表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/710

第114話『食べ物の恨み』

お待たせしました。

第114話の執筆が完了しました。

宜しくお願いいたします。


※2024/06/16改稿しました。

 アースが無事に避難に成功し、こうして仲間たちと再会することができた。そんな喜ばしい中、時の女神が初対面のアースに話しかけた。


『大変だったね』


『あなたは、もしかして……?』


『うん。時の女神。トッキーって呼んで』


『あ……あぁ……』


 アースは、トッキーを見るなり、思わず口を抑えてしまう程に驚愕の表情を浮かべた。


『す……すっげえ美少女……!』


 アースらしい反応に、ゴールド達は呆れながらも少し笑った。


 最高の賛辞をもらったトッキーは少し頬を染め、笑顔でお礼を言った。


『アースちゃんも可愛いよ』


『えへへへへ、ありがとうね~トッキー。ぐへへへ、美少女に美少女って言われちゃったよ~』


 アースは美少女とは思えないようなゲスのような顔をして照れた。顔芸としてはなかなか良い味出している。


『アースちゃんって褒められた途端に、急におっさんっぽくなるよな……』


『褒められた途端というか、いつもそうじゃない?』


『それもそうか』


 魔王城の面々はアースの顔芸は見慣れてるのか、あまり動揺せず見守っていた。アクタだけは、こんな顔もするのかと少し衝撃を受けていた。


 それから話は盛り上がり、アースは先程まで泣いていたとは思えない程に歓喜に溢れていたが、身体がガタガタなのは変わらない。調子に乗ってゴールド達にセクハラしようとしたら、途端に身体が悲鳴を上げ倒れてしまった。


『アースちゃん!!』


『あ……あ……』


 ゴールド達はアースにセクハラされそうになったのにも関わらず、死にかけのアースに駆け寄った。


『おい、大丈夫かよ?』


『う、うん大丈夫……あ、そうだ! 思い出した! ゼウスの奴が追ってくるぞ! あいつは本当にヤバい! 皆逃げろ!』


 今更それを言うのか……とアクタは思った。


『ここは私が許可しない限り、たとえ神であろうと、入ることはできないから大丈夫』


 トッキーは恐怖に怯えるアースを癒し、包むように抱きしめた。


『そ、そうなんだ……あぁ……良かった……もうあんな化物、二度と会いたくないよ……』


 アースはゼウスと対峙した事でとてつもないトラウマを植え付けられたようだ。無理もない。ゼウスの力は規格外だ。あんな力を見せられては、自分がどれだけ微々たる存在であるか思い知らされる。


『ん? というか何で、みんな私がゼウスに追われてるって分かったの?』


 当然の疑問を今更口にした。


()()()()だ』


『マーブル……? 彼女が何をしたの?』


『マーブルが死ぬ間際に、マーブルの()が、こちらに来て、この状況を伝えてくれたのだ』


『魂って……じゃあ、やはり魔王は死んだのか……』


 アースが悲しそうに下を向いてると、突然マーブル (魂)が、横から現れ、アースにこう言った。


『アースちゃん、大丈夫?』


『ああ、大丈夫……ってうわっ! ビックリした……って魂が喋った!?』


『ビックリさせてごめんね。儂じゃよ。スーパーウルトラジャスティスの魔王様じゃよ』


 魂になっても尚ふざけてるマーブルに、ゴールド達はクスリと笑った。


『え、えぇ……』


 さすがの地の女神アースでも理解が追いつかず、引いている。


 最初マーブルの魂が現れた時は、みんな激しく動揺していた。だがそんな中、トッキーだけは、冷静にこの魂はマーブルのものだと解説していた。


『いきなり変な事言ってごめんね……ビックリしたよね……怖いよね……しかもアースちゃんの大好きな美少女じゃなくなってるし……もう儂なんていらないよね……』


 顔がない炎の灯火のような外見の魂なので、分かりづらいが、メンヘラ気味にメソメソと泣いている (と思われる)。


『ええ!? なんか急にすっごいネガティブ!?』


『まーちゃん、洗脳されていたとはいえ一回私達に牙を向いてしまったことに責任を感じているみたいで、それからちょっと精神的に病んじゃって……』


『そうなんだ……』


『私達はもう大丈夫って言ってるんだけどね……』


 ここにいる全員、心配そうな目でマーブルを見ている。アースがここに来る数分前、アクタとゴールドとシルバーとブロンズとアミの5人で、精一杯、マーブルを慰めたのだが、全く聞く耳を持たず、むしろ更にネガティブに拍車がかかるだけだった。


『あはは……儂は最低だ……ミジンコだ……いや、そんなこと言ったらミジンコ様に失礼だ……じゃあゴミ……今度はゴミ様に失礼か……もういっそ――』


 この後も、ブツブツと自虐し続けた。


『あれは重症だね……まさか、魔王があんなになってるなんて……』


『そういえば、ずいぶん前にも、ああいう状態になった時あったよなー』


 思い出したように、ゴールドがそう言った。


『前にも?』


『ああ、ダストっちが来る1年くらい前かな? 冷蔵庫にあった、まーちゃんのプルプルリン……じゃなくてプリンを、腹が減ってたからって勝手に食べちまった事があってな……その後、まーちゃんは、冷蔵庫のプリンが無いことに気づいて、あんな感じにめちゃくちゃ落ち込んじまったんだよ』


『まさかのプリンと同レベルだった!?』


『やれやれ……想像の倍以上は下らないな……』


『あの時は……』


『ん?』


 俺達の話を聞いていたのか、マーブルが反応してきた。


『あの時はよくもおおおおおおおお!!!』


 マーブルは、(おそらく)鬼の形相で、ゴールドに突進してきた (魂だから、当たらないが)。


『まだ根に持ってた!?』


 すると、ゴールドもなぜか鬼の形相で、マーブルを睨みつけた。


『そうだ……思い出したぞ……まーちゃんだって、あの後、アタシのアイス食べただろうがああああああああ!』


『ゴールド、突然どうした?』


『あぁ……説明するとね、さっき言ってたゴールド姉がまーちゃんのプリンを食べた後、まーちゃんも、その仕返しでゴールド姉が楽しみに取っておいたアイスを食べちゃったの』


『なんだそれは……しょうもない……』


『そしたら、すごい大喧嘩しちゃって……2人の喧嘩を止めるのに苦労したわ……』


『どうやって喧嘩を止めたんだ?』


『2人が喧嘩きてる間に、私とシルバー姉が急いで、プリンとアイスを作って食べさせたら、2人共、満面の笑みで和解したわ』


『それで解決したのか。はぁ……仕方あるまい』


 この後、シルバーとブロンズ中心に、みんなでプリンとアイスを大量に作った。すると案の定、マーブルとゴールドの喧嘩は収まり、みんな仲良くプリンとアイスを食べたはずだったが……。


『おい、まーちゃん! それ、アタシが食べようと思ったやつ!』


『は? こんなにいっぱいあるんだから、どれでもいいじゃん!』


『良くねえよ! アタシの直感(レーダー)が、それが1番美味しいって言ってたもん!』


『はい、だとしても、早い者勝ちでぇぇぇす。残念でしたぁぁぁ!』


 炎の形状のまま手を生やしたマーブルは狙ってたアイスを口 (?)に運んだ。


『許さねえぞ、この野郎!』


『おうおう、やってやろうじゃんか!』


 マーブルとゴールドは結局また喧嘩した。


『もう付き合ってられるか』

第114話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、23日(金)か24日(土)に投稿予定です。

宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ