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第115話『必ずまた会おう』

お待たせしました。

第115話の執筆が完了しました。

宜しくお願いいたします。


※2024/06/16改稿しました。

 史上最高にしょうもない茶番劇が終わった後、俺達は今後どのように行動するべきかを話し合った。


 まず、ゼウスに魔王城の場所が割れてしまったので俺達は魔王城には戻れない。なので今後は、まだ場所が割れてないであろう火の国の基地を拠点とする事となる。


『魔王城と比べると、狭いし設備もしょぼいけど仕方ないか……』


 皆には多少不便な思いをさせてしまうが、耐えてもらうしかない。


 あと、もう1つ問題がある。それはその基地は、お世辞でも広いとは言えない。全員をあの基地に住まわせるとなると……生活に支障が出るレベルで窮屈になってしまう。そこでトッキーが提案してくれたのが、火の国の基地に住むチームと世界の果て……いわば此処、トッキーの住み処に住むチームに分けてはどうかというものだった。


『最高の提案だが、トッキーはそれで大丈夫なのか?』


『問題ない。むしろせっかくの広い部屋。存分に活用しなきゃもったいない』


 こう言ってるが、単純にルームメイトが欲しいだけなのだろうな。


 そういうことなら、ということでトッキーの言葉に甘えさせてもらった。


『次はそのチームをどう分けてかだが……』


『じゃあ、こういうのはどう。例えば――』


 全員で、話し合った結果チーム分けは以下の通りになった。


 火の国の基地に住むAチームは、アクタ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、みどり、アミ、ミユウ、ダイゴの8人。


 世界の果て、トッキーの住み処に住むBチームは、アース、フラン、ケン、シュタイン、アリスの5人と(マーブル)


 Bチームの人選の理由だが、アースとシュタインは言うまでもないが、アリスは、そもそも外に出すのは、あまりにも()()()だからだ。今は、あまり奴らの目に触れたくない。マーブルは集中して自分の肉体再生を試みたいとの事だったので、ここに籠る事にした。フランとケンは、シュタインとは離れなくないので、ここに残るみたいだ。


『アミさん……』


 アリスは、アミと離れてしまうのが悲しいのか、アミに抱きついたまま離れなかった。するとアミは、アリスの頭を撫でてこう言った。


『永遠の別れってわけじゃないから大丈夫。それに、トッキーも通信魔法が使えるみたいだし、いつでも連絡が取れる状態だから、毎日話ができるよ』


『うん……』


 アリスはそれでもやはり寂しいのか、アミから離れなかった。これは無理やり引き剥がしても無駄だろう。しばらくそっとしておこうと思った俺は、基地へ出発する準備を進めた。


 ――それから数十分後。


『準備できた?』


『はーい!』


 Aグループ全員、準備が完了しいつでも出発できる状態になった。


『ゴールド!』


 そう呼び止めたのはフランだ。この2人はライバル関係でもあったから、フランも離ればなれになるゴールドに対して何か思うところがあるのだろう。


『ん? 何だ?』


 ゴールドは、まるで微塵も興味無さそうな態度で返答した。内心は寂しいと思ったりするのだろうか。それは本人のみぞ知る。


『俺が勝つまで、誰にも敗けんじゃねえぞ』


 フランはそう言って拳を突き出した。それに対して、ゴールドも拳を突き出した。


『へっ、そりゃこっちのセリフだ』


 ゴールドは輝かしい最高の笑顔でそう言った。そんなゴールドを見て、ときめいたのかフランは少し頬を染めた。


『じゃ、じゃあな』


 フランは踵を返し、逃げるように襖の奥の部屋に籠った。そんなフランを見てブロンズは何故かニヤニヤしている。


『さて、そろそろ俺達は――』


『団長!』


 そろそろ出発しようとしたタイミングで、シュタインが声をかけてきた。


『団長のおかげで……私は救れました! その……ありがとうございました! 1度離れる事にはなりましたが……これからも私は……いえ私達は、団長の仲間です!』


 団長か。そう呼ばれているが、正式に約束のギルドを発足したわけではない。事が全て終わってから、俺はギルドを始めるつもりだ。


 ここで、俺が贈るべき言葉は――。


『シュタイン。待っていろ。いつかギルドを建設する。それまで待っていていれ。それとフランとケンのことも宜しくな』


『はい!』


 シュタインは別れる前に、真珠のような涙を流しながら最高の笑顔を見せてくれた。


『必ずまた会おう』


 そう約束をして、俺達は世界の果てを後にした。


 その後、俺達は無事に火の国の基地へ着き、長き年月を8人で暮らした。


 あと約300年……どうやって過ごそうか……。みんな同じ事を考えていた。なんせおよそ300年だ。普通の人間ならば半分も経たない内に天命を全うするだろう。だが俺達は特別にトッキーから寿命のカウントダウンを止める魔法をかけてもらった。つまり不老不死ということだ。正直、実感もわかない。だが、過ぎ行く時間は、不思議と早く感じた。誰かと楽しく喋っていたら1日が過ぎていた事や、食料調達の為にモンスターを狩っている内に3日も過ぎていたりと、まるで、自分の中の腹時計が壊れているようだった。


 ――それから100年、200年経っても、ゼウスやアテナからの襲撃は一切なく、それどころか、盗賊団が動いたという形跡すらなかった。まるで、存在が丸ごと消えてしまったのではないかと錯覚してしまいそうになった。とはいえ、このままずっと襲ってこないという保証はどこにもない。常に警戒態勢は怠らず、基地の周囲に気を配った。


 ――そして、時は約束の298年後へ。

第115話を見て下さり、ありがとうございます。

この話で長かった回想も終わり、次回からは本来の時間へ戻ります。

……回想長くてすいませんでした。

次回は、25日(日)か26日(月)に投稿予定です。

宜しくお願いいたします。


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