まれたパーティはそうそうない。


 二つ目は、神の居城(ヴァルハラ)守護神(ガーディアン)の襲撃だ。マゼンダとケイデスが、例の化物を始末した後に、クロノスが現れたらしい。マゼンダの話ではクロノスは異次元の強さで、到底人間に勝てるレベルではないそうだ。


 まあ、そのクロノスはどうも俺らを応援しているそうだが、真意は分からない。もし仮に味方してくれるんだとしても、他にもプロメテウスやアテナ……更にゼウスまでいる。


 今のところ襲ってはこないが、だからといって、今後も襲ってこないという保証はない。


 もし最悪、今俺らに襲撃してくれば、全滅は免れない。


 そこはもう祈るしかない。せめて、神の居城(ヴァルハラ)に行くまでは、襲って来ませんように……。



 三つ目は時の女神の計画だ。世界を創り変えて、自分達の都合の良いように設定し直すという、バカみたいにぶっ飛んだ計画だ。正直そんなことができるなんて信じられないが、もし本当にできてしまえば、異世界から来た俺はどうなる? 別の誰かに転生するのか? それとも異世界人だと存在が消えるのか?


 いずれにせよ、その計画は俺にとって都合の悪いものになるだろう。


 その計画自体を止められれば一番だが、俺の力では、あいつらを止められるとは到底思えない。


 だから計画が完遂する前に、俺は俺の目的を遂行する。


 アクタ、時の女神、アース……そして、どこにいるか分からないクソ魔王(ジジイ)


 お前らなんかに、俺の行く道を邪魔なんてさせねえ……!


 お前らが力で黙らせるなら、俺は頭を使って逃げてやる。どんなに汚い手段を取ろうとも、外道に成り下がろうと……。


 これが誰よりも弱い(クズ)の戦い方だ。


第145話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、28日(月)か29日(火)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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