3話『使命』
「で、そんな死神に転生? なんて漫画みたいなことが起きたようだけど俺は何をすればいいわけ」
「おぉ、物わかりが良いんだね。僕好きだよそういうの。……えーと、そう、君はもう人間じゃないんだ。とりあえず自殺は成功してるよ、おめでとう」
「なっ……」
それは『人間としての大須賀帝人は死んだ』と解釈して良いのだろうか、と帝人は思った。蛇足だが自殺成功おめでとうと言われるのも変な感じがすると思っていた。
けれど、こうして実質生きている状態の今では、死んだ意味が無い。……罪悪感は薄れない。
「それでさ、これから君には――死神として、その鎌で天使を討伐して欲しい。お姉さんのこと、悲しかっただろ、天使が許せないだろ、復讐するんだ」
「な、んで……お前、それを知って」
「うん、僕は外人さんだからね。天使にはその鎌でしか対抗できないんだ、死神になった君なら――これを持つ資格があるってわけ」
ノアの言葉を聞いた帝人ははっとする。
本能的に帝人は大鎌に手を伸ばしていた。ずっしりとした重量感はあるが、思ったより重くはない。むしろ体の一部の様な――
「それは君の思念が創り出した物だよ。だから、君の想いが強ければ強いほどその鎌も強くなる。」
「これが、俺の……」
禍々しい姿のこの鎌は、確かに帝人の心を具現化していた。
帝人の中を渦巻く罪悪感はいつの間にかに無くなって、今は復讐の炎が、帝人の中で大きく燃えている。
大鎌はそれに応えるように、一際鮮やかな深紅に変わっていた。




