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プロローグ

はじめまして、とりつくねと申します。

未熟者ですが暖かい眼で見守って下されば幸いです。

男が最初に覚えているのは燃える町、焼けて、しかし死ぬことすらできずに水を求めて呻く亡者のように変わり果てた家族、友人、隣人の姿だった。


十年前、大きな戦争があった。


小いさな国は滅ぼされぬように懸命に戦った、しかし結果としてあまりにも多くの国民を失ってしまった国はいつか、そう遠くない将来亡国となるだろう。


これは そんな地獄で幸運(不幸)にも生き残った青年が紡ぐ世界の片隅のお話である。





サク、サク、サク・・・静かな、命の息吹きというものがおおよそ感じとることが出来ぬ雪山に、一人の男が背中に背負った荷物を揺らしながら雪を踏みしめ歩いている。

年の頃は二十歳そこそこだろうか。

青年は一息つくと荷物を下ろし、かまくらを作り始めた。

恐らくこのかまくらを今晩の宿にするつもりだろう。

雪の宿を手早く作り終えると荷物から薪を取り出し火をつける。

もう一度大きく息を吐くと今度は地図を取り出し見つめていた。

ふと上げた顔は何とも情けなく眉尻が下がっていた。

「ここからだともう次の町に着いても良い頃なんだけど、おかしいな。」

地図には確かに雪山を通った先に町があるはず。

なのに町所か人影一つも見ていない。

そうしていると焚き火も安定したので夕食を作る為に鍋に新雪を入れて湯を作っていく。

ある程度湯が沸くと腰に挿していた大振りのナイフで干し肉を切って入れていく。

質素だがこの干し肉のスープと雪山の気温のせいでカチカチになった黒パンが夕食だ。

食事をとり腹も膨れた。

もう日は暮れたのでこれ以上先に進むのも危険だが、明日は町を探すためにもう少し進まなければいけない。

そうと決まればと男はもそもそとかまくらの中へ寝袋を広げその中へと入って目を瞑った。

数分もすると静かな寝息がかまくらの中で聞こえるのみであった。

お読みいただきありがとうございます。

貴方の暇潰し程度にはなったでしょうか?

もしなれたのならば望外の喜びです。

定期的に更新をする予定なので良かったら次回も見に来て頂けたら幸いです。

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