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第133話『VS 化物戦④』

お待たせしました。

第133話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2024/07/09改稿しました。

《マゼンダ視点》


『ダスト様、お疲れ様でした。後は任せて下さい』


 私は幽霊のダスト様を戦闘の巻き添えにならない程度の距離まで運び、寝かせた。


 幽霊なら巻き添えの心配はいらないと思われがちだが、今のダスト様は魔力を使いすぎて、幽霊でありながら実体のように触れられる状態になっている。


 先程、幽霊であるはずのダスト様を抱き抱える事ができたのも、それが理由だ。ということは何かしらの打撃や魔法が当たる可能性も高い。非常に危険な状態だ。


『あおい、バレス。ダスト様をお願いね』


『はい。お姉さま』


 あおいとバレスには、ダスト様の側に居させてもらうことにしました。私が目を離した隙にダスト様に危険が及んで、もしもの事があれば……ゴールドさん達に会わせる顔がありませんからね。


『任せてくれ……って言っても私達、幽霊だから、せいぜい魔法を放つくらいしかできないけどね』


 バレスはそう言って、ダスト様に結界魔法を放った。


『それで十分ですよ』


 これでダスト様の身に危険は、そうそう起こらないでしょう。


『では、行ってきます』


『お姉さま、お気をつけて……』


『赤髪ちゃん、がんばー』


『はい!』


 私は、安全地帯(あおいとバレスのもと)をあとにして、あの化物と戦っているアルカイオス・ケイデス……カイオスさんの元へ向かった。


『すみません! 遅くなりました!』


『大丈夫だ!』


 この大丈夫は、私に気遣って言っているわけではなく俺1人でも余裕だぜ! という意味でしょうね。まあ、頼もしい限りですが……。


 ダスト様の未来予知魔法によると、この後、私があの化物を抑えて、カイオスさんが最大火力の攻撃を出す準備をする事になっている。


 私は、なるべく未来予知の通りにするため、カイオスさんに最大火力の指示を出した。でも、未来予知の通りにするなら、その指示は本来ダスト様がやった方がいいのでしょうが、言うまでもなく今は無理だろう。


 それに未来予知の通りにいかなくても、あの化物を安全に倒せる方法が分かっただけで十分だ。


 私は時間稼ぎのため、あの化物を5分足止めする。あとはカイオスさんが、槍にありったけの魔力を込めて、最大火力で攻撃してくれればいいだけだ。


 倒すならともかく、5分耐久するくらいなら朝飯前だ。


 私は化物に余計なダメージを与えないようにしつつ、牙や触手等の攻撃を剣で捌いたり、タイミングよく回避したりと、順調に時間を稼いでいく。


 ――そして、5分が経った。


 あの化物、あんなに動きが早かったのに、今はダメージが大きいのか、動きが鈍い。このまま倒して良いのなら、普通に倒せそうです。


『マゼンダ、離れろ!』


 カイオスさんは、なぜか私の事をマゼンダと呼んだ。


 そこは赤髪ちゃんと呼んでくださいよ……。


 私は頬を膨らませつつ、化物から離れた。


『喰らえええええええええええええ!』


 カイオスさんの槍が、見事、化物に命中した。


 すると、化物は聞いたこともない悲鳴を上げた。


 槍から炎のように溢れ出るカイオスさんの魔力が、上空へ向かって突き出した。


 どんな化物でも、あんなとてつもない魔力をまともに受けられるはずがない。しかも、あんなにダメージを受けていては、あの化物だってただじゃ済まない。


 案の定、化物は跡も形も残らず消え去った。


 一応、目にも留まらぬ速さで逃げ去ったという可能性も考慮して、村の周りを見てみたが、そんな形跡はどこにもなかった。


『カイオスさん、お疲れ様でした』


『マゼンダ。お前もな』


『マゼンダじゃなくて赤髪ちゃんです。そう呼んでと言ったじゃないですか』


『あぁ、そうだったな。すまない赤髪ちゃん』


『全く……』


 これで、一件落着ですかね。


 ですが、私は見逃してませんよ。さっきから私達を監視している人物がいることに。


 すると、カイオスさんも私と同じ事を思ったのか、こう耳打ちしてきた。


『なあ、マゼ……赤髪ちゃん。さっきから俺達を監視してる奴がいるな。どうする?』


『そうですね……少し話を伺ってみましょうか』


『そうだな』


 私達は、()()()()()人物を、殺意を送るように睨み付けた。


 すると、その人物はゆっくりと私達の元へ降りていった。


『よく僕が上空にいるって分かったね』


 そう言って、不適な笑みを浮かべた。


 見た目は、ゴールドさんと同じ年くらいの少年。服装も青いTシャツに茶色の短パンと至って少年らしい格好だ。だが、対面してみて即座に分かった。この少年、とてつもない魔力……いや魔力以上の()()を感じます。


『あなたは何者ですか?』


 私がそう聞くと、少年はまた不適な笑みを浮かべて、とんでもない自己紹介をした。


『僕は、神の居城(ヴァルハラ)守護神(ガーディアン)のクロノスさ』


『ヴァル……ハラ……!?』


 ダスト様から話は聞いていましたが……まさか彼が……?


『お前が守護神(ガーディアン)だと……?』


 カイオスさんは槍を構え、憎しみと殺意をクロノスに向けた。無理もない。カイオスさんは、守護神(ガーディアン)に、自分の村の村人がさらわれている。一刻も早く取り返したいはずだ。


『そんなに睨まないでよ。人間……いや、()()か』


 半神(はんしん)……?


『うるさい! そんなことより俺の村の村人達はどこだ!』


『そうカッカするなよ。半神』


『どこだと聞いている!』


『分かったよ、答えてあげるよ……ただ、その前に君の話をさせて』


『俺の話だと?』


 クロノスは、くるりと無邪気な子供のように回りながら、私の元へ近づき、こう言った。


『ねえ、赤髪のお姉さん。半神って何だと思う?』


 クロノスは、さっきからやたら“半神”というワードを使っているが、一体何なんだ……?


『半神というと、神と人間の間の子供ということでしょうか……?』


『うん、そうだね。そうとも言うよ。しかも、ケイデス君の場合は、あの最高(パーフェクト)守護神(ガーディアン)ゼウスの子さ』


 ゼウスの子……!?


第133話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、2日(水)~4日(金)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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