短編7
【小説と僕】
あれから、365日と約半年ばかりの月日が経とうとしている。早いものだ。もっと遅くてしてやりたい、と願うばかりで、残された時間はどのくらいなのかと思い耽る。タイムリミット、人に生死がある以上、神様が設定していそうな時間。それを知る術はない。だからと言って、絶望うやむやの毎日ではない。
模範解答のような、答えがない問題に取り組んだところで、一生頭を悩ますのだと知っている。模範はなくても、オリジナルの斜め上下な答えなら、適当に見繕うことはできるけれど、それではいづれ首を傾げることになる。そもそも、死のタイムリミット設定を自分で決めてしまうのは、あまりにも馬鹿げているではないか。
”阿呆らしくてやってられない”人には無縁ではないけれど、すぐに訪れることでもないだろう。それより、今やるべきことをしよう。そうやって、ズルズルと年をとる人もいる。素晴らしいことだ。死に対して、他人事を貫き通すのも一興。僕は批評も何もしない。そういう考え方もあるんだな、と学ぶのが筋だと思っているから。
根底には、人の価値観を僕の価値観で正そうとするなんて、迷惑千万だと思うし、この行動には途方もない時間と労力がいる。悪を絶やすのと同様だ。僕には、それほどの気概は今のところない。できるとしたら、一人ぐらいだろう。二人以上は断固、お断りしよう。どうしても、と媚を売りにくる人なら考えなくもないけれど。
話は返り咲いて、咲くというより、つぼみに若返るような話だけれど。文頭で示した、5W1HのWhenの正体、素性は何かというと。僕の執筆歴である。趣味として、小説を書き始めてからの歳月のことだ。では、タイムスリップするとしよう。にしても、タイムスリップとは、時間が転んだようでシュールな言葉である。
時間がズッコケてしまったので、僕も見習ってズッコケるのではなく、当時の懐かしい本「ズッコケ三人組」でも読もうか。いまの年代なら、何とか認知度のある本だとは思うけれど、かいけつゾロリには敵わないかもしれない。同系列の例えを出すなら、のんたんだろうか。うさぎピョコピョコ、のんたんは残念、二足歩行だ。
「それより、お前様よ。そんな話をしに、わざわざタイムスリップした訳ではなかろうに」え、これは思わぬ来客だった。二次元と三次元が繋がっちゃった、いえーい、ガッツポーズをする前に、ぎょっとして体が硬直する。こんなイレギュラーな事態が起こるとは。まさに現代の怪異現象だぜ。「おい、聞いておるのか」
「あ、はい。僕の憧れの、貴方様の声を、左から右に流さないよう、ストッパーをつけていたんですよ。これで、ロリも金髪も何もかも、脳内保存しまくりです」「お前様は人間じゃろうに。それとも、この世界の人間は誰しも奇妙な能力を使えるのかのう。儂にはにわか信じられん」そう、ここにいるお方は、忍野忍である。
ラノベやアニメを少しでも、嗜んでいるなら小耳に挟んだことくらいはあると思う。化物語、偽物語、傷物語、続く続くの怪異譚小説に登場する人物。それが彼女、吸血鬼の中の吸血鬼、キスショット・アセロラリオン・ハートアンダーブレードだ。見る限り、彼女のイメージは二次絵そのもので、彼女は僕の影から這い出てきた。
という妄想であった。言葉の綾で、話の方向を無理やり戻す。一人がたりでは、少々つまらないだろうと思っての変化球だ。これで、多少でも気分が和んでくれれば、僕の策略大成功、両手を挙げて万々歳である。かくして、脳内なら何でもあり、という前提をチラつかせつつ、僕の小説への思い等々を、ようやく話すのだった。
つうか、今日の僕ちゃん、つぶやきまくりじゃないですか。まるで今の今まで、サボっていた分を精算するかの勢いで、書き散らしている。なんとまぁ、便利なバネだ。この勢いをそっくりそのまま、小説に運用できればさぞ嬉しい。しかし中々、上手くいかないのだ。けれど、30歳までには小説を出版してみせる! 今、決めた!
【ユズラー】
みなさん、こんにちは。今日の特集は、”電車でお年寄りに席を譲れるか”という話でございます。これが出来なくては、一人前のユズラーとは言えません。「柚好きなのでユズラーやし」なんていう屁理屈は通用しないのです。目の前に老人がいたら、迷わず席を譲りましょう。恥ずかしいのなら、無言で席を立とう。
【ダラダラ月曜日】
今日は一日中、家に引きこもっていた。本来ならば京都でスイーツ巡りの予定だったのだけれど、台風18号により敢え無く延期することになった。週の始まりを堺に、自然はとてつもない雨風の大盤振る舞いをした。そうでなくても、ブルーマンデイで億劫な気分なのに、空気の読めない天気だ。僕は寝すぎだ。
【乳輪占い】
絶賛大ヒット中のよく当たる占いらしい。僕もちと調べてみたけれど、これは素晴らしい職業だ。と別の意味で興奮している。つまり僕があれに弟子入りをして、いやそうでなくても独学乳輪を学びビジネスに繋げれば女の子のおっぱい見放題である。もちろん女性限定にしぼる。「上半身全裸にはふはふ」も夢でない?




