表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

金なら一枚、銀なら五枚で婚約破棄

作者: しいたけ

 王族の何か良く分からないパーティ会場で見つけたちょっと派手めな女に手を出したばかりに、私は後々苦労することとなった。


 見た目は若々しく20代前半と見受けられたが、その実なんと42歳! 今時のメイクは詐欺レベルの威力である。しかも私は酔った勢いで結婚まで約束してしまった為、3カ月後の結婚式にてこの女と結婚しなくてはならないのだ!!


(マズイ! 何とか式までに婚約破棄をせねば!!)


 私は市中を駆けずり回り、とあるお菓子を買い集めた!


 政府が密かに資金集めの為に製造しているお菓子なのだが、なんと当たり付きで『金の壊れかけのエンヂェル』なら一枚、『銀の翼の折れたエンヂェル』なら五枚で密かに頼み事を頼まれてくれるのだ!!


 私は祈りながら馬車に溢れんばかりに載せたお菓子を次々と開けた!!


  ──パカッ!


「外れ!」


  ──モグモグ……


  ──パカッ!


「外れか!」


  ──モグモグ……


  ──パカッ!


「くそっ、外れ!」


  ──モグモグ……


  ──パカッ!


「また外れ!」


  ──モグモグ……


  ──パカッ!


「外れぇぇ!!」


  ──モグモグ……


 キチンとお菓子を食べるのを忘れないのが私のポリシーだ!


 ピーナツ味に飽きたら次はイチゴ味!


 キャラメル味は詰め物が取れちゃうから、個人的には舐めて溶かすかホットミルクに溶かすのがオススメだ!!



 馬車半分ほどのお菓子を平らげた俺の目の前には銀が三枚。しかしまだ足りない!!!!


「ババァと婚約破棄するためにも、もっと俺にエンヂェルを!!!!」


 俺は気合と根性と愛と誠と恋しさと切なさと心強さと愛と勇気と情熱と冷静の狭間で無心にお菓子を食べ続けた!!





  ―――そして式当日


 俺は五枚のエンヂェルを手に、ババァと対面した。


「婚約は……は―――」


「このデブ誰なの!? 気持ち悪すぎて無理無理無理無理!!!!」



 俺は、お菓子の食べ過ぎで体重が120kgを軽く肥えていた…………。


 念願の婚約破棄をエンヂェル無しで叶えたが、俺の心には虚しさだけが残った。


 そして、五枚のエンヂェルを封筒に……願い事は『痩せたい』とだけ書いた。

読んで頂きましてありがとうございました!

(*'ω'*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] おめでとうございます? [気になる点] どんだけ出ないんだ! [一言] 王家のライザップに期待!
[一言] >キャラメル味は詰め物が取れちゃう ヽ ( ꒪д꒪ lll)ノ  …ぢつは私もって、他にもいらっしゃるしwww
[良い点] 一行目から笑ました! いやぁ……ほんと、最近の化粧の技術って、すんごいですよね。顎のラインすら全然ちがってしまうんで、小顔すら作れるし! あまりの衝撃映像に、まばたきするの忘れるぐらい凝視…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ