表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/710

第124話『脳筋の赤髪は綺麗な髪をなびかせる』

お待たせしました。

第124話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2024/06/30改稿しました。

『皆様、この度はお見苦しい所をお見せしてしまい申し訳ございませんでした』


 シアンの、それはもう長かったネガティブモードが終了し、我に返ると、自分の姿に変身し、深々と頭を下げて謝罪をした。


 端からみたら、独りで空気に頭を下げて謝罪してるやべぇ奴になってると思うと、思わず吹き出しそうになってしまったとは言えない……。


『反省したのならもういいです』


『お姉さま……はい、本当にごめんなさい……』


 マゼンダよ、俺は気付いているぞ。美少女である妹に自分の身体を弄くられていく内に、何かに目覚めそうになった事をな。


 全く……どいつもこいつも脳内ピンクばかりで困るぜ。


『ふーん……』


 バレスは何か良からぬことを考えているのか、ニヤニヤしながらマゼンダを見ている。


『バレス、なんですかその何か言いたそうな目は』


『ん? なんでもないよ~、ただ、そんなに触ってほしいのかな~って思って~』


 バレスは両手で何かを揉んでいるようなジェスチャーをしている。何かとは言わないが。


 あぁ、そうだった。バレスもみどりちゃんを家に飾りたいとか言ってるサイコパス気味のやべぇ奴だったな。でも、こんな頭ピンクな部分は初めてみたが。


『はぁ……何を言ってるんですか?』


『むかし、よく後ろから私のを揉んでいたでしょう? 何を今さら……』


 あぁ、もうその頃からそんな感じだったかぁ……。


『昔はまだこんなに成長してなかったからね。今は、こんなに立派になっちゃって』


 バレスはマゼンダの胸を指でつついているが、そもそも幽霊なので触れる事ができず、全て通り抜けてしまう。


『なんだと、触れられねえだと……!? くそっ! 初めて幽霊である事を恨んだぜ……!』


 バレスは自分が幽霊だという事を忘れていたようで、マゼンダの胸に触れる事ができなくて、心底悔しそうに拳を握る。


 そんなバレスを見ても、俺達はそれぞれの理由で何も声をかけられなかった。



 その後シアンは再びマゼンダ (服はちゃんと着てる)に変身し、身体を触りたいという気持ちをなんとか堪えつつ、シアンは身体をマゼンダに明け渡した。


『ん~~~風が気持ちいいですね!』


 マゼンダは、久々に生身の身体を風に晒して、気持ち良さそうに両手を伸ばした。


 ――柔らかな風がマゼンダの綺麗な赤髪を拐うように弄んだ。彼女のその姿はまるで絵画の乙女の如く美を表していた。もしこの場にマゼンダの性格を知らぬ者がいれば、間違いなく心を奪われるだろう。普段はあんなやべえ変態女でも、さすが美女と言われているだけある。


 って俺は何を考えている。忘れるな。今はこいつらは味方だが、その内俺の正体が分かれば、必然的に敵対する事になる。そうだ俺に味方なんていないんだ……。


『さて、まずはどこに行きましょうか!』


『というか、そもそもここどこなの?』


『分かりません!』


『分からないんかい!』


 おいおい本当に誰も分からないのかよ、と思ったら、シアンが口を開いた。


『分からないのも無理はありません。だって、ここは“世界の果て”に最も近い所なので、ただの人間が寄り付いては困るからです』


『そーなの?』


『あおい……物知りですね! さすが私の自慢の妹です!』


『ありがとうございます! えへへ、お姉さまに褒められました! まあ、といってもただの噂なんですけどね』


『へぇ、噂なんだ……どこから聞いたの?』


『ベンリ街です』


 ベンリ街か……あそこは確かに、色々な店があって人も多いから、噂が飛び交う頻度も高いだろうな。


 ん? だとしたらおかしい。何度も言ってるが、“世界の果て”は、一般的には誰も知らないし、たまたま知ってても名前だけ……せいぜい都市伝説が出来上がる程度だ。なのに、()()()()()()()()


 偶然か……? それとも“世界の果て”に詳しい人が、ベンリ街にいるのか?


 もし、そういう人がいるなら……ワンチャン、“神の塔”について何か知ってるかもしれない。


『ん? 噂にしては妙に的確すぎじゃない?』


 どうやらバレスも俺と同じように気づいたようで、疑問を口にした。


『確かに……言われてみればそうですね……』


『もしかしたら、ベンリ街に神の居城(ヴァルハラ)に詳しい人がいるのかもしれないね! あ、でもそうか、あれから300年経ってるんだった……仮に詳しい人がいたとしても、300年も生きてるはずないよね……』


 ワンチャン、その詳しい人の子孫が居て、その子孫に神の居城(ヴァルハラ)の事を語り継いでいるかもしれないが……それは理想論だ。ここで理想論を振りかざしても、時間の無駄だ。別の策を考えた方が賢明だ。しかし……。


『……』


 皆、何も思い付かないのか、誰も喋らなくなってしまった。


 俺も何か策はないかと、脳をフル回転させているが、何も思い付きそうにもない。


『仕方ありませんね……こうなれば……』


 マゼンダは何か秘策があるのか、準備運動をし始めた。あまりいい予感はしないな。


『お姉さま?』


『お、赤髪ちゃん、何か策があるのかな?』


『ええ……こういう時は……片っ端から全ての国と街を回るんです!』


『あ、うん……』


 つまり、行き当たりばったりというわけか……。さすが脳筋(マゼンダ)。ゲーム買っても、説明書や攻略サイト等を見ずに突っ走るタイプだな。俺もわりとそうだが。


 まあでも、このまま思い付く気がしない策を考え続けても、時間を無駄にするだけだし……とにかく進んでいった方がいいかもな。


『俺も赤髪ちゃんの意見に賛成です』


『ダスト君?』


『このまま考え続けても、時間を無駄に消費してしまうだけです。それなら、たとえ行き当たりばったりでも、進むべきだと思います』


『確かに……』


 シアンもバレスも特に反対意見は無さそうだ。


 こうして俺達は考えず、とにかく先に進む脳筋(さくせん)で行くことにした。


『よし……では出発ですね。3人共……しっかり私についてきて下さい』


『はい! お姉さま!』


『どこまでもついていくよ!』


『了解しました』


 もう時間も猶予もない。こうしてる間にも、時の女神によって、世界の創生の準備が進んでいる。そうなれば、アクタ達と敵対している俺も、どうなるか分からない。


 進もう。せめて俺は生きる事を最後まで諦めない。


 必ず帰るんだ。元の世界へ。


第124話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、14日(土)か15日(日)に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ