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雨の唄。

作者: 青木麗二



紫陽花が色づいて

いつまでも雨が降る

嘘もいつわりもなく

永遠などないのに

おやすみはそれでも聞こえてた


可愛い子と言って

気まぐれに拾ってくれた人

下らないのは分かってるの

消し飛ぶような関係でも

この手を握ってくれたから


咲くのをやめた花は

しとどに濡れて

好きですと告げる

背を向けられてもいいから

それでも好きなのですと


楽しかったことばかり

千切れそうな胸を埋め尽くす

梅雨が開けたら行こうねと

手のひらの約束を温めて

どんな雨にも耐える


生ぬるい風に吹かれて

二度三度と名を呼んだ

盗まれたものは取り返せず

眠るように私は

残り香に沈んだ


春と夏の間で

昼も夜もなく焦がれて

不器用なその手が

下手くそに愛してくれた事

本能は覚えているの


待っても待っても

未来は来なかった

無理なのは分かってる

眼を閉じているから

戻らない事を恨んだりしないから


やぶれた花びら

夢うつつの霧の中でも

呼ぶ声は聞こえてた。




強く印象に残っている思い出や声などは、鮮明に記憶している時があります。すでに過去のことなのに声がした気がする。そうやっていつまでも忘れられずにいる、じめじめした気持ちを描きました。

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