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短編64

【パパのチンコ】

「ねえ、パパはどうしてパチンコへ行くの?」「それはね、パパにチンコが生えているからだよ」「ねえ、パパはどうしてチンコ生えてるの?」「それはね、パチンコへ行くためだよ」「じゃあ、パパのチンコをとったら、パチンコには行かなくなるの?」「もちろんさ。パチンコは男の聖域だからね」「えいっ」



「こら、勝手にもっていくんじゃない。パチンコへ行けなくなるじゃないか」「だって、パパったら、いつもパチンコばかり行って、私と遊んでくれないんだもん。だったれ、これなんてこうだよ。えいっ」娘はパパのチンコを地面に叩きつける。「仕方ないなあ。そのチンコはあげるよ」「え、まだ持ってるの?」「ひ・み・つ」



「いい加減にして。あなたがパチンコへ行くせいで、何本のチンコが犠牲になったか。あなたがよく知ってるはずよ」「仕方ないじゃないか。やめられないんだ。大丈夫、次こそは取り返してみせるから」「その台詞はもう聞き飽きたわ。結局、チンコを無くして帰ってくるじゃない」「うるせえ、うるせえ。行くんだよ俺は」



-パチンコ-『おはようございます。今日も多くのパパのチンコが揃っております。ぜひとも、ゆっくりとご遊戯くださいませ』「ふう、来たぜ来たぜ。昨日はあのチンコに負けたから、今日はリスクの少ないあのチンコに挑戦してみるか」『もぐもぐチンコ』通称もぐちんと呼ばれている。内容は、もぐら叩きのチンコ版である。



パチンコとは、パパ(妻子のいる夫)が地位と誇りをかけて、互いのチンコを掛け合い、よりよいチンコを手にするための遊戯である。しかし、敗者に待っているのはチンコの没収である。『もぐもぐチンコ』は比較的とっくみやすく、一度負けてもチン活力を吸い取るだけで、没収までには至らない。パパは最高のチンを目指す。



-帰路-「ちくしょう、また負けた。もうチンコがない」「おう、そこのパパ。もぐちんの遊戯、見てたぜ。いやあ、あと少しのところだったのに。おしかったよな」「ああ、ありがとう。しかし、結果は結果だ。同情されたって、結果だけは覆らねえ。もう俺にはチンがない。今日が潮時さ」「おいおい、まだ諦めるのは早いぜ」



そして繰り返される。酒に飲んだくれ、今日もチンコを差し出すのだ。「パパはどうしてパチンコへ行くの?」「それはね、パパがどうしようもなく、チンコのことが好きだからだよ」「チンコが生えてるからじゃなくて?」「それは昔の話さ。今は、チンコにかける想いがパパをパチンコへ駆り立てるんだよ」さようならパパ。

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